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朗報:中国が歩み寄り!?米中貿易戦争が収束に向かう期待も

トウシル / 2018年4月11日 7時28分

朗報:中国が歩み寄り!?米中貿易戦争が収束に向かう期待も

朗報:中国が歩み寄り!?米中貿易戦争が収束に向かう期待も

習近平・中国国家主席の講演を好感して、日経平均が上昇

 10日の日経平均は、前日比116円高の2万1,794円でした。朝方、一時135円安の2万1,542円まで売られましたが、日本時間10時30分に始まった習近平・中国国家主席の演説【注】内容が伝わると上昇に転じ、前場は234円高の2万1,913円で引けました。後場に入ってからは伸び悩み、大引けは116円高となりました。

【注】中国の習近平国家主席は10日、海南省ボーアオで開催中のアジアフォーラムで演説しました。トランプ米大統領による相次ぐ中国への制裁発表に対し、どのような対抗策を出してくるか、注目されていました。

日経平均、日中の値動き:2018年4月10日

 

 

 習近平主席の講演は、中国市場の開放推進を強調する内容だったことから、米中貿易戦争が、泥沼化することなく、「落としどころを探りながら収束していく」期待を生みました。習近平主席の講演を好感し、10日のNYダウは、428ドル(1.8%)高の2万4,408ドルと大幅に続伸しました。中国への輸出が多いボーイングやキャタピラーなどの上昇率が高くなりました。

 また、フェイスブックやアルファベット(グーグルの持ち株会社)などIT大手の構成比率が高い米ナスダック株価指数も2.1%高と、大幅に続伸しました。個人情報管理の甘さが問題となりバッシングを受けていたフェイスブック株が4.5%高となるなど、IT大手に買い戻しが入りました。同社のザッカーバーグCEOが、米上院の公聴会で証言しましたが、規制を受け入れる意思を示すなど無難にこなしたと見られたことから、買い戻しが増えました。

 

中国が歩み寄りか。中国市場の開放を拡大する方針を強調

 日米株の買い戻しにつながった習近平主席の講演内容には、以下が含まれます。

  1. 輸入を積極的に拡大。自動車の輸入関税などを大幅に下げる方針。
  2. 知的財産権の保護を強化。知的財産権侵害の取締りを強化する。
  3. 市場参入規制を大幅に緩和。自動車製造業、金融業(銀行・証券・保険)などへの外資による出資制限の緩和を早期に実現する。保険については、外資の業務範囲を広げる。

 トランプ政権の要求に応える内容を含み、かつ、中国が公正な貿易や投資を推進する立場を取ることを、国際社会にアピールするものでした。この講演を受けて、米中貿易戦争が泥沼化するリスクが軽減したと受け止められました。

 中国が市場開放や知的財産権保護を打ち出し、それを受けて米国が中国からの輸入品にかける輸入関税の引き上げを見送るならば、米中貿易は引き続き、健全に発展すると見ることもできます。

 ただし、中国が本当に実効性のある市場開放を進めるか、まだ予断を許しません。また、米中間の具体的な交渉はこれから始まります。これで、貿易戦争が直ちに収束に向かうと考えるのは早計かもしれません。

 

次の注目は、来週の日米首脳会談

 来週4月17日(火)~20日(金)、安倍首相は訪米し、フロリダ州パームビーチの大統領別荘にて、トランプ大統領と会談します。これは、日米双方にとって、重要な会談となります。

 今回は、双方の主張をぶつけあう場になるでしょう。これまでの安倍―トランプ会談のように、日米友好関係を確認し、ゴルフや晩餐会で親密さを強調するだけでは済まないでしょう。日本は、北朝鮮への圧力継続などで米国の協力を求める見込みだが、米国は、貿易で日本の妥協を迫ってくる可能性があります。

 具体的には、日米FTA(二国間の自由貿易協定)の交渉をスタートすることを迫ってくると考えられます。トランプ大統領は、鉄・アルミへの関税上乗せで、カナダ・メキシコ・欧州・韓国を適用除外としたのに対し、中国と日本は、対象に含めました。

 カナダ・メキシコは、北米FTAの見直し協議中であることから、適用除外となりました。韓国も、米韓FTA見直しで、韓国が米国の要求を飲む交渉が進んでいたため、適用除外となりました。欧州ともさまざまな交渉が進んでいます。

 ところが、日本は、米国抜きのTPP11(環太平洋パートナーシップ協定)の発効を推進中で、日米FTAの交渉スタートを受け入れていません。トランプ大統領は、これに不満を持ち、安倍首相を名指しして、「各国首脳は米国をいいように利用してきたが、それはもう終わりだ」と発言しています。

 日本は、日米FTA交渉のスタートを受け入れる準備がありませんが、トランプ大統領はそこで進展がないと、日本にも厳しい姿勢をとらざるを得なくなる可能性があります。来週の日米首脳会談が、株式市場にとってプラス材料となるかマイナス材料となるか、予測が難しい状況です。

 

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