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今週は週末にメジャーSQ、米雇用統計を控え注意

トウシル / 2018年3月6日 16時10分

今週は週末にメジャーSQ、米雇用統計を控え注意

今週は週末にメジャーSQ、米雇用統計を控え注意

日経平均、NYダウに追随。高めに始まるが1,400円幅の大幅下落

先週の予測

 パウエル議長の議会証言と、いくつかの経済指標の発表に注目としました。週始めは、先週末のNYダウは高く、シカゴの日経先物が2万2,000円台乗せとなっていることで買い先行となるとし、ただし、2万2,000円台では上値圧力が強く、NYダウの上昇が続かなければ下落となって2万1,000~2万2,000円の中の動きになるとしました。

結果

 日経平均株価はNY株高を受けて2日連続の大幅高。27日(火)は、2万2,502円まで上昇して+236円の2万2,389円と3日連続大幅上昇となりました。しかし、米国市場は27日(火)から3日連続の大幅安となったことで、日経平均も週の半ばから3日間は連続の大幅安に。週末の3月2日(金)は▲542円の2万1,181円で引けました。週前半2万2,500円台をつけましたが、週末は2万1,088円まで下落し、上から下まで約1,400円の下落となりました。 結局、NYダウに追随しての動きでした。

 26日(月)は、前週末に米国株式が3指標そろって大幅高となったことを受け、先物主導で+241円の2万2,134円と万2万2,000円台を回復して寄り付き、一時+333円の2万2,226円まで上昇して終値では+260円の2万2,153円でした。 27日(火)も前日の米国株式が連続して3指標ともに大幅高となり、日経平均は一時2万2,502円まで上昇しました。

 しかし、そこから上値は重くなり+236円の2万2,389円で引けました。この日の引け後の米国市場は、パウエル議長の議会証言は想定の内容でしたが、その後の記者とのインタビューで経済の力強さとインフレ見通しに自信を示す発言をしたことで長期金利が上昇しました。

 これを受けてNYダウは▲299ドルの2万5,410ドルと反落。 28日(水)の国内市場は、米国株安を受け売り先行で始まり▲321円の2万2,068円と4日ぶりの大幅反落となりました。 3月1日(木)も前日のNYダウが▲380ドルの2万5,029ドルと大幅安となったことと、再び1ドル=106円台の円高を嫌気し、▲343円の2万1,724円と大幅続落。この日の米国市場では、トランプ大統領が中国に対して鉄鋼やアルミにそれぞれ25%、10%の追加輸入関税の導入を発表したことで貿易摩擦の拡大懸念が高まり、株式は3指標そろって3日続落の大幅下落となりました。

 これを受けて2日(金)の国内市場は、全面安となり、一時106円を切る円高もあって▲635円の2万1,088円まで急落し、大引けは▲542円の2万1,181円となりました。

 3月2日(金)の米国市場は、前日の鉄鋼25%、アルミ10%の追加輸入関税を引き続き嫌気した流れが続き、一時▲391ドルの2万4,217ドルまで下落しましたが、好調な経済指標を受けて下落幅を縮小。その日は▲70ドルの2万4,538ドルで引けました。シカゴの日経先物も2万685円まで下げたあと、下落幅を縮小し▲5円の2万1,125円となりました。

 

今週は週末にメジャーSQ、米雇用統計を控え注意

今週の予測

 先週トランプ大統領が、米国の安全保障を理由に鉄鋼の25%、アルミの15%の関税を引き上げる輸入制限措置の表明をしたことで、株価が大幅下落し、今週もそれを引き継いで不安定な相場となる可能性があります。

 また、今週は日本と欧州の金融緩和政策が注目されます。日本銀行が8~9日に行う金融政策決定会合では、金融緩和政策を据え置くとの見方が優勢です。しかし将来的には緩和縮小に向かうとの観測もでており、黒田総裁の発言内容に関心が集まります。ECB (欧州中央銀行)でも8日にユーロ圏の金融政策を議論する理事会が開催されます。

 このような状況の中で、米国の保護主義的な通商政策への警戒感が高まっており、発動されれば中国や欧州連合は報復関税で対抗し、世界は貿易摩擦が拡大していく懸念が広がるでしょう。そうなると、株価は大きく下落して、織り込む動きになるかもしれません。今週は、週末にメジャーSQを控えており、材料次第では売り仕掛けで下値を試す動きがでてくることになります。

 今年になって、昨年までの相場環境とまったく変わってきました。1月に当面のピークをつけると予想していましたが、1月23日に2万4,129円の高値をつけ、その後、海外投資家は国内株を売り続けています。2月の第3週(19~23日)は7日連続の売り越しとなり、累計6兆円と2年半ぶりの規模となっています。

 このような状況の中で2月14日に2万950円と2万1,000円を一時、割り込み2万2,000円をはさんでもみあっていましたが、チャート的にはで売り転換のサインが出ています。

