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米金利上昇でドル/円は107円台を回復。しかし副作用も・・・

トウシル / 2018年2月21日 10時54分

米金利上昇でドル/円は107円台を回復。しかし副作用も・・・

米金利上昇でドル/円は107円台を回復。しかし副作用も・・・

前日(02月20日)の市場概況

ドル/円:107円台に戻す

 昨日のレポートのタイトルにも書きましたが、今週のテーマは「ドルはどこまで戻るか」。この日もドル/円は堅調で、東京時間朝の106.55円から海外時間には107.37円まで上昇しました。米10年債利回りが2.90%台に強含んだことが理由。終値は107.315円(前日比+0.726円)。前日比の上げ幅としては2月2日以来。

 その一方で、米金利の上昇のせいで日本の銀行が損失を被っているとの報道も出ています。金融庁が地方銀行20行程度を対象に外債の運用状況を緊急調査したところ、急激な米長期金利の上昇を受け、調査対象の全行が含み損を抱えていることが判明。銀行が外債保有高を減らす方向へ動くことは、潜在的な円高要因となります。金利上昇は株価の圧迫材料でもあり、この日は日経平均株価、NY株価ともに下落しています。

 

 

ユーロ/ドル:3日続落。1.23ドル台前半

 ユーロ/ドルは勢いなく、1.2350ドルを下抜けて1.2319ドルまで下落。全般的なドル買戻しという理由のほかに、ドイツのメルケル首相の与党と最大野党SPD(社会民主党)との連立政権が、SPD党員の内部からの反対で、ここにきて破談になる可能性も出ていることがユーロの弱材料になっています。また、イタリア総選挙でアンチ・ユーロ政権が誕生する警戒感も高まっています。(チャート2)

 

 

豪ドル/ドル:じり安。0.78ドル台後半

 豪ドル/ドルは、先週からの支持ライン0.7890ドルをブレークして0.7873ドルまで下落。この日公表されたRBA(オーストラリア準備銀行)議事録には目新しい内容はありませんでした。「次に政策を変更する場合は、金利引き上げの可能性が高い」とRBA総裁が発言していたことで、RBAの政策方針がタカ派に向いたとの期待も一部にはありました。しかし、RBAの早期利上げに関する手がかりはなく、米金利が上昇するなか、豪ドル/ドルの魅力が相対的に薄れ売りが優勢になりました。(チャート3)

 

 

豪ドル/円:じり高。85円超えられるか

 豪ドル/円は85円手前が重く、この日の高値は84.80円まで。今週に入ってじりじりと上値を伸ばしていますが、ドル相場で動きは限定的でした。(チャート4)

 

 

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(荒地 潤)

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