好配当利回りの参考銘柄「初心者はまず割安株から」と考える理由
トウシル / 2018年4月18日 7時46分
好配当利回りの参考銘柄「初心者はまず割安株から」と考える理由
バリュー投資・グロース投資、どっちが魅力的?
株式投資の代表的スタイルは、2つあります。1つはグロース(成長株)投資、もう1つはバリュー(割安株)投資です。読者の皆様は、どちらのスタイルに近い方ですか?
私は、25年の日本株ファンドマネージャー経験がありますが、主に割安株への投資で、ベンチマーク(競争相手)である東証株価指数(TOPIX)を上回るパフォーマンスを上げてきました。割安株をコアとして長期保有しながら、成長株で短期売買を繰り返しつつ、サヤをかせぐ戦略です。
株式投資の初心者は、まず割安株投資から始めた方が良いと思っています。配当利回りの高い大型株が、最初の候補となります。小型成長株も面白いのですが、小型成長株には値動きの荒いものが多く、注意を要します。
小型成長株の株価変動(イメージ図)
上のグラフでは、成長株の株価変動イメージを、3つの時期に分けて描きました。
- 黎明期:成長期待があるがまだ利益がほとんど出ない時期
- 成長期:利益が大きく成長する時期
- 成熟期:最高益更新が続くものの、増益率が大幅に鈍化する時期
このグラフは、成長株の成功事例をイメージして描きました。黎明期から成熟期まで長く持っていれば、高いリターンが得られます。ただし、それでも、投資タイミングが悪いと、短期的に大きな損失をこうむることがあります。それが、グラフで赤い矢印をつけたところです。
株価が割安な銘柄を選ぶことで、投資リスクをある程度抑えられる
割安株は、言葉をかえれば、「不人気株」です。人気がないから配当利回りが高く、PER(株価収益率)などの株価指標でみて割安でも、積極的な買いは入りにくくなっています。
一方、多くの成長株は、「人気株」です。成長ストーリーにひかれて多くの投資家が熱狂的に買うので、株価指標で見ると割高な銘柄が多くなります。
初心者はまず割安株からと私が考えるのは、将来のパフォーマンスに、一般的に以下の関係があるからです。
ここで、一番避けたいのは、4番目のパターンです。初心者が、このパターンにおちいると、損切りができず、ずるずると損失を拡大させることになりやすいので、注意が必要です。
私は、割高な成長株は短期勝負と割り切って売り買いしていました。みんなが熱狂する株を一緒に買いに行く時は、「株価が下がったらすばやく損切り」を念頭においていました。
それに対し、割安株に投資する時は、じっくりと長期に持ち、価値が見直されるのを待つ戦略でした。堅実経営の割安株は、投資家の期待が低いので、業績がたいしたことなくても急落することは、あまりありません。人気の成長株とは違って、バタバタと短期で売り買いする必要はあまりないと言えます。
割安な成長株はなかなか存在しない
もし、成長性が高く、株価が割安な銘柄があれば、それは、成長株投資家も、割安株投資家も、どちらも投資したいと思うでしょう。ところが、割安な成長株はなかなか存在しません。成長性の高い株は、往々にして人気が高く、株価の割安度をはかる代表的な指標であるPER(株価収益率)が30~40倍など、高い水準にあることが多いのです。
一方、PERで10倍前後など割安な銘柄には、成長性が低い、業績になんらかの不安があるなど問題を抱えている銘柄が多くなっています。
そこで、良い投資銘柄を見つける方法は、2つあります。
- 成長株投資を重視するファンドマネージャー
まず、成長性の高い銘柄を探し、その中から株価がなるべく割安なものを選別します。 - 割安株投資を重視するファンドマネ-ジャー
まず、株価が割安な銘柄を探し、その中から、なるべく成長性の高いものを選びます。
割安な成長株がなかなか見つけられないことから、成長株投資マネージャーのポートフォリオには、PERが高い、配当利回りが低い銘柄が多くなります。一方、割安株投資マネージャーのポートフォリオには、あまり成長性の高くない割安な銘柄が多くなります。
割安と判断している大型好配当利回り株
ご参考までに、私が割安と判断している好配当利回り株をご紹介します。
好配当利回り株:2018年4月17日時点
最低投資額が、やや大きく、初心者に投資しにくいかもしれません。少額からの投資でしたら、日経平均インデックスファンドの積み立てから始めてもいいかもしれません。
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