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金融庁の監督下になった日本の仮想通貨。これっていいの?

トウシル / 2017年11月16日 16時0分

金融庁の監督下になった日本の仮想通貨。これっていいの?

金融庁の監督下になった日本の仮想通貨。これっていいの?

仮想通貨が法的に通貨として認定される

 2017年4月1日に、世界に先駆けてこの日本で仮想通貨に関する重要な法律が施行されました。それが、初めて仮想通貨に関する規制を盛り込んだ法律「改正資金決済法」です。

「改正資金決済法」のポイントは2つあります。

1つ目は、仮想通貨が決済通貨のひとつとして正式に認定されたこと

 それまでの仮想通貨は「物」「価値記録」の扱いであり法的位置づけがあいまいでしたが、「改正資金決済法」により、「決済通貨のひとつ」「貨幣の機能を持つ」ものとして認められました。

2つ目は、仮想通貨取引所の金融庁への事業者登録義務を定めたこと

 仮想通貨の売買を行う取引所は、「仮想通貨交換事業者」として金融庁への登録を義務付けられるとともに、取引について利用者への説明や情報提供義務も負います。万が一、取引所が不正等を行った場合、監督官庁である金融庁から業務改善命令や業務停止命令を出すことができます。

※2017年9月29日時点で現在、金融庁は仮想通貨の取引所として11社の登録を済ませたと発表。法律施行前から営業していたビットフライヤーやビットバンク、フィスコ仮想通貨取引所などの取引所の他に、証券系の2社が新規参入しました。金融庁は今後も審査を継続し基準をクリアした取引所の登録を進めていくとのことです。

 

市場の拡大とともに起きた問題への対処

 今回の法改正・施行は、2014年に起きた仮想通貨取引所の1つ「マウントゴックス」のビットコイン消失、経営破たん事件が大きな契機だったと言われています。

 その後、2015年6月のG7エルマウ・サミットでの仮想通貨規制への合意、同じ年に公表されたFATF(G7諸国を含む35カ国と欧州共同体委員会、湾岸協力会議が加盟している国際金融作業部会)の仮想通貨取引所の登録及び免許制を促すガイダンス、米国FinCEN(米国財務省の金融犯罪取締ネットワーク)による仮想通貨の監督強化の発表などの影響も加わり、日本でも仮想通貨を金融庁の監督下に置き、利用者保護とマネーロンダリング 防止を主眼とした規制の必要性について議論が行われてきたのです。

 

法施行によるメリットとデメリット

 利用者にとっては安心材料となる「改正資金決済法」ですが、そのメリットとデメリットを紹介したいと思います。

 まずメリットですが、今後、日本での仮想通貨取引は金融庁の監視下で行われますので、投資家に安心感が生まれより取引が活発になると予想されます。また、金融機関の市場への参加が動きはじめていますので、仮想通貨の流動性は飛躍的に拡大していくでしょう。

 さらに取引量の増加により、現在のような価格変動の激しさは少なくなり、合理的かつ適正な価格に移行していくと思われます。これにより、投機的な取引や怪しい投資も減少していきます。

 ではデメリットはどうでしょうか。

 今までのような自由な売買が規制されることで、既存の投資家が市場から離れる可能性が考えられます。国境を越えて行うクロスボーダー取引などにおける利便性の低下への不安の声も聞かれます。また、新規投資家の大量参加で価格の下落が起き、仮想通貨購入後に資産が減ってしまうリスクも考えられるでしょう。

 

広がっていく利用シーン

 2017年11月現在、日本でビットコイン支払いが可能な業種は、家電量販店や飲食店、旅行代理店など拡大を続けています。また、メガバンクが独自の仮想通貨を開発し、日常の決済手段として広げていきたいとの意向を示しています。このような仮想通貨事業者の登録や、メガバンクによる仮想通貨事業への参入は、仮想通貨が私たちの生活の中の「お金」として当たり前になる未来への強い後押しとなるかもしれません。

(フィスコ)

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