逆張りでねらう「好配当利回り株」
トウシル / 2018年3月1日 7時38分
逆張りでねらう「好配当利回り株」
日経平均株価は、戻り一服で、再び調整に入る可能性もあります。米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長の2月27日の議会証言が、ややタカ派的(利上げに積極的)と受け止められたことを受け、NYダウが反落してきているからです。株を持ちすぎている人は、少しポジションを減らすことを考えてもよいと思います。ただし、十分な余裕資金をお持ちの方は、割安株中心に、押し目買いを考えてもよいでしょう。
今日は、最近の株価パフォーマンスが不振な銘柄の中から、逆張りで私が買ってみたいと考える「好配当利回り株」をご紹介します。
逆張りと順張り、投資成果が良いのはどっち?
株価が上昇中の銘柄を買い、さらなる上昇をねらうことを、「順張り」投資といいます。一方、株価パフォーマンスが不振な銘柄を買い、先行き、株価回復をねらうことを、「逆張り」投資といいます。
読者の皆さまは、順張りと逆張り、どちらが好みですか? どちらが、相場に勝ちやすいか、一概には言えません。相場環境に応じて、順張りと逆張りをうまく使い分けられることが、運用で成功するために必要です。
短期投資を考えているならば、逆張りは禁物です。短期勝負では、順張りが鉄則です。ただし、長期投資は、順張りばかりではダメです。長期では、今、急騰している銘柄が急落することも、逆に今、急落している銘柄が急騰することもあるからです。
私は、過去25年間、日本株のファンドマネージャーをやってきました。20代で1,000億円以上、40代で2,000億円以上の日本株ファンドを運用し、東証株価指数を大きく上回るパフォーマンスを上げてきました。
私の銘柄選択は、8割以上が逆張りでした。人気がなく、株価不振の銘柄群から、「業績が好調で財務の良好な株」や「将来人気が出そうな成長テーマに乗りそうな株」を選んで投資してきました。年金や投信など長期投資を主体とするファンドを運用していたからできたことです。
ただ、二極化相場(上がる株は上がり続け、下がる株は下がり続ける相場)で、逆張りをやると、パフォーマンスがボロボロになります。二極化相場が長引きそうなとき(たとえば1999年のITバブル相場)では、順張り投資を増やすなど、柔軟性が必要です。
逆張りで買ってみたいと思う好配当利回り株、5銘柄
私がファンドマネージャーなら買ってみたいと思う5銘柄を、以下に挙げます。ファンドマネージャーをやっていたときは、常時150銘柄くらいに投資していました。その中に、含めてみたい銘柄です。ただ、当然ですが、私が想定していない事態が起こり、投資判断が予告なく「売り」に変わることはあります。
近年の株価パフォーマンスが不振の「好配当利回り株」
上記5銘柄について、以下にコメントします。
日本たばこ産業(2914)
煙の出ない次世代タバコで出遅れ、国内で米フィリップモリスに水をあけられ、負け組のイメージ。国内の喫煙者減少も不安材料。ただ、次世代タバコはこれから巻き返しを期待。従来のタバコ製品は値上げで収益維持。M&A(企業の合併や買収)巧者。海外M&Aで利益を成長させてきた実績は評価できる。今後とも、安定的に高収益を維持していくと予想。
スカパーJSATホールディングス(9412)
有料多チャンネル放送のスカパーと、アジア最大の宇宙・衛星事業を行うJSATの統合会社。スカパーは、オリンピック放送などイベントがあるときだけ契約してイベントが終わると解約する利用者が多い。そのため、ケーブルTVのように利用者が定着せず、経営が安定しない。このイメージで株価は低迷。ただ、JSATは安定高収益。これからもJSAT中心に安定収益を確保していけると予想。
ハードオフコーポレーション(2674)
中古品流通業の最大手。ハードオフ・オフハウスなどの有店舗販売が中心で、ネット販売は出遅れ。メルカリなどネット中古品流通業が成長する中、負け組みのイメージから株価は低迷。ただし、有店舗で高収益。ネット販売も、中古楽器などの高額品を中心に強化。海外展開が軌道に乗りつつあり、海外収益の拡大に期待。
KDDI(9433)
携帯電話事業の競争激化懸念で株価は上値が重くなっている。ただし、KDDIは、世界景気に影響されずに安定成長を続け、今期で16期連続の増配を予定している。ケータイ事業のほか、さまざまなITサービスも手がけ、これからも安定高収益を維持していくと予想。
パーク24(4666)
24時間無人貸し駐車場タイムズ運営。駐車場事業は安定高収益だが成長余地が低下。第2の成長の柱として始めたカーシェアに期待がかかるが、先行投資がかさみ収益伸び悩み。株価はそれを嫌気し低迷。今後、カーシェアの本格拡大期に入ると予想。
▼もっと読む!著者おすすめのバックナンバー
2018年2月22日:「株主優待」が魅力的な好配当利回り株
2018年2月15日:嫌われ者のJ-REIT(ジェイリート)、不人気の好配当利回り株を見直す
2017年10月26日:注目のシェアリングビジネス:今人気の「カーシェア」に期待!
▼他の新着オススメ連載
今日のマーケット・キーワード:2018年の『全人代』の注目点
(窪田 真之)
この記事に関連するニュース
-
高配当株ランキング~7-9月期の決算発表を受けて株価評価が高まった高配当利回り銘柄
トウシル / 2024年11月20日 16時0分
-
凄腕アナリスト ザ・覆面 「住友電工」は上昇ステージ第2幕、通期利益予想を上方修正 電線御三家で最割安、株価低位の魅力
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月20日 11時0分
-
NISA×高配当株投資:失敗しやすい人の三つの共通点
トウシル / 2024年11月18日 7時30分
-
すかいらーく、マクドナルドの飲食券、キリン自社飲料、ライオン日用品優待などが魅力的!株主優待人気ランキング2024年12月
トウシル / 2024年11月11日 7時30分
-
知る人ぞ知る「INPEX」株価は5年で2倍、今後どうなる? 2四半期連続「上方修正」の今期、増配&自社株買いも実施 業績とリスクに迫る
Finasee / 2024年10月28日 6時0分
ランキング
-
1サンリオ株、三菱UFJや三井住友銀などが売却 約1335億円
ロイター / 2024年11月26日 16時58分
-
2【新NISA】50~60代から投資を始めるのは遅い?…メガバンク出身YouTuberが月1,000円ずつ投資した3つの銘柄「たった2年」で驚きの結果
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月26日 9時15分
-
3「牛丼500円時代」の幕開け なぜ吉野家は減速し、すき家が独走したのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月26日 8時10分
-
4スーパー「オーケー」関西初出店 首都圏が地盤
共同通信 / 2024年11月26日 18時48分
-
5【解説】アマゾンに公正取引委員会が立ち入り検査 問題点は?
日テレNEWS NNN / 2024年11月26日 18時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください