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週末の大納会を控え、2万3,000円を前にもみあいか、それとも突破か

トウシル / 2017年12月26日 16時35分

週末の大納会を控え、2万3,000円を前にもみあいか、それとも突破か

週末の大納会を控え、2万3,000円を前にもみあいか、それとも突破か

先週は、米の税制改革法案成立を受け、一時2万2,990円まで上昇

先週の予測

 米国の税制改革法案成立に注目とし、法案成立の確実視を受け2万3,000円を試す動きになるとしました。ただし、法案の経済効果はかなりの部分が織り込まれている可能性が高く、法案成立で目先材料出尽くしになると考えられるとお話しました。また、日本市場はクリスマス休暇を前に外国人投資家の資金流入が減少してきているため、指数の上昇というより好業績の個別銘柄の物色になっていくとしました。

結果

 18日(月)は、前週末の米国株式の3指標そろっての最高値更新を受け、+217円の2万2,770円で寄り付き、その後は先物の買いを支えに上げ幅を拡大し、一時+374円の2万2,927円まで上昇して終値は2万2,901円となりました。

 19日(火)は、前日の米国市場で税制改革法案が成立する見通しとなったことで2日連続の3指標そろって最高値更新。これを受けて日経平均は一時+88円の2万2,990円と2万3,000円に接近しました。しかし、前日の大幅上昇で法案成立もある程度織り込んでおり、後場になると利益確定売り優勢となって▲33円の2万2,868円で引けました。

 20日(水)は、税制法案は織り込み済みとなって、もみあいのあと小反発の+23円の2万2,891円でした。

 21日(木)は、米国市場は利益確定売り優勢の中、日経平均も一時▲163円の2万2,728円まで下落しましたが、押し目買いで下げ幅を縮小し、▲25円の2万2,866円と小反落しました。

 週末の22日(金)は、材料難で方向性が乏しい中、週末要因に加え海外投資家がクリスマス休暇入りとなっており、前日の終値をはさんでもみあい+36円の2万2,902円で引けました。

 日経平均に比べてTOPIXはしっかりしており、1991年11月13日以来の3日連続の年初来高値更新となりました。

 22日(金)の米国市場は、クリスマスを控え市場参加者が少ない中、経済指標はマチマチの動きでNYダウは▲28ドルの24754ドルで引けました。シカゴの日経先物は▲20円の2万2,830円でした。

 

今週は、2万3,000円を目前にもみあいのあと、抜けられるかどうかに注目

 今週も2万2,500~2万3,000円の中で高値警戒の売りと法案の経済効果に期待する買いでもみあう可能性があります。ただし、法案の経済効果もこれを期待してかなり上昇してきており、これまでのような上昇が再び続くことになるとは考えにくいところです。

 法人税率が35%から21%への引き下げの効果は大きいと思われますが、今年の相場をけん引した大型ハイテク株は、海外売上比率が高いことや、特許やソフトウェアーのライセンス料など海外無形資産の利益に対して課税制度が導入されており、直接の減税効果は限られています。

 恩恵を受けるのは、国内の売上比率の高い中小企業やエネルギー、金融セクターとなります。そのため来年度は個別物色の側面が出てくることになります。

 また、今週もクリスマス休暇で外国人投資家は少なく、持ち高をかたむけにくいためポジション調整の展開が想定されます。その中で、日経平均の焦点となる株価が2万2,983円です。これは1991年の大納会での終値の株価です。これを29日に年末高値更新できれば、26年ぶりとなりますので何かの動きが期待できるところです。

 減税期待の効果は根強いもののマイナス要因としては22日に北朝鮮の11月の新型大陸間弾道ミサイル発射を非難した新たな制裁を盛り込んだ米国作成の決議案を国連安全保障理事会で全会一致で採決したこと。北朝鮮の動きが注目されます。また、スペイン北東部カタルーニャ自治州の独立問題も気になるところです。

 

(指標)日経平均

先週の予測

 2万2,500~2万3,000円のボックスの上限を目指す動きが想定されるとしました。米国の税制改革法案が成立する可能性が高く、株高が期待できるものの法案成立で材料出尽くしとなる可能性も高いとしました。

結果

 週始めの12月18日(月)に税制改革法案の成立を見越して米国株式が上昇したのを受け、+348円の2万2,901円と大幅反発。翌日2万2,990円まで上昇しましたが、法案成立による材料出尽くしの見方から目先のピークとなって、その後は利益確定売り優勢となりました。高値圏でのもみあいとなり週末の12月22日(金)は+36円の2万2,902円で引けました。

今週の予測

 基本的には、先高感が強いため先週と同じように2万3,000円を試す動きが続くことになりそうです。心理的なフシ目の2万3,000円を前に利益確定売りは根強いものの29日の大納会で終値で2万2,983円を上回ると1991年以来26年ぶりの年末高値更新となるため焦点になりそうです。もし2万3,000円を突破すれば23200円水準が期待されます。

 

(指標)NYダウ

先週の予測

 税制改革法案が上下院で採決されて成立する可能性が高く、そうなるとこれまでかなり織り込んで上昇していただけに材料出尽くしになりそうだとしました。また、クリスマス休暇に入る関係者も多く、閑散取引となることも想定されるとしました。 

結果

 週始めの12月18日(月)は、税制法案実現期待で3指標そろって最高値更新しました。その後は上院と下院で法案が可決されたことで利益確定売りに押される形となり、高値圏でのもみあいとなって週末は▲28ドルの2万4,754ドルで引けました。

今週の予測

 閑散取引の中で方向感のない展開が想定されます。税制改革法案の成立により、株式相場は経済効果をある程度織り込んだ上昇となっており、今後は個別に恩恵が大きい企業が物色されることになります。また年内の節税目的の売買が上値を抑える可能性があります。

 

(指標)ドル/円

先週の予測

 税制法案が成立する可能性があり、これはドル買い材料になりますが、一方で2018年の利上げの継続については懐疑的な見方もあります。利上げペースが鈍化するとの思惑はドル売り材料となるため。強弱の材料が交じりあい、もみあいとなりそうだとしました。1ドル=111.4~114円の間のもみ合いを想定。 

結果

 112.3~113.6円の間のもみあいとなるものの、ドルの強含みで引けました。税制改革法案が成立したことのほか、経済指標を好感し10年債利回りが上昇して日米金利差拡大の期待がふくらんだことからドルが買われて一時113.64円まで上昇。週末は113.26円で引けました。

今週の予測

 年末年始の休暇をはさんでおり、短期的なポジション調整主体の取引となりそうですが、先週の税制改革法案の成立を受けてドルの強含みが続きそうです。年明け以降も政策運営の進展に対する市場の期待が継続すれば、ドルの強含みはそのまま継続しそうです。

 

 

 

(出島 昇)

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