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円高の予兆だったのか? 1割減っていた円ショート。最新IMMレポート分析

トウシル / 2017年11月29日 14時40分

円高の予兆だったのか? 1割減っていた円ショート。最新IMMレポート分析

円高の予兆だったのか? 1割減っていた円ショート。最新IMMレポート分析

IMMポジション推移(10/31 ~ 11/21)

 

円:円のネットショート、前週比で約1割減

 CFTC(全米先物取引委員会、Commodity Futures Trading Commission)発表による11月21日現在の建玉報告によると、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物市場において、投機筋の円のネット枚数(円の買い建玉と売り建玉の差)は12万2,602枚のショートで、円の売り持ちが多い状況です。ドル換算にすると、約137億ドル相当のドルの買い持ち(円売り持ち)になります。円のネットショート枚数は、前週比で9.9%(約9億ドル)減りました。

売買別では、買い建玉(円ロング)が前週比約10.1%減少。一方売り建玉(円ショート)も前週比約9.9%減少。ネットで円ショートが縮小したのは、円買い建玉が増えたのではなく、円売り建玉が大きく減ったことが理由でした。この週のドル円は、112円台中心のレンジ取引。114円台の上抜けに失敗して、買い疲れが見え始めたころでした。


IMM円  2015.11 ~ 2017.11

 

ユーロ:ユーロのネットロングは、増加

  • ユーロのネット枚数(ユーロの買い建玉と売り建玉の差)は9万5,437枚のロングで、ユーロの買い持ちが多い状況が続いています。
  • ユーロ換算にすると、約119億ユーロの買い持ち(=約141億米ドルの売り持ち)。
  • ネットロング枚数は、前週比12.8%増加。
  • 売買別では、買い建玉が前週比2.1%減り、売り建玉も13.0%減りました。
  • 買い枚数も減りましたが、それ以上に売り枚数が減り、ネットではロング枚数が増えることになりました。
  • この週のユーロは、ECB(欧州中央銀行)後からの下落に歯止めがかかり、1.16ドル台から1.18ドル台へ跳ね上がりました。

IMMユーロ  2015.11 ~ 2017.11

 

豪ドル:豪ドルのネットロングは8週連続で縮小。新規売り増える

  • 豪ドルのネット枚数(豪ドルの買い建玉と売り建玉の差)は3万9,817枚のロングで、豪ドルの買い持ちが多い状況が続いています。
  • 豪ドル換算にすると、約39億豪ドルの買い持ち(=約30億米ドルの売り持ち)。
  • ネットロング枚数は、前週比9.6%減。
  • ロング枚数の取り崩しは8週連続。
  • 売買別では、買い建玉が前週比6.8%増える一方、売り建玉は前週比31.6%増えました。

IMM豪ドル  2015.11 ~ 2017.11

 

ポンド:ポジションはゼロに

  • ポンドのネット枚数(買い建玉と売り建玉の差)は、300枚のショート。ポンドの売り持ちが多い状態ですが、枚数はほとんどなく、フラットな状態です。
  • ポンド換算にすると、約0.1億ポンドの売り持ち(=約0.2億米ドルの売り持ち)
  • ポンドのネットショート枚数は、前週比93.4%減。
  • 売買別では、買い建玉が前週比9.8%増えたのに対して、売り建玉は前週比1.7%増えました。
  • ブレグジット交渉は相変わらず難航していますが、EUが英国の支払う「手切れ金」の額を承諾すれば、一気に次の展望が開けてくる希望もあります。マーケットも先の動きが読めず、ポジションはゼロまで減ってしまいました。

IMMポンド  2015.11 ~ 2017.11

(荒地 潤)

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