iDeCo(イデコ)活用術[3]自営業・フリーランスになるとき
トウシル / 2018年5月15日 17時43分
iDeCo(イデコ)活用術[3]自営業・フリーランスになるとき
今回は、年金持ち運びの方法として、自営業やフリーランス(以下、自営業等と称します)になる場合です。今まで民間企業や公務員、及び専業主婦(夫)という立場だった人が、独立して自営業等になるというケースです。これは実は最もシンプルなケースなのです。なぜなら、この人たちは公務員や専業主婦(夫)同様、再び企業勤めをしない限り企業年金には関係ないのでiDeCo(イデコ)しか利用することができないからです。
それまでの制度とは関係なくiDeCo(イデコ)に加入すべし
したがって、(1)もともとiDeCo(イデコ)に入っていた方も(2)今までは企業型に加入していた方も手続のやり方は前回「公務員・専業主婦(主夫)になるとき」でお話した方法と全く同じです。そしてiDeCoで積み立てを続けるか、あるいは年金資産の運用だけを続けるかのどちらかを自分で決めることになります。
iDeCoの積み立てを継続するかどうかは任意です。ただ、積み立てをしないと、掛け金が全額所得控除になるというメリットは受けられない上、口座管理料は取られ続けていくことになりますから、注意が必要です。そもそも私はやはり自営業等の方は積み立てを続ける方が良いと思います。
積み立てを続けた方が良い理由
その理由は前述のように「iDeCo(イデコ)は所得控除が受けられるから積み立てをした方がお得になる」、ということだけではありません。むしろ私は「積み立てを続けた方がよい」というよりも「積み立てを続けるべきだ」とすら思っています。その理由はiDeCoの積立限度額を見れば明らかです。民間企業の場合は1万2,000円~2万3,000円、専業主婦(夫)は2万3,000円、公務員は1万2,000円が月間の積立限度額ですが、自営業等はずば抜けて多く、6万8,000円なのです。これは一体どうしてなのでしょう、なぜ自営業の人はこんなに優遇されているのか?
実は自営業等の人たちが優遇されているというわけではないのです。この人達はサラリーマンと違って企業年金や退職金がありませんし、公的年金でも厚生年金がありません。このため、老後に支給される公的年金がサラリーマンよりはるかに少なくなってしまうのです。その分を自助努力で賄う必要があるため、このようにiDeCoの積立限度額が多く決められているというわけです。
とりあえず積み立てしておけば金額は自由に決められる
もちろん上限一杯しなければならないわけではありませんから、自分の収入に応じて決めればいいのです。掛け金は最低5,000円から千円単位で決めることができます。まずはできる範囲から少しずつ増やしていけばいいのですが、少しの金額でも積み立て自体はやっておくべきだろうと思います。
強い味方を大いに活用すべし!
最後に、iDeCo(イデコ)の持ち運び手続きはきちんと整理すればそれほど難しいものではありません。でも多くの人にとっては初めてのことでしょうから、何をどうすればいいかわからないうちに放ったらかしになってしまっているという人もかなりの数がいます。
このコラムを保存しておいて実際に自分がそういう状況になったら、ぜひ読み返していただきたいのですが、もう一つ、現在自分が加入している金融機関のコールセンターはぜひうまく活用してください。具体的に自分がどう職業が変わるのかを説明することで親切に答えてくれるはずです。
【iDeCo活用術】
「iDeCo(イデコ)は、就職、転職、退職で年金資産は持ち運びできる」
〔教えてくれたのは〕
大江英樹(おおえ ひでき)
経済コラムニスト
大手証券会社を定年退職後、(株)オフィス・リベルタスを設立。確定拠出年金、資産運用、行動経済学、セカンドライフ支援の専門家として各種メディアへのコラム執筆、講演やテレビ出演多数。
(大江 英樹)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
非正規雇用・退職金なし…老後資金はどう準備する?
MONEYPLUS / 2024年7月24日 11時30分
-
「年金の受取額が月9万円?さすがに嘘だろ」大学院卒の55歳会社員、年金事務所で憤慨も「恥ずかしい勘違い」に意気消沈のワケ【CFPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月22日 11時15分
-
iDeCo加入者の毎月の掛け金、平均額は?
マイナビニュース / 2024年7月11日 7時3分
-
【オカネコ iDeCoの利用意向調査】加入率は約2割。平均拠出額は約2万円/月。NISA併用率は9割近い結果に!
PR TIMES / 2024年7月8日 11時15分
-
すぐには引き出せない?個人年金保険はどんな人に向いている?
オールアバウト / 2024年7月2日 19時30分
ランキング
-
1「身代金」「初動対応」、"KADOKAWA事件"の教訓 凄腕ホワイトハッカーが語る日本企業への警告
東洋経済オンライン / 2024年7月31日 8時0分
-
2【速報】日銀が追加利上げを決定 政策金利0.25%程度に 長期国債買い入れは26年1~3月に月間3兆円程度に
日テレNEWS NNN / 2024年7月31日 13時12分
-
3海外の優秀なエンジニアが日本企業を選ばない訳 人気が落ちている要因は「企業の体質」にあった
東洋経済オンライン / 2024年7月30日 16時0分
-
4部屋に泥棒がいる!〈高級老人ホーム〉で優雅に暮らす86歳母からのSOS…急ぎ駆けつけた51歳長男の目に飛び込んできた「まさかの光景」【FPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月30日 11時15分
-
5しまむらグループの子ども服「バースデイ」が謝罪、物議のコラボ商品の販売中止【全文】
ORICON NEWS / 2024年7月30日 20時41分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください