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日経平均の過熱度チェック!移動平均かい離率、騰落レシオ、裁定買い残で診断

トウシル / 2017年11月21日 7時50分

日経平均の過熱度チェック!移動平均かい離率、騰落レシオ、裁定買い残で診断

日経平均の過熱度チェック!移動平均かい離率、騰落レシオ、裁定買い残で診断

13週移動平均線からのかい離率を見ると、過熱感は低下

 日経平均のスピード調整が続いています。9月後半から勢いよく上げてきた日経平均は11月9日に一時2万3,382円をつけました。ところが、上昇ピッチが速すぎて過熱感が出たため、そこから急落。今しばらく、スピード調整が続くと考えています。

 本連載でお伝えしている通り、私は、スピード調整が終われば、日経平均は再び上値トライすると予想しています。景気・企業業績が好調で、日経平均のPER(株価収益率)が15倍を割れるところまで低下しているからです。

 さて、それでは、短期的な過熱感は、いつごろ、払拭されるでしょうか? 実は、過熱感は、すでにかなり低下しています。それを、13週移動平均線からの「かい離率」「騰落レシオ」「裁定買い残高」から見てみましょう。今日は、指標の説明は割愛し、結論だけ述べます。

 まず、13週移動平均線からの上方かい離率を見ます。

日経平均の13週移動平均線からのかい離率:2012年1月4日~2017年11月20日

出所:楽天証券経済研究所が作成

 日経平均の上昇ピッチが速く、13週移動平均線からの上方かい離率が10%を超えると、過熱感が意識されます(上の図で、下向きに矢印をつけたところ)。その後、スピード調整に入る可能性が高いといえます。

 今回は、上方かい離率が10%を超えたところで、スピード調整に入りました。ただし、11月20日時点で、かい離率は5.3%まで縮小しており、過熱感はかなり低下したと言えます。
上方かい離率が何パーセントまで拡大したら調整するかは、その時々の環境により、異なります。2013年の年初からの急騰では、上方かい離率が10%を超えても買いの勢いが衰えず、一時16%までかい離が拡大してから急落しました。

 逆に、13週移動平均線からの下方かい離率が10%を超えると、売られすぎ感が強まります(上の図で、上向きに矢印をつけたところ)。その後、相場はリバウンドに入る可能性が高まると言えます。

騰落レシオで見ると、過熱感はかなり薄れた

 東証一部の騰落レシオ(25日移動平均線)は11月20日時点で既に106まで低下しており、過熱感はありません。ただし、日経平均の騰落レシオ(25日移動平均線)は127で、過熱感が少し残ります。

 東証一部全体の騰落レシオの推移を見ると、以下の通りです。

東証一部の騰落レシオ(25日移動平均線)推移:2012年1月4日~2017年11月20日

出所:楽天証券経済研究所が作成

 

 騰落レシオが140を超えると、過熱感が高まり、150を超えると、相場がスピード調整に入る可能性が高まります。今回の上昇局面で、東証一部全体の騰落レシオは、140まで上昇せずに反落しました。東証一部全体で見ると、過熱感はすでにありません。

 ただし、外国人投資家が日経平均先物を買い上がったことから、日経平均には過熱感が出ました。日経平均の騰落レシオは、11月7日に171まで上昇した後、11月20日時点では、127まで低下しています。まだ、若干、過熱感が残ります。

裁定買い残高は、まだ警戒を要する水準とは言えない

 近年、裁定買い残高が3.5兆~4兆円まで増加した後、日経平均は反落局面に入っていました。あしもと、裁定買い残高は、2.9兆円までしか増えていません。まだ警戒を要する水準とは、考えていません。

 裁定買い残の見方について詳しい説明が必要な方は、以下レポートをご参照ください。
11月7日「外国人の買いはいつまで続く?裁定買い残から考える

日経平均と裁定買い残の推移:2007年1月~2017年11月(20日まで)

注:楽天証券経済研究所が作成

 

日経平均の過熱感は低下したが、日柄調整がまだ十分とは言えない

 過熱感はすでにかなり低下したと考えています。それでは、日経平均はすぐにでも反発局面に入れるでしょうか? 私は、時期尚早と考えます。日柄調整が十分でないからです。

 わかりやすく言い換えると、相場が過熱して反落してから、まだ日が浅いということです。もっと日数が経過しないことには、本格的な反発機運が熟しません。

 テクニカル分析で見ると、日経平均がスピード調整に入ってから少なくとも1カ月以上たたないと、日柄が十分となりません。値幅で言うと、一度、2万2,000円を割れたほうが、反発しやすくなると思います。

 実際に、いつ、どこで日経平均が底打ちするか予想するのは、困難です。あまり短期志向になりすぎず、長期的な視点で投資を考えたほうが良いと思います。

(窪田 真之)

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