レンジを上抜けた金。ほか・・・先週の振り返り
トウシル / 2017年11月21日 10時20分
レンジを上抜けた金。ほか・・・先週の振り返り
金曜日に大きく上昇
2017年11月20日(月)掲載分より
先週も金曜日に大きな動きがありました。ほぼ2カ月間もの長い間、閉じ込められていたレンジをようやく上抜けする動きとなり、1,285ドルを超えて、1,294ドルで一週間が終わりました。
この動きは米国の税制改革法案成立への不安、そしてそれによるドル売りが理由とみられていますが、そのもう一つの背景として注目したいのが、米国の長短金利のイールドカーブ(金利曲線)フラット化です。
2年や5年の短期国債の金利と10年や30年といった長期金利の金利差がこのところほぼなくなってきています。
長期金利の下落傾向は、長期的な経済見通しが不透明であり、それはつまりゴールドのサポート要因となっているという見方です。この勢いで1,300ドル超えがあるかどうかが注目です。
ただ市場が注目するような目立った材料は年末FOMC(米連邦公開市場委員会)までなく、本格的な動きはそれからだと思います。ゴールド以外のメタルも金曜日はゴールドに追従して値を上げました。
ロジウムの上昇がまた続いています。パラジウムと同じで、基本的にやはり供給不足というファンダメンタルズがあり、それにのって買った投資家が利食いに動くとそのポジションがある程度整理されるまで下がり、それが終わるとまたファンダメンタルズで上がるということになっていると思います。
CFTC Commitment of Traders Report as of 14 Nov 2017(2017年11月14日(火)掲載分より)
投資家ロングポジションは688トンから694トンへ若干の増加。
レンジ内での小動き
2017年11月17日(金)掲載分より
相変わらず同じレンジでの動きが続いています。シルバー、PGMも目立った動きなしです。ロジウムは3日連続の上げ。上げるときも下げるときも一方的なメタルです。
金曜急落、一昨日急騰、昨日急落
2017年11月16日(木)掲載分より
やっぱりレンジは抜けませんね。昨日もニューヨークでゴールドは1,289ドルまで上昇しましたが、そこからドルの戻しに反応して1,276ドルまで急落。このところ、瞬間的な大量のオーダーで急騰したり急落したり。それが非常に短期間の間に3回もあるというのは、昔のマーケットではまずなかったことです。コンピュータによる売買なのでしょうが、なんの前触れもなくこのような動きが起こることが頻繫化しています。マーケットの流動性がない、そして流動性に有無にかかわらずとにかく必要なボリュームをいちどきに場にさらしますね。
ドル下落でゴールド上昇
2017年11月15日(水)掲載分より
相変わらずのレンジでの中での動きが続いています。昨日はアジアの終わりに1,276ドルから1,271ドルまで急落する場面がありましたが、ニューヨークでは逆にドルの急落からゴールドが1,272ドルから1,282ドルまで10ドル急騰する場面があり、金曜日の急落をほぼほぼ取り戻しました。ニューヨーク午前10時にたった3分間で140万オンス(約44トン)もの取引が成立したようで、金曜日の124トンの売りもそうですが、でっかい玉が入りレンジの中で値を飛ばすことになってるようです。
11月はファンドの決算期でもあり、こういったいわゆる内部要因で思わぬ動きになることがあります。PGMがいまひとつ頭の重たい展開。特にパラジウムは1,030ドルまで上げたあと上げきらず、また1,000ドルを割ったことで、ロングからの売りが出ているようです。一方ロジウムは1,300ドルまで下げて底値を確認したのか、ふたたび上昇してきています。
金曜日の急落を少しずつ戻し
2017年11月14日(火)掲載分より
相変わらずのレンジでの取引が続いています。金曜日の4 million onzもの突発的な売りで10ドル下がった分を少しずつ取り戻していくような動きの一日でした。金曜日の売り本主が誰でどのような理由であったかはわかりませんが、ゴールドのマーケットではしばしばこのような動きがあり、しばしばマーケットの雰囲気を変えてしまいます。今回はそれほどでもないようです。その他のメタルも小動きに終始。プラチナ、シルバーともに金曜日の急落を少し戻し。パラジウムは再び1,000ドル未満に。ロジウムは1,300ドルで反発。
CFTC Commitments of traders report as of 7th Nov 2017(2017年11月14日(火)掲載分より)
投資家ロングは668ドルから688ドルへ20トンの増加。4週間ぶりの増加となりました。今週はちょっと変則的で今朝発表されました。
(池水 雄一)
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