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REITとは?投資効果をわかりやすく解説

トウシル / 2017年11月29日 7時50分

REITとは?投資効果をわかりやすく解説

REITとは?投資効果をわかりやすく解説

日経平均は長期的に魅力的な投資対象と考えるが、値動きが荒いことが難点

 日経平均は、PERや配当利回りなどの指標で見て割安で、日経平均インデックスファンドへの投資は、長期的に資産形成に貢献すると考えています。ただし、これまでの上昇ピッチが速かったので、しばらく2万2,000~2万3,000円のレンジでスピード調整と予想しています。

 日経平均は長期投資対象として魅力的と考えていますが、値動きが非常に荒いことが難点です。これからも急騰急落を繰り返すと考えられます。

 

近年、日経平均と逆の動きをすることが多くなったREIT

 今日は、分配金利回りが平均4.1%と魅力的で、東京証券取引所に上場しているREIT(不動産投資信託「リート」)について、考えていることを書きます。REITも、財務内容・収益力、利回りから見て、長期的な投資価値は高いと考えています。

 ただし、REITの分配金利回りは確定利回りではありません。日経平均ほど値動きが荒いわけではありませんが、株と同じで価格が上昇したり下落したりするので、適切なリスク管理が必要です。

 今日、お伝えしたいメッセージは、以下の3点です。

◆昔、REITは、日経平均と同じ動きをすることが多かった。日経平均とREITに分散投資しても、分散効果はあまり得られなかった。

◆近年、REITは、日経平均と逆の動きをすることが増えてきた。日経平均とREITに分散投資することで、分散投資によるリスク低減が期待できるようになってきた。

◆日経平均もREITも、PERや利回りなどの指標で見て割安と判断しており、長期投資で資産形成に貢献すると予想している。日経平均インデックスファンドとREITに合わせて投資することで、リスクをある程度おさえつつ、長期的な資産形成をはかっていくことができると考えている。

 それでは、東証REIT指数と日経平均の過去4年の値動きを比較した、以下のグラフをご覧ください。

東証REIT指数と日経平均の動き比較:2014年1月~2017年11月(28日まで)

出所:2014年1月末を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成

 2014年は完全に連動していますが、2015年から逆の動きをすることが多くなりました。今後、逆の動きをすることが多くなると予想しています。日経平均とREITにあわせて投資することで、分散投資効果が出るようになると考えています。

 

不動産への小口投資を可能にしたREIT

 REITの仕組みをご存知ない方もいらっしゃると思いますので、基礎的なことを説明します。REITは、不動産への小口投資を可能にした投資商品です。

 個人投資家が不動産に投資する場合、ワンルームマンションからアパート1棟までさまざまな投資対象がありますが、資金規模からおのずと直接投資できる対象は限られます。

 REITを通じて投資すれば、都心一等地の大型ビルに投資することもできます(図A)。

(図A)REITを通じて大型物件に投資

出所:筆者作成

 一等地の大型ビルにテナントが集中し、競争力のないビルからテナントが流出する「不動産の二極化」が顕著にみられる時代になりました。投資するならば、一等地の大型ビルに投資したいと考えます。

 ところが、REITが普及するまでは、一等地の大型ビルに投資するには何百億円という規模の資金が必要でした。個人投資家の不動産投資では、小口で投資できるマンションなどが中心になり、大型ビルへの投資は困難でした。

 REITの普及によって、状況が変わりました。今では、小口資金でも、REITを通じて、大型ビルに投資することもできるようになりました。REITは、証券取引所に上場されていて、一般の株式と同じように売り買いすることができます。最低売買単位での投資額は、10万円以下から100万円超までいろいろあります。

 

REITには、さまざまな種類がある

 REITには、さまざまな種類があります。もともとは、不動産に投資するファンドだったのですが、近年は、利回りが稼げるさまざまなものに投資されています。純粋な不動産投資と言えないものも増えています。代表的な種類とファンドは、以下の通りです。

REIT種別と代表的ファンド、分配金利回り:2017年11月28日時点

出所:楽天証券経済研究所が作成。分配金利回りは11月28日時点、今後、変更になることもある

 

分配金利回りが高いものほど有望というわけではない

 上の代表銘柄は、分配金利回りの低いものから順に並べています。このような表を見ると、利回りの高いものほど有望で、利回りが相対的に低いものが魅力ないと考える方もいますが、必ずしもそうではないことを強調しておきたいと思います。

 一般的に、利回りが高いファンドほど、将来、分配金が引き下げられるリスクが高く、利回りが低いファンドほど、分配金が引き下げられるリスクが低いといえます。十分な投資資金があるならば、利回りが高いファンドと低いファンドに、分散投資することが望ましいと思います。

 オフィスREITでは、主に都心の一等地のオフィスビルに投資するファンドをご紹介しました。日本ビルファンドは、三井不動産が運営する看板ファンドで、ジャパンリアルエステイトは、三菱地所が運営する看板ファンドです。分配金利回りは3.2%と、東証REITの平均分配金利回り4.1%よりも低くなっていますが、長期投資のコアとして投資するには適格と判断しています。

 不動産の利回りは、都心一等地が低く、地方にいくほど高くなります。都心のビルは、テナントが退出しても、立地が良く競争力があるので、すぐに代わりのテナントが入ります。ところが、地方都市のビルは、テナントが退出すると簡単には代わりのテナントが見つかりません。賃貸料の引き下げ圧力が働き易くなります。そうしたリスクを織り込んで価格がつくため、地方の不動産は相対的に利回りが高くなります。利回りが高いほど魅力的とはいえません。

 ヘルスケアREITは分配金利回りが高く魅力的に見えます。ただし、規制の変化や、人手不足によって、今後のビジネス環境が悪化するリスクもあります。そのようなリスクを織り込んで利回りが高くなっていると言えます。ヘルスケアREITは、分散投資の1つとしては魅力的ですが、あまり集中投資すべきではないと思います。

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(窪田 真之)

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