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石油需要は2023年以降減速とOPECが予測

トウシル / 2017年11月8日 14時0分

石油需要は2023年以降減速とOPECが予測

石油需要は2023年以降減速とOPECが予測

金は反落。1,265~1,280ドルのレンジで推移

 金相場は反落した。ドル高を背景に上値を押さえられている。しかし、依然として1,265ドルから1,280ドルの狭いレンジで推移している。

 全体としては下値が堅い印象である。米金利上昇の可能性があるため、市場全体のセンチメントは決してポジティブではない。また、米国株高もあり、安全資産としての金需要が盛り上がりにくい地合いでもある。それでも下げないところに、金相場の底堅さを感じる。

 1,265ドルを下回ると大きく調整が入りそうだが、下げると実需や中央銀行の買いが入りやすいと考えられるため、その可能性は低いと考えられる。

 また、サウジアラビアでムハンマド皇太子が主導した汚職関与を理由とした粛清の動きも地政学的リスクを感じさせる材料である。

 

非鉄は軟調に推移

 非鉄相場はおおむね軟調に推移。LME(ロンドン金属取引所)在庫はすべての銘柄が減少した。アルミは急落したが、2,130ドルのサポートを維持しており、まだ崩れてはいない。ただし、これを割り込むと2,050ドルまでの下げになる可能性があるだけに、注意は必要である。

 銅も急反落。7,000ドルを超えるほどの力はまだないのだろう。とはいえ、6,730ドルを維持していれば、基調は維持されていると判断できる。ニッケルも反落。それでも1万2,000ドル台は維持している。1万2,000ドルまで下げる可能性があるが、当面はボラティリティの大きい(価格変動の大きい)動きになりそうである。

 亜鉛も反落。3,150ドルのサポートまで下げていいて、これを割り込むかどうかで、目先の動きが決まることになる。鉛も反落したが、下げ幅は小さい。いまは最近の上昇の反動で上値が重くなりやすい。材料もないことから、いったん下げて、下値を固めてから再び上昇するパターンを想定している。

 

利益確定売りで原油は反落も、下値は限定的

 原油は反落した。最近の上昇に対する利益確定売りが出ている。ドル高、ユーロ安となったことも、背景にあるだろう。

 OPEC(石油輸出国機構)総会を11月30日に控える中、減産延長合意への期待が根強く、下値も限定的である。また、サウジアラビアがムハンマド皇太子による粛清を進めており、これも材料視されやすいといえる。

 OPECのバルキンド事務局長は、「減産合意の延長に強く反対している国はない」とし、合意をどの程度延長するかについて、総会前の合意を目指しているとしている。

 引け後にAPI(米石油協会)が発表した石油在庫統計では、原油在庫は前週比160万バレル減。クッシング在庫は81万バレル増。製油所の原油需要は日量45万バレル増に。ガソリン在庫は市場予想に反して増加し、52万バレル増。ディスティレスト在庫は310万バレル減に。原油輸入は日量43万バレル増の750万バレルだった。

 一方、OPECは世界石油見通しで、世界の石油需要は2022年にかけて伸びるものの、増加の勢いは減速すると予測。2017年は前年度比1.5%増の9,680万バレル、2018年は同1.4%増の日量9,820万バレル。2019年は同1.2%増の9,940万バレル、2020年は同1.3%増の1億70万バレル、2021年は同0.8%増の1億150万バレル、2022年は同0.8%増の1億1,023万バレルとしている。

 世界の石油供給は2017年が前年度比0.7%増の9,650万バレル、2018年が同1.7%増の9,810万バレル、2019年が同1.5%増の9,960万バレル、2020年が同1.5%増の1億110万バレル、2021年が同0.6%増の1億170万バレル、2022年が同0.8%増の1億250万バレルとしている。

 OPECの石油供給は2017年が3,240万バレル、2018年が3,280万バレル、2019年が3,310万バレル、2020年が3,370万バレル、2021年が3340万バレル、2022年が3,350万バレルと予想。OPECは加盟国の原油需要が今後2年間、当初予想よりもゆっくりしたペースで増加するとしている。OPEC加盟国を中心に進めた減産により原油価格が回復し、OPEC非加盟国の生産量が増えるとの見込みを立てている。

 また、EV(電気自動車)の急速な普及に伴い、2030年代後半に原油需要が頭打ちとなる可能性があり、OPECの長期見通しが落ち込むとする。

 さらに、米シェールを含むタイトオイルの供給見通しは引き上げている。2017年の原油価格の上昇と需要の安定的な伸びを背景に、OPEC非加盟国の供給見通しを引き上げたとしている。

(江守 哲)

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