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中国工業セクター

トウシル / 2018年2月21日 18時0分

中国工業セクター

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個別銘柄の17年決算に注目、引き締め政策で今後の需要減速を懸念

 2017年の決算発表シーズンを迎え、BOCIは好決算期待の個別銘柄に目を向けている。また、リサーチの結果、中国当局が引き締め姿勢に転じたと報告。一部銀行が不動産デベロッパー向け融資を暫定停止したほか、中国銀行業監督管理委員会(CBRC)が世帯レベルの債務管理強化に動いているとし、こうした政策スタンスが9-12カ月のタイムラグを経て、不動産・インフラ部門の投資減速につながる可能性を指摘した。年初に比べ、機械セクターに対する見方がより慎重に傾いたとしている。品目別では、掘削機と建設用大型トラックの堅調を見込みながらも、その他機械の需要減速を予想。個別では中国建築国際(03311)をトップピックに維持。ほかに株洲中車時代電気(03898)や津上精密機床中国(01651)、海天国際(01882)の技術レベルを高く評価している。

 BOCIによると、17年本決算の予想上振れが期待できるのは海天国際、津上精密機床中国、中国機械設備工程(01829)、中国能源建設(03996)で、中国中車(01766)も有望。うち海天国際は17年下期も2桁増益を維持した可能性が高い。ツガミの中国子会社、津上精密機床中国は18年3月期決算を6月に発表する予定だが、受注残高が記録的高水準にあることから、年度下期の利益見通しが明確。販売価格の上昇で粗利益率の向上が期待できる。また、中国機械設備工程は経常ベースで大幅増益となる見込み。中国能源建設は17年下期の業績急回復が通期の好決算に寄与する見通しという。

 一方、17年本決算が予想通りとなる可能性が高いのは中国鉄建(01186)と中国鉄路通信信号(03969)であり、両社ともに建設プロジェクトの好調を背景に好決算を達成する見込み。地方プロジェクトなどの停滞を受けた今後の新規受注の減速が懸念材料となるが、うち中国鉄路通信信号の受注は引き続き、同業銘柄を上回る可能性が高い。

 17年本決算の予想下振れが見込まれるのは、株洲中車時代電気および中国鉄建高新装備(01786)。前者はすでに10-12月期業績について慎重見通しを発表済み。後者は17年本決算で前年比85-91%の大幅減益となる見通しを発表しており、親会社による新たな機械事業の注入が待たれる状況となっている。

 BOCIは機械セクターの最大のリスク要因として、中国マクロ経済の軟化の可能性を指摘している。また、地方政府や世帯をターゲットとしたデレバレッジ(債務圧縮)規定も固定資産投資の減速要因になるとし、そのリスクを見極める必要があるとした。

 BOCIは中国当局の引き締め姿勢が機械需要にマイナス影響をもたらすとみて、セクター全体に対し慎重姿勢に転じた。17年10-12月期に一部小型機械の売れ行き悪化が見られたという。個別では、高利益成長や低バリュエーションを理由に、引き続き中国建築国際を選好。全体相場の調整を受けてさらにバリュエーションが低下すれば、株洲中車時代電気、海天国際、津上精密機床中国も優先的な投資選択肢になり得るとしている。

(Bank of China int.)

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