ドル/円に110円の壁。トレーダー注目の重要指標トップ5
トウシル / 2018年5月15日 9時15分
ドル/円に110円の壁。トレーダー注目の重要指標トップ5
本日のレンジ予測
毎ヨミ!FXトップニュース(5月14日)
14日のドル/円の終値は109.36円
前営業日に比べ0.27円のドル高/円安だったので、今朝の天気マークは、「晴れ」です。
- USD:中国副首相が15日訪米、貿易戦争回避にむけた通商協議を再開
- EUR:仏中央銀行総裁「ECBの量的緩和、終了時期が近付いている」
- EUR:クーレECB理事「ECBの政策金利は、現状水準にしばらくの期間とどまるだろう」
- TRL:トルコリラが対円、対ドルで再び史上最安値に接近。トルコ大統領が利上げに難色
主要指標終値
本日の注目通貨
ドル/円:110円を上抜けできるか?
ドル/円は、この日も強い動意が見い出せませんでしたが、東京時間の109.20円を安値に緩やかに上昇を続け、NY時間に高値109.67円をつけました(チャート1)。
110円近辺の重さは相変わらず。ただ、107円を上抜けしてから円安に弾みがついたように、110円を完全攻略できると、112~114円台へ一気に上昇する可能性もあります。本日から再開される米中の通商会議の結果がそのきっかけとなるかもしれません。
ユーロ/ドル:ECB利上げ期待、再び盛り上がる
ECB(欧州中央銀行)の資産買い入れプログラムを年内で終了して、2019年半ばに利上げすることを、ビルロワ=ドガロー仏中央銀行総裁が示唆したことがユーロ買いを強め、ユーロ/ドルは1.19ドル台前半から1.1996ドルまで上昇(チャート2)。
ECBが量的緩和政策を延長するのではないかと弱気に傾いていたマーケットに対して、同氏の発言がインパクトを与えました。ただ、その後クーレECB理事から利上げに後ろ向きの発言が出たこともあって1.2000ドルの大台乗せには失敗。逆に1.1926ドルまで売り戻されて、当日の安値をつけました。
今週の注目イベント
注目ワードは、成長率とインフレ率!
欧州、ドイツGDP&CPI、日本GDP、米小売売上高、英豪失業率
1. ドイツ1~3月期GDP、ユーロ圏1~3月期GDP(15日)
ドイツのGDP(国内総生産:速報値)は前期比0.4%にやや減速(前回0.6%)。ユーロ圏のGDP(改定値)は、速報値と変わらず前期比0.4%の予想。ユーロ圏の最近の経済指標には勢いがありません。これは第1四半期に限ったことなのか、それとも今後さらにペースダウンするのか。ビルロワ=ドガロー仏中央銀行総裁が「ECBの量的緩和の終了時期が近付いている」と発言しているなかで、注意深く確認する必要があります。
2. 米4月小売売上高(15日)
米国の小売売上高は、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ軌道を考えるうえで雇用統計以上に注目される重要指標です。しかし、4月の総合は前月比0.3%(前回0.6%)とやや冴えない予想。ただし、自動車を除く売上高は前月比0.5%に上昇(前回0.2%)が期待されます。
3. 日本1~3月GDP(16日)、4月消費者物価指数(18日)
日本のGDP(速報値)は、年率換算で▲0.1%に落ち込むとの予想。4月の全国CPI(生鮮食料品を除く)は、前年同月比0.8%の予想(前回0.9%)。データを見る限り、日本は成長率もインフレ率においても、勢いがまだ足りません。
4. ユーロ圏4月消費者物価指数(16日)
ユーロ圏のCPI(改定値)は前年比1.2%の予想で、前回(1.3%)に比べてやや鈍化。イースター時期のずれで生じた統計的な理由で、インフレ率が実際よりも鈍化しているように見えるだけで、来月以降は回復すると思われます。
5. 豪4月新規雇用者数(17日)
4月の新規雇用者数は2.00万人の予想(前回0.49万人)。失業率は5.5%で横ばい。豪雇用市場は拡大も、前年に比べると勢いにやや陰りが見え始めています。
◎天気の判定基準とは?
天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。
・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。
・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。
・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。
※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。
※ちなみに2017年は、「晴れ」89日、「雨」90日、「くもり」80日でした。
(荒地 潤)
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