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中国銀行セクター

トウシル / 2017年12月27日 12時0分

中国銀行セクター

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12月21日:銀行資産管理業務の規制強化、草案段階からの一部緩和を予想

 中国では金融機関の自己資本規定や「剛性兌付」(資産運用会社が絶対的に元利を保証する方式)の廃止といった規制強化策が焦点となっているが、中国人民銀行が11月に発表した「金融機関の資産管理業務の規範化に向けた指導意見(草案)」について、BOCIは一部項目の緩和が必要になるとみている。◇“非標準型”の認定基準や投資上限、◇評価方法、◇新規定導入の移行期間と残存資産の流動性の継続、◇管理手数料の徴収方法――などがそれに当たるという。

 世界の金融当局は2008年の金融危機の再来を回避するため、これまで負債比率や流動性、シャドーバンキング関連の規定強化に目を向けてきたが、国際的に金融監督などの役割を担う金融安定理事会(FSB)は「資産運用部門が現行規定のウィークポイントに当たる」との認識。最近では数ある構造的な弱点の中でも特に、満期ミスマッチによるリスクやレバレッジリスクが欠点であると指摘している。BOCIによれば、中国の資産管理規定は欧米に比べて明らかに緩く、今後は国際スタンダードに近づく方向で、規制強化が進む見通しという。

 BOCIの推計では、中国における資産管理残高は60兆-70兆元規模で(多層階あるいは入れ子状の投資構造の重複部分を除外)、うち銀行の割合が40%。うち銀行のオフバランスシートの非標準型資産運用商品は5兆元規模で、BOCIはこの約半数の満期が17年6月末以降とし、新規定の適用が流動性ギャップを生む可能性を指摘している。また、新規定の施行で資産管理商品の販売が減速し、同商品を通じた銀行の債券投資の萎縮を招くとの見方。この点から、「指導意見(草案)」の一部緩和が必要になるとみている。

 具体的に、緩和が必要とされる項目としては“非標準型”商品と認定するための基準や評価方法などを挙げたが、資金プールの規範化に関する項目については緩和の余地はないとし、国際的にこの領域に関して規制強化が進んでいる現状を指摘した。これにより、短期的には資産管理商品の魅力が後退する可能性が高いという。

 BOCIは同規制の施行を受け、短期的に資産管理市場における大手行のシェアが拡大するとみている。規制強化に対して抵抗力が強いのも国有大手。運用資産残高が10%変動するごとに、株式制商業銀行の純利益は1.3-1.9%変動するが、国有大手では0.5%以下にとどまるとの分析結果を示した。また、流動性ギャップによる銀行や借り手への間接的なマイナス影響に言及しながらも、あくまで慎重に、移行期間を設ける形で規制強化を進める政府当局の姿勢を指摘し、流動性への大きな影響は回避できるとした。さらに、今後は“標準型”資産管理市場の発展が加速し、中長期的には銀行ごとの差別化も進むと予想。米国の過去の経験を考慮すれば、中国銀行業界の資産管理ビジネスの発展余地は依然大きいとしている。

(Bank of China int.)

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