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新社会人のための100点☆家計簿「奨学金返済にも負けない家計のつくり方」

トウシル / 2018年5月9日 7時0分

新社会人のための100点☆家計簿「奨学金返済にも負けない家計のつくり方」

新社会人のための100点☆家計簿「奨学金返済にも負けない家計のつくり方」

今回は新社会人の家計相談にお答えいたします。

相談内容

 今年就職して上京し、初めてのお給料を手にしました。学生時代は生活費を奨学金とアルバイトでまかなっていたのですが、なかなか貯蓄までたどり着けませんでした。これからは将来のためにしっかり貯金をしていきたいと思います。お金を上手に貯めたり増やしたりするコツを教えてください。(Fさん・IT会社勤務・22歳女性)

 

税制と社会保険。学生と社会人の違い

 ご就職、おめでとうございます!これからは社会人として、自立できるだけの収入を得ていく生活が始まります。

 Fさんは、奨学金とアルバイトで学業を全うした頑張り屋さんで、就職後も大変堅実な生活を続けられています。東京の家賃は高いため、独り暮らしで手取り収入の1割以上の貯金ができるのは大したものです。

 会社員になり、お給料をもらうと同時に最初に驚くのが、額面の金額より実際に銀行口座に振り込まれる金額が結構少ないということです。税金と社会保険料が差し引かれるためです。

 例えば1年目の給与が月額面24万円の場合、所得税が約5,000円、社会保険料が約3万4,000円程度差し引かれます。

Fさんの話から出した収支予想

社会人2年目から、さらに手取りが減る!?

 ご注意いただきたいのが、社会人2年目の6月に支給されるお給料から、住民税の控除が始まるということです。昇給がなければ、2年目から手取りがさらに約1万円程度減ることを知っておきましょう。Fさんの会社では、所定の資格を取得した場合、手当がもらえるとのこと。2年目からの住民税支払が始まっても手取りが減らないように、計画的に資格取得を目指すのもいいですね。

 

社会人になったら始めたい3つのおトク制度

 社会人の義務である納税ですが、控除額を減らすことができるおトク制度があります。新社会人でも始められる、お金を増やせる3つの制度をご紹介します。

(1)ふるさと納税

 寄付を通じて地方の自治体を応援する制度です。寄付をすると地域の特産品などの「御礼の品」を受け取ることができます。お米や野菜などの御礼の品は、家計にとってありがたいもの。自分の出身地以外にも寄付ができます。

 寄付金は、確定申告をすれば2,000円を差し引いた額を税額控除してもらえ、翌年還付を受けられます。還付を受けられる金額は収入や家族構成によって異なります。

 また「ワンストップ納税」と言って、確定申告の手間を省ける仕組みもあります。注意点は、新社会人の場合、初年度の年収は4月~12月の8カ月分であること。初年度はボーナスも少ないと見込んで、納税還付が受けられる額をシミュレーションするとよいでしょう。ちなみに年収200万円の場合で、約1万5,000円の還付を受けられます。

(2)つみたてNISA(ニーサ)

 つみたてNISA口座で一定の投資信託を積立購入すると、20年間運用益を非課税にしてもらえる制度です。年間40万円までの積立が可能です。

●つみたてNISAの詳しい仕組みはこちら↓

「初心者でも税制優遇を使いこなせばこんなにおトク!つみたてNISA、iDeCoって?」

(3)自分でつくる年金iDeCo(イデコ)

 職場に企業型確定拠出年金の制度が導入されていれば、運用を実践するチャンスです。

 この企業型の確定拠出年金は、退職金の前払い制度で、退職金の原資を自分の判断で運用していきます。さらに、「マッチング拠出」という制度も導入されている場合、自分の判断で給与から一定額を企業型の確定拠出年金に上乗せして積立運用することができます。マッチング拠出で積み立てる掛金は全額所得控除となり、所得税や住民税が減ります。マッチング拠出額は年に1回変更できます。

 なお、勤務先が確定拠出年金を導入していない場合は、個人で加入することができるiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)。

 注意点は60歳まで引き出すことができないこと。社会人1年目は、現金貯金をある程度確保していきたいので、無理のない金額でスタートしましょう。

 

社会と関わり、よりいい経済行動ができる人を目指しましょう

 学生の間は親の援助や意見の影響が大きく、ある意味逃れられない面もあったと思いますが、これから自分で自分の未来を拓いていくことができます。そして、悔いのない人生を送るためには、お金は大きな助けになってくれます。お金の仕組みを知って、キャリアアップや貯金、運用の計画を立てて、自分の将来をデザインしていってください。  

 また、納税をするということは、子供時代のように社会から守られていた立場から、社会を支える側に回るということです。「私が納める税金は一体に何に使われているんだろう?」など、社会の仕組みに関心をもち、ゆくゆくは国の将来についても考えられる社会人になっていただければうれしいです。これからのご活躍に期待しています。

(圦本 弘美)

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