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米国市場をみながら、2万2,400~2万3,000円の中で方向感のない展開か

トウシル / 2017年12月5日 17時0分

米国市場をみながら、2万2,400~2万3,000円の中で方向感のない展開か

米国市場をみながら、2万2,400~2万3,000円の中で方向感のない展開か

米国株式の上昇止まらず、日経平均も一時2万2,994円をつける

先週の予測

 海外の材料が強弱入り交じっており、2万2,200~2万2,700円の中のもみ合いが基本だが、三角保ち合いが煮詰まってきているとしました。

結果

 北朝鮮のミサイル発射もあったものの、ほとんど影響はなし。米国の年末商戦期待や税制改革法案の上院での可決期待が高まり、株式3指標が連日の最高値更新。週後半の日経平均は三角保ち合いを上放れし、一時2万3,000円に接近する動きとなりました。
週始めの27日(月)は、前週末の米国株高を受け、円高一服もあって+106円の2万2,657円で寄り付きました。買い一巡後は利益確定売りや上海株式の大幅下落を嫌気し、一時▲127円の2万2,423円まで下げ、終値は▲54円の2万2,495円でした。
 28日(火)は、北朝鮮のミサイル発射の徴候が伝えられ、110円台の円高も重なって一時▲132円の2万2,363円まで売られました。売り一巡後はプラスに転換し、前日の終値近辺でもみ合って▲9円の2万2,486円で引けました。
 29日(水)は、前日の米国市場で前日に続き3指標がそろって最高値更新。日経平均も3日ぶりに反発し、+110円の2万2,597円となりました。
 30日(木)は、前日の米国市場でナスダックは大幅下落となったものの、NYダウは7-9月期のGDPの予想を上回る結果を受け+103ドルの2万3,940ドルと最高値更新が続きました。これにより、前場は▲21円の2万2,575円だったものの、後場になると先物主導で切り返し+127円の2万2,724円と三角保ち合いを上放れした形となりました。 
 週末の12月1日(金)は、前日の米国市場で税制改革法案の可決の可能性が高まったことで、NYダウが+331ドルの2万4,272ドルと大幅上昇。日経平均は+191円の2万2,916円で寄り付き、一時+269円の2万2,994円と2万3,000円に接近しました。しかし、買い一巡後は税制改革法案の採決延期報道をきっかけに大幅反落。しかし後場は、押し目買いが入って+94円の2万2,819円まで戻して引けました。
 12月1日(金)の米国市場は、フリン前大統領補佐官がロシアゲート疑惑はトランプ大統領の指示によるものだと証言したことで、NYダウは一時▲350ドルの2万3,921ドルまで下落しました。しかし、その後は税制改革法案可決への期待から下げ幅を縮小し、▲40ドルの2万4,231ドルと反落で引けました。シカゴの日経先物▲125円の2万2,655円でした。

今週は、メジャーSQを控えており、2万2,400~2万3,000円の中でのもみあいへ

 今週も米国の税制改革法案の行方に左右される相場展開になりそうです。さらに、1日(金)にフリン前大統領補佐官が偽証を認めたことでロシアゲート問題での訴追が発表され、トランプ政権への不透明感が高まっています。株式市場にとってはマイナス要因です。税制改革法案の成立が年内確実であるとの見方が高まれば、株価は上昇することになりますが、ロシアゲート問題が広がりをみせれば、上値は抑えられることになります。
 日本株式は米国市場次第というところがあるものの、先週三角保ち合いの煮詰まりを上放れしたところなので、基本的には、まず2万3,000円台の回復を目指す。ただ、メジャーSQを8日(金)に控えており、2万2,400~2万3,000円の中での方向感のない展開の可能性があります。米国市場が堅調であれば先物主導でSQ値で2万3,000円台乗せも考えられます。
また、メジャーSQ後は海外投資家はクリスマス休暇に入ってくるので、これまでに一相場つくろうとする心理が働くかもしれません。


(指標)日経平均

先週の予測

米国株式と為替の影響を受けた動きになるとし、米国株高が続けば日本株式もサポートされる展開を予想しました。水準としては。2万2,200~2万2,700円でのもみあいを基本に、三角保ち合いが煮詰まっており上放れる可能性もあるとしました。

結果

週前半は11月27日(月)~29日(水)までは、2万2,300~2万2,700円のもみあいとなりました。しかし、米国株式の3指標そろっての最高値更新が続き、日経平均も為替が円高水準のままでしたが、11月30日(木)は上放れとなって+127円の2万2,724円に。週末は2万2,994円と2万3,000円に接近したものの、+94円の2万2,819円で引けました。柴田罫線では2万2,957円以上で引けると、さらに上昇を示唆する「ろく買」が出る形となります。

今週の予測

米国株式や為替の影響を受けることになります。米国株式が最高値を更新する動きとなると、まず、2万3,000円台乗せから11月9日の2万3,382円を試す動きが想定されます。一方で米国の税制改革法案の成立がもたつき、再燃しているロシアゲート問題が高まれば、株売り・ドル売りとなる可能性も。先週は三角保ち合いを上放れしたところですので、基本的には上を目指しますが、米国の状況次第では2万2,400~2万3,000円でのもみあいも考えられます。


(指標)NYダウ

先週の予測

前週の感謝祭の各社の売上げが好調であれば、株価の上昇要因となる一方でOPEC(石油輸出国機構)総会で原油の減産延長がもたつく場合はマイナス要因になるとし高値圏でのもみあいを想定しました。

結果

週前半は、税制改革法案の可決の見通しが強まり、年末商戦への期待を背景に2日連続の3指標そろって最高値更新。11月29日(水)は7-9月期GDP(国内総生産)が予想を上回ったことでNYダウは上昇。しかし、テクノロジー株は下げてナスダックは大幅反落とマチマチでした。しかし、11月30日(木)は上院での税制改革法案の可決の可能性が高まり、原油高も加わってNYダウは+331ドルの2万4,272ドルと大幅高となりました。

今週の予測

税制改革法案を巡る議会動向とトランプ政権のロシアゲート疑惑問題が注目です。
上院の税制改革法案は、採択される見通しですが、可決されても下院と上院の法案一本化のすり合わせがあり、再び一本化された法案についての両院の採決が必要となります。もたつくようだと株式市場にとってはマイナスです。さらにフリン前大統領補佐官の証言でロシアゲート問題が再燃してきていますので、トランプ政権の運営への不透明感が増せば、マイナス要因となります。最高値圏でのもみあいとなりそうです。

 

(指標)ドル/円

先週の予測

インフレ率の低下を受けて金利の正常化(利上げ)が来年度に遅れるとの懸念からドル買いが後退しており、さらに税制改革法案が遅れてつまずくようだとドル売り方向となり、ドルの上値は重い展開となりそうだとしました。レンジを1ドル=110~113円としました。

結果

株価が最高値を更新していることでドルは週始めの110.84円を安値に、その後は111~112円で推移。その後、11月30日に上院で税制改革法案が可決される可能性が高まると112円台後半までドルが買われました。

今週の予測

基本的には、税制改革法案の実現期待や12月利上げの期待から、ややドルが強含む可能性があります。税制改革法案で上院と下院の一本化がズムーズにいけばドル買い要因となりますが、そうならなければ弱含むことになります。来週のFOMC(米連邦準備制度委員会)での12月利上げは確実視されており、日米金利差拡大期待からのドル買いが期待されます。一方でトランプ政権のロシアゲート問題が再燃してきているので、これが高まればドル売り要因となります。111~114円のレンジを想定。

 


 

(出島 昇)

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