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パッシブ・ファンドとアクティブ・ファンド

トウシル / 2008年1月11日 0時0分

パッシブ・ファンドとアクティブ・ファンド

パッシブ・ファンドとアクティブ・ファンド

 投資信託は、運用方法による違いから「パッシブ・ファンド」と「アクティブ・ファンド」の2つに分かれます。
「パッシブ・ファンド」とは、市場全体の平均的な収益を獲得することを目的とし、十分に分散化されたポートフォリオを保有するタイプのファンドです。一方、「アクティブ・ファンド」は、市場や投資銘柄に対するさまざまな調査結果や予測を基にして、市場の平均的な収益率を上回る運用成果をあげようとするものです。

 

主なパッシブ・ファンド

 インデックス・ファンドが代表的です。インデックス・ファンドは、ベンチマーク(運用成果の比較対象)となるインデックスのすべての構成銘柄、あるいは代表的な銘柄に投資し、保有します。日本では、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)がベンチマークとして一般的で、インデックス・ファンドの基準価額は、これらの指数と同じ値動きをすることを目指しています。

 

パッシブ・ファンドの長所・短所

 パッシブ・ファンドのメリットは、コストの安さです。パッシブ・ファンドは一度、ポートフォリオを構築したら、資金の増減や構成銘柄の変化に対応した売買をする程度で比較的維持コストがかかりません。そのため、信託報酬などの手数料が安く設定されています。また、リスクをはじめとする運用内容が把握しやすいという点も長所と捉えられています。
一方、短所は、株価指数の構成内容の変化がファンド内の売買コストを高めたり、構成内容の変化に乗じて儲けようとする他の市場参加者の投資行動から不利益を被る場合がある、という点が考えられます。

 

主なアクティブ・ファンド

 アクティブ・ファンドにはいろいろな運用スタイルがあります。運用スタイルとは、投資を行う際に基本となる考え方や手法のことです。代表的なものには、「グロース投資」と「バリュー投資」があり、それぞれの投資手法に沿ったファンドを「グロース・ファンド」、「バリュー・ファンド」といいます。

・グロース(成長株)投資
企業の成長性や収益性に主眼をおき、将来的な成長性が見込める銘柄を選別して投資する手法をいいます。グロース投資の対象となる株は、成長性が高く見込めるため、市場平均に比べてPER(株価収益率)が高めになりがちです。将来の業績予測に基づいて投資するため、見通しを誤ると大きく値下りするリスクがありますが、その分だけ大きなリターンが見込めるといえます。

・バリュー(割安株)投資
企業の持つ資産や利益、キャッシュフローなどから企業価値を算出し、実際の株価と比較して割安と考えられる株式に投資し、将来、妥当な水準まで評価されるのを待つ手法をいいます。PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの指標を使って、割安と考えられる銘柄を購入するのが基本的な運用方法です。

 

投資銘柄のサイズ

 発行済株式数あるいは時価総額(発行済株式数に株価を掛けたもの)を基にして、個別銘柄のサイズ(規模)が分類されます。相対的に見て規模が大きい株式が「大型株」、中程度の規模の株式が「中型株」、規模の小さい株式が「小型株」となります。なお、規模の定義はファンドによって異なる場合があります。

・大型株ファンド
大型株を中心に投資するファンドです。特徴としては、すでに成熟期に入っている企業が多いことから、安定した業績を反映して株価の変動が比較的小さい傾向にあります。

・中小型株ファンド
中小型株を中心に投資するファンドです。大型株に比べて創業して間もない企業が多く、事業のつまずきが業績に与える影響が大きいことや、市場で取引される株式数が少ないなどの理由から、株価の変動がより大きくなる傾向にあります。また、大型株ファンドに比べて大きな成長が期待できるという面もあります。

 

アクティブ・ファンドの長所・短所

 アクティブ・ファンドのメリットとしては、有効性の高い運用手法を持つファンドを選択した場合に(一時的には)市場平均以上の成果が期待できるという点が考えられます。
一方、デメリットは、コストが高いことです。投資対象である市場や個別銘柄の調査に掛かる費用を名目に、信託報酬が全般的に高めに設定されています。また、ファンド内で売買を頻繁に行いますから、コストがかさむ傾向にあります。

 アクティブ・ファンドの運用プロセスには、トップダウン・アプローチとボトムアップ・アプローチの2種類があります。  トップダウン・アプローチとは、投資する市場や通貨、資産分類、業種などの配分を最初に決めて、個別銘柄の選択をする運用手法です。一方、ボトムアップ・アプローチは、個別企業の調査を重視する運用手法です。
また、アクティブ・ファンドには、市場データの定量分析を基本に運用を行うクオンツ・ファンドもあります。
なお、最近、注目を集めているのが、「オルタナティブ投資」です。株式や債券などの伝統的な運用資産にとどまらず、先物・オプションなどの派生商品や不動産、商品などを投資対象に様々な運用手法を用いる投資を総称してオルタナティブ投資といいます。ヘッジファンドや、不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広いものが含まれます。

(山崎 元)

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