割安?バブル?仮想通貨と株式投資
トウシル / 2018年2月15日 16時0分
![割安?バブル?仮想通貨と株式投資](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_12132_0-small.jpg)
割安?バブル?仮想通貨と株式投資
「コインチェック」の仮想通貨流出問題は個人投資家に衝撃を与えました。仮想通貨に投資して大丈夫?と思った方も多いのではないでしょうか。仮想通貨と株式投資、どちらにしようか迷っている方へ、筆者なりのアドバイスをお送りします。
仮想通貨にあって株式投資にはないリスクとは
最近個人投資家の方とお話ししていて感じるのが、仮想通貨に対する関心の高まりです。中には仮想通貨と株式投資のどちらがよいのか迷っている方も多いようです。そこで今回は仮想通貨と株式投資について筆者として考え方をお伝えし、判断の参考にしていただこうと思っております。
仮想通貨も株式投資も、「投資」(もしくは「投機」)であることは同じです。大きく利益を得ることも可能な半面、やり方を間違えれば投資元本を割り込んだり、大きな損失を被ってしまうリスクもあります。
でも、今回のコインチェックの仮想通貨流出により改めて感じた、仮想通貨特有のリスク、それは「盗まれてしまう」というものです。
昨年の急騰で、仮想通貨への投資により「億り人」になった方も多いと聞きます。
※億り人(おくりびと)・・・・・・投資によって1億円もの利益を得た方
でも、いくら仮想通貨の価値が何倍、何十倍に増えたとしても、それが盗まれてなくなってしまったら、元も子もありません。
株式の場合は分別管理が徹底していますから盗まれてしまうリスクは心配ありません。もちろん今後仮想通貨も盗まれることのないようセキュリティを強化していくものと思いますが、少なくとも現時点では仮想通貨特有のリスクが存在している点は押さえておくべきです。
なぜ株式投資の上級者が仮想通貨に積極的ではないのか
多少の偏見も入っているかもしれませんが、筆者の周りの個人投資家のうち、レベルの高い投資家ほど、仮想通貨への取引に対し消極的です。
逆に、仮想通貨に入れ込んでいる投資家の中には、株式投資をはじめとした投資の経験が少ない、もしくは経験がない方が数多くいるようです。なぜ株式投資の上級者ほど仮想通貨に消極的なのか、それは仮想通貨の「適正価値」を誰も測定することができないからだと筆者は思っています。
逆に投資の初心者は、仮想通貨の適正価値などは気にせず、単に「儲かりそうだから」「もっと上がりそうだから」という理由から、仮想通貨の投資をしているように感じます。
仮想通貨の適正価値がわからないということは、仮想通貨の価格が果たして適正なのか、安すぎるのか、それともバブルなのか、判断することができないということです。
適正価値がわからないものには投資しないのが上級者
投資の上級者は、「大きな損失を避ける」ことを第一に考えます。大きな損失をする原因は、バブルや割高なものに投資してしまうことです。
仮想通貨は適正価値を求めることができません。つまり、仮想通貨は割安かもしれませんがバブルかもしれないのです。
ここで、「割安かもしれない」と楽観的に考えるのが投資初心者、「バブルかもしれない」と悲観的に考えるのが上級者です。確かに仮想通貨の価格は大きく上昇しました。リスクを顧みず果敢にチャレンジした投資家が、結果として大きな資産を短期間に築くことができました。
一方、投資上級者のほとんどは、仮想通貨の上昇に乗ることができていません。
でも、彼らは地団太踏んでくやしがっているかというと、まったくそんなことはありません。そもそも適正な価値が測定できないものへ投資するという選択肢自体がないので、それが急上昇しようが何とも思わないのです。
逆に、過去数々のバブルとその崩壊を目撃しているので、今回の仮想通貨も同じようになるのではないか、と思っています。
株式投資が利益を得やすい理由とは?
昨年は日経平均株価が1年で20%近くの上昇となり、個別銘柄も株価が何倍にも上昇するものが数多くありました。そのため、日本株もここ最近は好調で、利益を得やすい環境が続いています。
それでも、ビットコインのように1年で20倍になるか、と言われたら、それは無理な話です。
すると、個人投資家の中には、株式投資より短期間で大きく簡単に儲かりそうだ、と思って仮想通貨の方へ流れてしまう方も数多く現れています。
でも、株式投資というのは、他の投資よりも利益を得やすいものであるという点はぜひ知っておいていただきたいと思います。株価は、長期的には企業の有する価値に連動しています。毎年しっかりと利益を上げ続けている企業に投資すれば、企業価値も増加しますから株価も上昇して利益を上げることができます。
一方、仮想通貨は確かにここからさらに大きく価格が上昇するかもしれません。でも、果たしていくらが適正なのか、誰にもわからないのです。投資の上級者は、わからないものには投資しません。「よくわからないけど上がりそう」なものに手を出し続けていると、いつかは大やけどを負いますし、投資の知識・技術を身に付けることができません。
株式投資で、好業績をあげている銘柄を選んで投資すれば、もちろん仮想通貨のような短期間での一攫千金の可能性はありませんが、長い目で見て大きな資産を形成する可能性は高まっていくはずです。
お遊びの投資なら仮想通貨でもよいですが、できるだけ高い確率で、将来のために着実に資産を形成していきたいなら、株式投資が一番向いていると筆者は思っています。
(足立 武志)
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