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トルコリラ急落の影響で仮想通貨も全面安。ただし「悪材料出尽くし」の見方も

トウシル / 2018年8月28日 9時0分

トルコリラ急落の影響で仮想通貨も全面安。ただし「悪材料出尽くし」の見方も

トルコリラ急落の影響で仮想通貨も全面安。ただし「悪材料出尽くし」の見方も

8月後半のビットコイン/日本円(BTC/JPY)マーケット概況

 8月後半のビットコイン/日本円相場は8月前半から横ばい推移が続いています。ビットコインETF(ビットコインが投資対象に含まれる上場投資信託)への期待感が剥落し、売り買いともに目立った材料に欠ける展開が続きました。

 それでは、具体的な流れを振り返ってみましょう。7月はETF実現による資金流入への期待感から上昇基調にあったビットコインですが、SEC(米証券取引委員会)は8日、CBOE(米シカゴ・オプション取引所)が申請中のETFの可否判断延期を発表しました。これを受け70万円後半で推移していたビットコイン価格は70万円台前半まで下落しました。

 その直後となる10日、トランプ米大統領がトルコから輸入する鉄鋼及びアルミニウムへの関税を引き上げたことをきっかけにトルコリラが急落。リスクオフムードが強まり、世界的な株安につながりました。これに伴い、ビットコインをはじめとした仮想通貨も全面安となりました。一方で、トルコの仮想通貨取引所の出来高が急増。自国通貨の急落を危惧したトルコ国民の買いが続くのでは、との思惑もあり、ビットコインは相対的に底堅い展開となりました。

 新興国通貨安に対しては相対的な底堅さをみせたビットコインですが、仕掛け的な動きには大きく反応しやすく、14日には60万円半ばまで下落する場面もありました。7月下旬同様に、CBOEのビットコイン先物のSQ(日本時間16日午前5時/ SQ=Special Quotationの略。先物・オプション取引で決済最終日までに決済されなかったポジションを清算するための指数)を控え、先物主導の仕掛け的な売りに押され、66万円まで下落しています。

 16日のSQ通過後は目立った材料もなく、71万円を挟んだもみ合いが続きました。
海外取引所ビットメックスが22日午前10時、メンテナンス作業に伴い注文の受付を一時停止。これにタイミングを合わせる形で買いが殺到し、76万円手前まで上昇しました。ビットメックスで積みあがっていたショートポジションの踏み上げを狙ったようです。

 ただ、翌17日、SECはCBOEが申請中のものを除く全てのビットコインETFの否決を発表。これと同時にビットコイン価格は下落し、一時70万円を割り込みました。ただ、これらのETFは、これまでにSECが指摘していた問題点を解決していたとは言えず、否決は概ね織り込み済みだったようで、下落は前日の上昇分の値を消す程度に留まりました。申請中のビットコインETFは一斉に否決されたものの、本命とみられるCBOE版ETFは未だ検討中であることなどを踏まえると、悪材料出尽くしとの見方につながる可能性もありそうです。

■ビットコインの日足チャート

出所:フィスコ作成

BTC/JPYとの相関係数(8月9日~8月23日)

  • ドル/円      △0.43(△0.32)
  • 日経平均    ▲0.05(▲0.05)
  • 金/ドル      △0.20(△0.61)
  • 米10年債    △0.73(△0.49)
  • NYダウ      ▲0.49(▲0.76)

※フィスコ仮想通貨取引所のBTC/JPYの終値ベース
※1~0.7は強い相関あり、0.7~0.4はやや相関あり、0.4~0.2は弱い相関あり
※カッコ内は前回(7月26日~8月9日)のもの

(フィスコ)

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