波乱相場を乗り切る方法
トウシル / 2018年4月5日 17時18分
波乱相場を乗り切る方法
正念場を迎えたNYダウ
2018年のNYダウのチャートは1月後半から3月中旬まで「三角もちあい」を形成していた。この三角もちあいの攻防は下離れとなり、教科書的に下値模索となった。エリオット波動理論では下落修正3波である(c)波の5波動目に位置している。現在の焦点は200日移動平均線の攻防と、三角保合崩れの相場が、フラット(平行)調整で踏みとどまるか否かである。
NYダウ(日足)と200日移動平均線の攻防
NYダウも日経平均も日足ベースでは乱高下相場が続いている。こんなフォーメーションの読みにくい乱高下相場に巻き込まれていては、「売ってやられ、買ってやられ」という消耗戦になりかねない。加えて、相場のボラティリティ・レベルも高いので損失も大きくなる。
日経平均(日足)と200日移動平均線の攻防
米国株はビッグ5という5銘柄の成績
筆者はラジオやレポートなどで2週間にわたって米ハイテク株に対する警鐘を鳴らしてきた。フェイスブックの(トランプの選挙戦に絡んだ)個人情報不正流用事件でIT関連銘柄が売られ、テスラなどの自動運転での死亡事故も嫌気されている。
3月29日の日経新聞では、【トランプ米大統領がアマゾンに対する課税強化や反トラスト法(日本の独占禁止法に相当)違反での提訴を検討していると報じ、業績への影響を警戒した売りが出た。アクシオスによると、トランプ大統領はアマゾンのインターネット通販の売上税(日本の消費税に相当)の取り扱い変更に加え、反トラスト法を使ってアマゾンを取り締まる方法を模索しているという。大統領に近い不動産業者が、アマゾンがショッピングモールや小売業の経営を圧迫していると訴えたことが背景にあるようだ。アクシオスは、大統領に近い複数の関係者の話として「彼(大統領)はアマゾンのことで頭がいっぱいになっている」とも報じた。アマゾンの創業者で最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス氏が保有するワシントン・ポスト紙がトランプ政権に批判的なこともアマゾンに厳しい態度を見せる一因となっている可能性がある】(3月29日 日経新聞「アマゾン株一時7%下落 トランプ大統領が課税強化か 」)と報道されているが、民主党系IT企業が嫌いなトランプはツイッターでもアマゾンを攻撃し、目の敵にしているようだ。
極端なことを言えば、米国株はビッグ5という5銘柄の成績である。今後、米国株が下がるか、持ち直すかを決めるのは、ビッグ5(アップル・アマゾン・グーグル・フェイスブック・マイクロソフト)の5銘柄の動き次第だろう。
今のところ米・中の関税問題にIT関連が含まれていないので市場は安堵しているが、今後、貿易戦争が拡大すると、多国籍IT企業の法人税問題にまで発展する可能性がある。株の運用者はそれをとても心配している。
S&P495とビッグ5の運用パフォーマンスのかい離(アップル・アマゾン・グーグル・フェイスブック・マイクロソフトの5銘柄)2013年~2017年
フェイスブック(週足)
アマゾン(週足)
テスラ(週足)
ボラティリティレベルの高い乱高下相場の動きに対処するには?
為替市場は、株を見ながら右往左往するジェットコースター相場になっている。筆者はこのところブログでも短いタイムフレームのトレードしか取り上げていないが、このボラティリティレベルの高い乱高下相場の動きに対処できるのは30分足や1時間足のトレードであろう。
30分足や1時間足の短期トレードで成功するには、
トレンドが発生しやすい銘柄(通貨ペア)を取引すること
標準偏差ボラティリティやADXというテクニカル指標を使い、方法性のあるトレンド相場と方向性のないランダム相場を認識する
システマティックな損切り注文を置いておく
ことが重要である。
以下は筆者がブログで取り上げ、ここ数日取引しているドル/円、NZドル/円、カナダドル/円、NYダウCFDの30分足と1時間のチャートだ。
トレーディングや市場の環境が激変し、昔流行った売買手法のほとんどは、現在の市場では通用しない。しかし「標準偏差ボラティリティトレードモデル」だけは、長きにわたって効力を発揮している。筆者が辿り着いた結論は、相場とは確率に賭けるゲームであり、
その優位性の優劣でパフォーマンスが決まるということである。
相場には方向性を持っている「トレンド相場」と「ランダム相場」がある。現在の相場が「トレンド相場」なのか、あるいは「ランダム相場」なのかを見定めるのに有効なのが「標準偏差ボラティリティ(Standard Deviation)」である。
標準偏差ボラティリティモデルで相場に強いトレンドが出ているサインは、標準偏差ボラティリティ(パラメーター:26)とADX(パラメーター:14)の2本のラインが一緒に上昇しているところである。(チャート下段:赤色の期間=買いトレンド・黄色の期間=売りトレンド)
売買注文のタイミングは、ボリンジャーバンド(パラメーター:21)で判断する。チャートのローソク足がボリンジャーバンドの±1シグマ(株価指数インデックスは±0.6シグマ)のラインを外側に飛び出したところがエントリー(新規注文)のポイントである。あとは、トレール注文を置くか、ローソク足が±0.6シグマの内側に戻ったらポジションを手仕舞うだけだ。
必ず標準偏差ボラティリティとADXのラインの傾きを確認して、トレンド相場であることを確認することがマストである。
ドル/円(30分足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
ドル/円(1時間足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
NZドル/円(30分足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
NZドル/円(1時間足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
カナダドル/円(30分足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
カナダドル/円(1時間足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
NYダウCFD(30分足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
NYダウCFD(1時間足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
(石原 順)
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