FOMC利上げ。しかしドル/円は105円台へ
トウシル / 2018年3月22日 10時50分
FOMC利上げ。しかしドル/円は105円台へ
今日のレンジ予想
毎ヨミ!FXマーケットニュース(3月21日)
ドル/円は、FOMCは利上げ、ドル/円は一時105円台へ
21日のドル/円は、106.02円で取引を終了しました。
終値が前日に比べ0.50円のドル安/円高だったので、今朝の天気マークは「雨」になります。FOMC(米連邦公開市場委員会)は、この日の会合で利上げを決定。予想通りの結果でしたが、ドル/円の高値は106.64円まで。その後105.88円まで下げる場面もありました。詳しい動きについては、「本日の注目通貨」をご覧ください。
- ドル:FOMCは利上げを決定。
- カナダドル:対ドルで上昇。自動車部品に関するNAFTA(北米自由貿易協定)協議が進展
- 香港ドル:対ドルで33年ぶり安値
- トルコリラ:27円前半で推移
- ポンド:1月の雇用データは、平均時給が予想上回る強さ。失業率も予想比低下
- RBNZ(NZ準備銀行):政策金利を1.75%に据え置き
- NY株価:下落。ダウ平均株価終値24,682.31ドル(▲44.96ドル)
- NY原油先物:在庫減少で上昇。終値 65.17ドル(+1.63ドル)
本日と明日の注目イベント
22日:BOE政策金利発表。欧州3月PMI
FOMCが終わり、今日は欧州と英国で重要指標が発表されます
ドイツとユーロ圏の2月PMI(購買担当者景気指数)は、先月比でやや鈍化。とはいえ、過去最高水準にあることに違いはなく、欧州経済の見通しの強さは、ユーロ高の材料になっています。ただ、今週発表されたドイツの2月ZEW(ドイツの景況感についての調査結果)景況指数が、先月の17.8から5.1に急速に悪化していることが気になります。その理由にユーロ高があげられており、ECB理事の口先介入が今後さらに多くなることも考えられます。
BOE(イングランド中央銀行)は本日の会合で政策金利を現行の0.50%に据え置く見通し。
MPC(BOEの金融政策委員会)委員は、マーケットが予想するよりも速いペースで、より大幅な利上げをする考えを示しています。英国とEU(欧州連合)が離脱までの移行期間について基本合意したことで、ブレグジットの不透明感がまたひとつ払しょくされ、BOEが安心して利上げを実施する環境が整いつつあります。移行期間については、英国が離脱する来年3月29日から翌2020年12月31日までの1年9カ月間で暫定合意。英国はこの期間まで単一市場と関税同盟にとどまることができます。しかし、10月までに英国とEUが「離脱協定」に最終合意できなければ、移行期間も無効になる可能性があります。
今日の注目通貨
ドル/円
FOMCは政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利誘導目標を1.00~1.25%から1.50~1.75%に引き上げました。今年の利上げ見通しはあと2回で変わらず。パウエルFRB議長は、利上げに関して中立的な立場を維持しました。
一部には今年あと3回の利上げ期待もありましたが、予想通りの結果となって、マーケットはやや失望。FOMC後のドル/円は発表直後に106.64円まで跳ね上がりましたが、すぐに勢いを失い105.88円まで下落しました。発表後の動きはこのようになっています(チャート1)。
FOMCという大イベントも、ドル/円の上下の堅さを確認するだけに終わりました。3月の高値を更新することもできず、かといって円高に大きく振れることもありませんでした(チャート2)。短期的には、FOMC後につけたこの高値と安値が、サポートとレジスタンスになります。マーケットはこれから、レンジを抜けだすための材料を探すことになります。今日のピボットは、レジスタンスが106.48円、106.94円。サポートは105.72円、105.42円。
NZドル/ドル
RBNZ(NZ準備銀行)は、22日の政策会合で政策金利を現行の1.75%に据え置きました。RBNZが金利政策を変更するような要因は国内的にも対外的にも見当たらず、RBNZは「金融政策はしばらく緩和的にとどめる」との声明文を発表しました。
また、総裁が交代する直前であることも、金融政策の現状維持の理由となったようです。RBNZでは、今月27日に、スペンサー現総裁の後任としてオア氏が就任します。オア氏は、同国の公的年金ファンドの責任者を務めていました。
NZドル/ドルは、前日のマーケットで0.7152ドルまで下げて3月の安値をつけたあと、FOMC後に0.7244ドルまで急上昇。RBNZ発表後は0.72ドル前半での取引となっています(チャート3)。
ユーロ/ドル
ユーロ/ドルは、FOMC後に上昇。しかしドル/円同様、最近のレンジを抜けることはできませんでした(チャート4)。
◎天気の判定基準とは?
天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。
・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。
・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。
・「曇り」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。
※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。
※ちなみに2017年は、「晴れ」89日、「雨」90日、「曇り」80日でした。
2018年3月19日より、ご愛読いただいておりました連載「FXデイリーチャート」と、連載「デイリー為替情報」が合体し、新連載「毎ヨミ!為替Walker」としてリニューアルしました。これまでのバックナンバーはこちらよりご覧ください。
(荒地 潤)
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