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円ショート、前週比で約10億ドル相当も増加:最新IMMレポート分析

トウシル / 2017年11月15日 16時0分

円ショート、前週比で約10億ドル相当も増加:最新IMMレポート分析

円ショート、前週比で約10億ドル相当も増加:最新IMMレポート分析

IMMポジション推移(10/17~11/7)

円:円のネットショート、3週連続で増加

 CFTC(全米先物取引委員会)発表による11月7日現在の建玉報告によると、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物市場において、投機筋の円のネット枚数(円の買い建玉と売り建玉の差)は127,848枚のショート。円の売り持ちが多い状況で、ドル換算にすると約140億ドル相当のドルの買い持ち(円売り持ち)になります。

 円のネットショート枚数は、前週比で7.6%(約10億ドル)増えました。
売買別では、買い建玉(円ロング)が前週比約0.5%減少。一方売り建玉(円ショート)は前週比約5.0%増加。円ショートの枚数が大きく増えました。

IMM円  2015.11~2017.11

ユーロ:ユーロのネットロングは、4週ぶりに増加に転じる

・ユーロのネット枚数(ユーロの買い建玉と売り建玉の差)は85,455枚のロングで、ユーロの買い持ちが多い状況が続く
・ユーロ換算にすると、約10億ユーロの買い持ち(=約124億米ドルの売り持ち)
・ネットロング枚数は、前週比18.5%増加
・売買別では、買い建玉が前週比4.4%増加、売り建玉は5.6%減少
・ECB(欧州中央銀行)は量的緩和の縮小を決定だが、緩和継続にも未練を残し、その弱腰を嫌ったマーケットはユーロを売り進める。1.18ドル台から1.15ドル台半ばまで大きく下げたユーロドルだが、ようやく値頃感もあらわれ、徐々に値を戻す。IMMのポジションも軽くなり、新たにロングを組み入れる動きが出始めたよう。追随するように14日のスポット市場でも、ユーロドルは1.18ドルまで急騰

IMMユーロ  2015.11~2017.11

豪ドル:豪ドルのネットロングは縮小中

・豪ドルのネット枚数(豪ドルの買い建玉と売り建玉の差)は45,437枚のロングで、豪ドルの買い持ちが多い状況が続く
・豪ドル換算にすると、約45億豪ドルの買い持ち(=約34億米ドルの売り持ち)
・ただし、ネットロング枚数は、前週比12.0%減
・ロング枚数の取り崩しは6週連続
・売買別では、買い建玉が前週比12.0%減る一方、売り建玉も前週比12.1%減少
・17日に公表されたRBA(オーストラリア準備銀行)議事録が、「豪ドルの大幅な上昇は、成長を鈍らせる」と、「大幅」の表現を新たに付け加え、通貨高対する不満を強調。豪ドルの持ち高を減らすきっかけとなったよう

IMM豪ドル  2015.11~2017.11

ポンド:またショートに転換

・ポンドのネット枚数(買い建玉と売り建玉の差)は、9,198枚のショート
・ポンドのネットロングは、1週間で切り替わり、再び売り持ちが多くなる
・ポンド換算にすると、約5億ポンドの売り持ち(=約7億米ドルの買い持ち)
・売買別では、買い建玉が前週比23.0%減少に対し、売り建玉は前週比7.2%減。買い建玉の解消が、ネットショートに切り替わった主な理由
・今回はBOE会合(11月2日)後、最初のレポート。10年ぶりの利上げを実施したBOEだが、ポンドを買い増す材料にはならず。むしろ材料出尽くしからポジションは再びショートに切り替わる

IMMポンド  2015.11~2017.11

(荒地 潤)

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