ドイツ情勢の不透明感が新たなリスク。金をどこまで押し上げるか
トウシル / 2017年11月22日 13時0分
ドイツ情勢の不透明感が新たなリスク。金をどこまで押し上げるか
ドイツ動向が新たなリスクとなり、金は反発
金相場は小幅反発。前日の急落の後、ドル安を背景に押し上げられた。
22日発表のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨に注目が集まる中、23日は米感謝祭でもあり、動きづらい状況にある。17日の金相場の上昇と20日の下落はさすがに大きすぎたといえ、ようやく落ち着いた動きになったともいえる。
一方で、ドイツでは次期連立政権交渉が行き詰まる中、ドイツの動向に懸念を持つ一部の投資家が安全資産である金を買っている可能性がある。
そして、米国の主要株式指数が軒並み過去最高値を付ける中でも、金相場が上昇しているところが特徴的だ。金利が大きく上昇していないことやドル高基調になりづらいことが背景にあると言える。1,270ドルから1,300ドルのレンジでの推移も長くなっており、そろそろ動き出すころだろう。
12月の米利上げもおおむね織り込まれており、22日のFOMC議事要旨がよほどタカ派的な内容でない限り、市場への影響は限定的と考えている。そうであれば、金相場が堅調に推移しやすい11~2月の例年の傾向から、上昇に向かう動きが鮮明になってもおかしくない。
非鉄は総じて上げ基調
非鉄相場は底堅い展開。LME(ロンドン金属取引所)在庫は鉛が増加したが、それ以外の銘柄は減少した。
アルミは小幅反発。2070ドルをサポートしており、崩れていない。ここで下げ止まると、2,135ドル超えから再び高値を目指しやすくなる。銅は続伸し、ポイントだった6,875ドルを超えたことから、再び基調が強まる可能性が高まっている。ニッケルも続伸し、1万1,580ドルの重要なポイントをサポートして上げており、上値を試しやすくなっている。1万2,120ドルを目指す動きになるだろう。亜鉛も反発し、3,200ドルのレジスタンスを超えた。これも上昇に向けた動きに入ったと判断できる。鉛は続伸し、2460ドルのレジスタンスを超えた。同様に上値を試す動きに入ったといえるだろう。
全般的に下値を確認して再び上値を試す動きになっており、当面は堅調に推移しそうである。
減産延長への期待感から、原油は反発
原油は反発。30日のOPEC(石油輸出国機構)総会で、OPECと非加盟産油国の減産合意期限が延長されるとの期待が支援材料となっている。
中東の地政学リスクやベネズエラのマクロ経済状況の悪化も背景にあるのだろうが、これらは最終的には根本的な材料にはなりづらい。一方で、高水準が続いている米国内の産油量の動向は上値を押さえる要因になりやすい。さらに、23日の米感謝祭に伴い、連休を取る市場参加者も多いもようで、薄商いになりやすい。そのため、短期的な材料で大きく変動する可能性もある。また、米国株がこの時期に上げやすい傾向があるため、これにつれて上昇する可能性もあるだろう。
一方、ロシアのノバク・エネルギー相は前週に国内の原油会社との会合を開き、来年3月末に期限が切れる現在の世界的な減産合意を6カ月延長する案について討議。ロシアのプーチン大統領は9カ月延長する案をこれまでに示しているが、2018年に新規プロジェクトの開始を予定しているガスプロム・ネフチだけがこの案に反対したとされている。しかし、ガスプロム・ネフチはこの報道を否定しているという。OPEC加盟国と非加盟国との合意に関しては、同国のエネルギー省、およびガスプロム・ネフチを含む石油企業関係各社は討議を継続するとの立場を表明している。
(江守 哲)
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