トレンドがつかめる!短期売買モデルとは?
トウシル / 2018年3月1日 19時0分
トレンドがつかめる!短期売買モデルとは?
トレンドが一目瞭然!標準偏差ボラティリティトレードモデル
筆者は昨年からトレード戦略として<取引タイムフレームの短縮化>を強調しているが、短期トレードというのは本当に気楽だ。FXの取引でも4時間足以下のタイムフレームで取引することが多い。筆者が使っている標準偏差ボラティリティトレードモデルでは、短期のタイムフレームの売買が好調である。この傾向はもう2年以上続いている。
ドル/円(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
ドル/円(4時間足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
ドル/円(1時間足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
ユーロ/ドル(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
ユーロ/ドル(4時間足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
ユーロ/ドル(1時間足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
トレーディングや市場の環境が激変し、昔流行った売買手法のほとんどは、現在の市場では通用しない。しかし、筆者が使っている「標準偏差ボラティリティトレードモデル」だけは、長きにわたって効力を発揮している。
「標準偏差ボラティリティトレードモデル」では、相場に方向性が出てくると、標準偏差ボラティリティとADX(アベレージ・ディクショナル・インデックス)が上昇する。標準偏差ボラティリティとADXが低い位置から上昇する場合は、相場が保ち合いを離れ、強い方向性を持つシグナルとなる。
相場に大きなトレンドが発生する可能性のある局面は、標準偏差ボラティリティが上昇し、ボリンジャーバンドの±1シグマ(個別株および株式インデックスのみ0.6シグマを使用)をブレイクしたときである。相場がボリンジャーバンドの±1シグマ(株式インデックスの場合は0.6シグマ)の外側にあるうちはトレンド相場が継続しており、ポジションを持ち続けるという手法だ。
ワイルダーが考案したADXはDI(方向性指数)の平均(アベレージ)で、価格の変動幅を指数化してトレンドの強弱を指数化したものだ。一般的なADXと波形が違うという質問を山ほど受けてきたが、筆者はワイルダーのオリジナルADX、すなわち、ADXを電卓で計算する簡易法である<修正平均ADX>を使っている。標準偏差ボラティリティとADX(アベレージ・ディクショナル・インデックス)の2つの指標が低い位置から一緒に上昇しているときは、相場が保ちあいを離れ強いトレンドが発生したという判断になる。
よく誤解されるが、標準偏差ボラティリティとADXはトレンドの強弱を表す指標であり、相場が上昇しているのか、下落しているのかを示す指標ではない。
標準偏差ボラティリティは、ジリ高・ジリ安相場には弱いという弱点があるが、確率の勝負においては最もロジカルな指標であることは間違いないだろう。相場の逆張り・順張り・オプション取引など、何にでも使える便利な指標である。
2月2日に発せられたポール・チューダーの警鐘
2月2日から相場が大幅下落したのは偶然だろうか? ポール・チューダーは2月2日、「市場は危険な金融バブル」だと、チューダー・インベストメントの顧客に警告した。「We are replaying an age-old storyline of financial bubbles that has been played many times before," he concluded.」と述べ、これまでに行われてきた金融バブルの再現だという認識を示している。また、「I believe policymakers should have been much more aggressive in tightening policy and rejecting the fiscal impropriety associated with this most recent tax cut ... The die has been cast by the Fed and other central banks and future policy prescriptions are predictable.」と、トランプ減税などの腐敗した財政政策はやめるべきだと述べている。
最近調子のよくないチューダー・インベストメントだが、ポール・チューダーはエリオット波動を用いた逆張りの名手で、特に下げ相場には強い。筆者のところには、複数のファンドからNYダウの波動カウントが送られてきている。この波動カウントが正しいのか否かは「神のみぞ知る」であるが、チューダーが見ているのはおそらく以下の波動カウントだろう。
NYダウ(週足)と波動カウント
エリオット波動は統計的根拠がないのでチャートの<芸術>と言われるが、ラルフ・ネルソン・エリオットが相場のフラクタル構造を解明した壮大なテクニカルおよびサイクル理論である。上昇局面では5波動、下降局面では3波動で価格が推移する。
「BMOネスビット・バーンズのテクニカルアナリスト、ラス・ビシュ氏は26日のリポートで、S&P500種のリバウンドは今なお進行中のA-B-C修正局面の「B波」のようだと指摘。2月の安値をどの段階で再度試すかは明確ではないが、このモデルの「C波」は2600-2650水準を再び試す可能性があると分析した」(2月28日 ブルームバーグ「S&P500種の最悪期まだ終わっていない-2600を再度試すとBMO」)という。
S&P500CFD(日足)標準偏差ボラティリティトレードモデル
パウエルFRB議長の議会証言
2月2日からの米株価の急落で110億ドルのMBS買い入れをおこなったパウエル議長だが、FRB(米連邦準備制度理事会)は「株式市場が大きく下がればFRBはQE(量的緩和)を再開する予定がある」ということだ。
パウエルFRB議長は、2月27日の半期に一度の議会証言で、「FRB は段階的な利上げを実施する方針を堅持する」と述べた。パウエルは“ミスター普通”と呼ばれている一方で、非常に政治的な人物と言われている。市場はハト派的な発言を期待していたようだが、パウエルは現在の悪いインフレ懸念や金利の急上昇という暴走を抑えるため、粛々と利上げしていくというタカ派的な態度を示した。インフレ対応で後手に回ると、この先、景気後退に入っても利下げも追加緩和もできないからだ。
パウエルのタカ派的な態度を嫌気して、27日の米株式市場は下げた。「FRBは3年分の利上げの遅れをキャッチアップするために、利上げを急いでいる」と、市場参加者は判断したからだ。こうした利上げ観測によって、ゴルディロックス(適温)相場は揺らいできている。
S&P500CFD(30分足)標準偏差ボラティリティトレードモデル
筆者の周辺の運用者は今年の相場で2つのシナリオを想定している。
【シナリオA】トランプの追加経済対策やカネ余りによるバブルの延命(最長2年)である。
【シナリオB】インフレ(金利急騰+ドル安+財政赤字拡大)による金融市場のメルトダウンである。
シナリオBとなった場合は、利上げの後ずれや停止、FRBの資産売却の減少や停止が考えられるだろう。あるいはトランプが新たな財政出動をやるかもしれない。鍵を握るのはトランプとパウエルだが、両者ともインフレになれば何もできない。焦点はインフレである。
米国10年国債金利(日足) パウエルは長期金利の急騰を抑えて適温相場を延命させることができるか?
石原順の講演あり。「投資戦略フェア EXPO2018」開催
3月10日(土)に東京ドームシティ プリズムホールにて開催される「投資戦略フェア EXPO2018」の石原順の講演(楽天証券提供)に参加した方、および、楽天証券ブースにお越しいただきアンケートにご回答いただいた方全員に、石原順監修の「MT4オリジナルインディケーター 楽天証券試用版」をプレゼントいたします。
(石原 順)
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