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ロシアゲートと税制改革の綱引き ほか先週の振り返り

トウシル / 2017年12月5日 15時10分

ロシアゲートと税制改革の綱引き ほか先週の振り返り

ロシアゲートと税制改革の綱引き ほか先週の振り返り

ロシアゲートと税制改革の綱引き

2017年12月4日(月)掲載分より

 ゴールドは先週、再び1,300ドルをトライしましたが、1,299ドルで頭を打ち、やはり1,300ドルが堅いことを確認、先週は逆にレンジの下値トライとなりました。NY株価の上昇は止まらず、ほぼ毎日歴史的高値を更新、それによりゴールドは一転1,270ドルまで下落しました。

 しかし、金曜日には、フリン前大統領補佐官が大統領選挙運動中のロシア大使との接触を認め、それは政権移行チームの指示であったということを証言したというニュースが伝わり、ゴールドは1,270ドルから1,290ドルへ急騰。

 その後、1,280ドルまで下げて1週間が終わり、ちょうどレンジの真ん中でした。このトランプ政権のロシア疑惑はゴールドにとっては強材料ですが、週末には米議会が、トランプ政権の税制の改革法案を可決、これはトランプ大統領にとっては初めてと言ってもいい勝利であり、ゴールドにとっては弱材料。今週はこの2つの材料をマーケットがどう判断するかで方向が決まりそうです。

 ロシア疑惑は金曜日のニューヨークのマーケットで短期的には消化(1,270~1,290ドルへの瞬間的な上げ、ただまだまだこのロシアゲート問題はこれから)、週末の税制改革進展のニュースは今日のマーケットがその最初の反応ですが、とりあえずドル/円は50銭ほど円安でスタート(午前3時のオセアニア市場、現在は112.80近辺)。そして注目のゴールド、日本時間午前8時のGlobexのスタートで、金曜日の終わり1,280ドルから1,272ドルまで下がって始まりました。円建てがあまり変わらないとすると、ドル/円から計算したドル建てゴールドとほぼ同じレベルで始まりました。この2つの点がどう発展していくかが今週の注目点でしょう。

CFTC Commitment of Traders Report as of  28 Nov 2017
2017年12月4日(月)掲載分より

出所:池水氏のレポートより抜粋
右軸:投資家ポジション(トン)
左軸:ドル建てゴールド価格

 投資家ロングポジションは713トンから800トンへ大きく増加。

 

株価大きく上昇ゴールド今度はレンジの下へ

2017年12月1日(金)掲載分より

 このところレンジの上値トライしていたゴールドですが1,300ドルは堅く、跳ね返され続けたことから、今度は下に向くことになりました。2017年11月29日の1,294ドルから1,285ドルへの大きな売り(4万ロット以上の売りがCME<シカゴ・マーカンタイル取引所>で出ました)からゴールドは回復することなく、昨日は1,280ドル台前半での小動きからニューヨークで株価が大きく上昇(NYダウは331ドル上昇)したことにより、ゴールドは1,270ドルまで下げる場面がありました。

 また米国債も大きく売られて、10年ものの金利は2日間で10bpほど上昇しています。これもゴールドに取っては売り材料。シルバーはそのゴールドよりも弱く、金銀比価は77.5対1までシルバーが相対的に安くなっています。なぜシルバーがこれほど先行して売られるのか少々疑問ですが、PGM(プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム)は堅調。

 

やはりレンジは破れず

2017年11月30日(木)掲載分より

 やはりまだ1,300ドルは堅いようです。ゴールドはアジアでは1,295ドルを超えたレベルでの静かな動きでしたが、ニューヨークに入り、ゴールドがこれ以上上昇しないこと、株価がやはりまた史上最高値を更新したことも手伝い、1,294ドルを切ったところで、「stop loss」とも見れるまとまった売りが出たようです。1,282ドルと短時間で12ドル下げました。やはり相変わらずのレンジ取引。

 パラジウムは昨日の急騰の修正で反落。しかしここからまた1,000ドルを割り込むようなことはないのではと思います。

 ビットコインは昨日とうとう1万ドルを超えましたが、その後9,009ドルまで下がって9,900ドルまで戻すという本当に恐ろしいとしか言えないような動きをしています。ほんの数カ月前は2,000ドル超えて、こりゃすごいと言ってたことがもはや、はるか過去の歴史のようです。あのとき、もう上がりすぎて怖くて手が出せないと思いましたが、まさかここまで来るとは。ここまで価値が変動してしまうと、ビットコインを使って買い物代金や食事代金といったものの決済なんてできませんよね。

 

パラジウム急騰

2017年11月29日(水)掲載分より

 ゴールドは1,290ドル台での動きでした。NYダウが260ドル近くも上昇し、また史上最高値を更新、その状況下で1,290ドル台を保持したゴールドはとても堅調なイメージです。この株高ドル高がなければおそらく1,300ドルを超えていたのではと思います。この株高の影響をもっとも受けたのはシルバーのようです。17ドルを割りこんだことで、ストップの売りもあったようですが、その結果金銀比価は76.7対1とシルバーのゴールドに対する割安度が高まっています。

 昨日パラジウムの1,000ドルが抵抗線から支持線に変わるのではと書きましたが、どうやらそういう動きになったようです。1,000ドル超えで売りたい人の売りはほぼ消化され、おそらくこれでまた一段取引レンジが上がることになるだろうと思います。やはり根底のファンダメンタルズは強い。積み上がった投資家のポジション整理による下げはあっても一時的ですね。供給不足という状態が、なんらかの形で供給が増えるか需要が減るかしないと、やっぱりパラジウムは下がらないと考えています。

 そして、その状況が変わる見込みは少なくとも、あと数年はないのではないでしょうか。2021年あたりに自動車会社が触媒メーカーに、次の触媒は割安なプラチナで、ということにならない限りは。

 

ゴールド1300トライも超えられず

2017年11月28日(火)掲載分より

 ドル下落のためゴールドは上昇、ニューヨーク午前中には1,299.30ドルの高値をつけましたが、またしても1,300ドル超えはならず。まだまだ同じレンジの動きは変わらず。円高のため円建てゴールドは昨日とほぼ変わらず。PGMはしっかり。パラジウムは1,000ドル割れを買われて、1,000ドル超えとなりました。1,000ドルがサポートになりそうな雰囲気です。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)待ちは変わらず。

CFTC Commitments of Traders Report as of Nov 21
2017年11月28日(火)掲載分より

出所:池水氏のレポートより抜粋
右軸:投資家ポジション(トン)
左軸:ドル建てゴールド価格

 Thanksgiving (感謝祭)のために今朝発表されました。前週に続き投資家ロングポジションは若干の増加。695トンから713トンへ。

(池水 雄一)

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