 23日申込み(27日発表)時点の信用取引の買い残高は、3兆4,462億円と積み上がり、2015年8月21日以来の水準となっています。過去、何度もある外国人が売り逃げて日本人が高値を買って苦しむというパターンになるかもしれません。たとえば2万円を割るようだと2万2,000円は当面の天井となってしまいます。今年の国内株式にとって問題は米国の11月の中間選挙に向けて政治が動き出すことです。トランプ大統領が主導権を握れるのは、日本に直接影響を与える「為替」と「貿易関税」です。

 また、世界の中央銀行は、日本を除いて「金融引き締め」に動き出してきています。これらが昨年まではなかった悪材料であり、これからの国内株式は大きな上下動を繰り返すことになります。これは、私がこれまで述べてきた年に2~3回の買い時がくるということになります。

 3月5日は、先週末のNYダウが安く終わっていることもあり、▲134円の2万1,047円と安く寄り付き、その後は、前日の終値近辺まで戻すものの上値重く、一時、2万1,000円を割る場面もありました大引けは▲145円の2万1,035円と2万1,000円を守って引けました。

(指標)日経平均

先週の予測

パウエル議長の議会証言や経済指標の発表に注目とし、週始めに関しては、前週末のNYダウが高かったことで買い先行となるとしました。ただし、2万2,000円台では上値重く、結局は2万1,000~2万2,000円の中に落ち着くとしました。

結果

 週前半の2月26日(月)は+260円の2万2,153円、2月27日(火)は+236円の2万2,389円と大幅3日続伸となりました。しかし、米国市場で経済指標が予想を下回り、NYダウが失速したことで日経平均も連動し2月28日(水)は▲321円の2万2,068円、3月1日(木)は▲343円の2万1,724円、3月2日(金)は▲542円の2万1,181円と3日連続の大幅安で引けました。チャートでは、3月1日(木)の時点で弱めの売り転換となりましたが、翌日、急落となりました。

今週の予測

 引き続きトランプ大統領の鉄鋼、アルミへの追加輸入関税措置の表明をめぐって、EC、中国の批判強く、貿易摩擦の世界的広がりへの懸念から相場は不安定な動きが続きそうです。先週の3月1日に2万1,724円で売り転換が出ており、当面は戻りは限定的で下値を試す動きとなる可能性があります。週末はメジャーSQもあり注意が必要です。

 

(指標)NYダウ

先週の予測

 経済指標の発表多く、その結果によって長期金利も動き、株価も連動することになるとしました。週明けのNY市場は、長期金利が2月14日以来の低水準になったことを好感し、NYダウは前週末の大幅高(+347ドル)に引き続いて+399ドルの2万5,709ドルと大幅続伸で始まりました。2月27日(火)は、パウエル議長の議会証言は想定通りの内容だったことで買い先行で始まるものの、記者とのインタビューで経済の力強さとインフレ見通しに自信を示したことで、長期金利が上昇し、株価は2万5,800ドルをつけたあと、一転、マイナスに転じ▲299ドルの2万5,410ドルとなりました。

 2月28日(水)は、前日の下げの反動で高く始まるものの、原油安、10~12月期GDP(国内総生産)の下方修正などを受け、▲380ドルの2万5,029ドルと大幅続落となりました。3月1日(木)は、トランプ大統領が中国の鉄鋼とアルミに追加輸入関税をかけたことで貿易摩擦が拡大する懸念から▲420ドルの2万4,608ドルとなり、チャートで売り転換出現となりました。

 NYダウは、先週の鉄鋼とアルミの追加関税を嫌気。パウエル議長の発言から3月利上げは確実視され、さらに6月、9月の利上げ予想もでてきたことから、金利上昇懸念のため米国株式は4日続落。3月2日(金)は一時、▲391ドルの2万4,217ドルまで下げて2万4,538ドルで引けました。

 今週も追加の輸入関税をめぐって各国の報復関税がでてくれば、世界経済は保護貿易の動きとなり、経済縮小への懸念により米国株式をはじめ世界の株安の動きとなってきます。どこで歯止めがかかるのか見極めるところです。

 

(指標)ドル/円

先週の予測

 2月28日のパウエル議長の議会証言に注目とし、景気拡大を言及すると3月の利上げが織り込まれ、さらに年4回の引き上げの可能性も浮上しやすくなり、長期金利は上昇すると予想しました。しかし、長期金利が上昇してもトランプ政権の貿易是正があれば上昇は限定的でドル安・円高は変わらないとしました。

 パウエル議長の証言は、想定通りでしたが、そのあとの記者との会談で経済に対する強気の発言で一時、長期金利が上昇。しかし、その後トランプ政権は鉄鋼、アルミの輸入制限発動を表明したことで、貿易摩擦の広がる懸念からドルは一時1ドル=105.25円まで売られ、引けは105.72円でした。

今週の予測

 先週の輸入制限措置が例外がないとしたことで、各国の報復も考えられることから保護貿易の動きが強まり、そうなるとリスク回避の円高となってドル売り要因となりそうです。1ドル=104~107円のレンジの動きを想定。

 

(出島 昇)

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