相場の乱高下を運用力に変える投資方法とは?
トウシル / 2018年7月17日 7時0分
相場の乱高下を運用力に変える投資方法とは?
今年の株式市場は乱高下を繰り返しているため、投資を始めたばかりのみなさんの中には、落ち着かない気持ちで過ごしている方が少なくないと思います。今日は、相場のブレが激しくても、気持ちはブレずに資産運用を続ける方法をご紹介します。
乱高下を歓迎できるようになる? 積立投資がいい理由
株式市場が派手に乱高下しても気にならないようにするためには、「相場を見ないで機械的に購入する」ことがおすすめです。投資信託を積み立てで購入していく方法がこれにあたり、「つみたてNISA」と「iDeCo」は、まさに積み立て投資を活用するために作られた制度です。
積立投資派にとっては、実は、相場が乱高下することは有利になります。毎月一定額を機械的に買い付けると、価格が割高な月は少ない量を買い、価格が下落すると多く購入することができます。
つまり、値下がりした時には自動的にたくさん買えるため、買い付け単価を下げた上手な買い方ができるのです。これを専門用語で「ドル・コスト平均法」と言います。
乱高下するということは、本来の適正価格から激しく値下がりすることがあるわけですから、積み立て派はドンと構えて、「お、今月は安く買い付けできてラッキー!」と前向きに考えればよい訳です。相場といっしょにいちいち気持ちまで乱高下したくない方は、10年以上地道に続けるつもりで積立投資をするのが良いです。
暴落があった場合に、投資対象を変えるべき?
値下がりした時にショックを受けて、慌てて売ってしまったり、計画性なく違う投資信託に乗り換えてしまったりするようなことはおすすめしません。長期の積み立てのプランをきちんと立てたら、気分や一時的な相場の雰囲気でコロコロ変更せずに続けるのが一番成功しやすいと言われています。
「では、どんな暴落があっても、投資対象は変えなくていいの?」というと、変えた方が良い場合もあります。
投資を継続してよいかどうかの見極めポイントは、投資対象が「値下がり原因の張本人なのか」「あおりを受けて一時的に下がっているだけなのか」ということです。
例えば、ある企業Aが倒産しかけている、というニュースが大々的に報じられると、同業種の企業Bは順調なのに、株価が軒並みつられて値下がりすることが良くあります。この場合、Aの株価は倒産してしまうとその株式は紙切れになってしまうリスクもあるので、不用意な安物買いをしてはいけません。
一方、Bは下落した原因の本人ではないため、ほとぼりが冷めると適正な株価に戻る可能性が高いと考えられます。バーゲンセールといっしょで、安物買いに手を出してはいけませんが、割安なものは買ってもよい訳です。
ご自分の投資している対象が、値下がりの張本人なら、辛抱して長く持っていても、価格が戻らない可能性があるため、見直しを検討すべきです。つられて下がっているだけというケースなら、長期投資のセオリーに従って保有継続し、さらに割安時に買い増しても良いと考えられます。
目先ではなく、10年後を考えて投資する理由は?
目先の価格変動で不安になってきたら、10年以上の長期チャートを眺めてみることをおすすめします。過去何度も乱高下を繰り返しながら、世界経済は成長し続けています。世界経済発展の大前提は3つあります。
(1)人口の増加
世界で人口が増え続ける限り、世界全体の経済のパイは大きくなり続けると考えられます。日本は少子化で困っていますが、世界全体では人口は増え続けており、2050年代には100億人を突破すると予想されています。
(2)技術革新
新たな技術が新しい市場・売上・雇用を生み出すことを繰り返して、世界の経済は発展してきました。過去数十年での最大の発明のひとつは、インターネット(世界中のパソコンをクモの巣のように無限につなげる技術)でした。インターネットが誕生したことで生まれた経済効果は、計り知れないものがあります。今後も新しい技術が出てくれば、世界規模での経済発展は続くと考えられます。
(3)自由経済と民主主義
自由経済は「個人や会社が自由に経済活動をしていいよ」という仕組み、民主主義は「国民全員の意見や能力を取り入れて国づくりをしていこう」という政治体制です。この2つが保証されている国の方が、永続的な経済発展が生み出されやすいことが歴史上確認されています。地球全体で自由経済と民主主義のメンバーが増える未来を予測できるなら、未来の経済は明るいと言えます。
例えば2018年の一番のニュースは6月の米朝首脳会談です。課題はまだまだ山積みですし、これから数年は驚くようなことが続くでしょう。けれど10年のスパンで見たときに、北朝鮮の国民2,000万人が自由経済と民主主義の仲間入りをするシナリオが進むのなら、アジアがもう一段発展するということになり、資産運用にとってプラス要因となる可能性があるのです。
この3つの前提が崩れないのであれば、長期積み立て投資はぜひするべきだという理屈になるのです。
(圦本 弘美)
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