電鉄、化粧品・・・株主優待付き「インバウンド株」の値下がり理由。ここは買い場?
トウシル / 2019年9月4日 8時4分
![電鉄、化粧品・・・株主優待付き「インバウンド株」の値下がり理由。ここは買い場?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_16244_0-small.jpg)
電鉄、化粧品・・・株主優待付き「インバウンド株」の値下がり理由。ここは買い場?
7~8月にインバウンド・ブームが減速?
最近、株式市場で、*インバウンド関連株の株価が冴えません。今年も訪日外国人観光客数の増加が続き、これからも安定的に成長が期待できるのに、なぜでしょう?
*インバウンド関連株
訪日外国人観光客による日本国内での消費支出を「インバウンド消費」と呼びます。インバウンド消費の増加で恩恵を受ける銘柄を、「インバウンド関連株」と呼びます。
まだ明確に状況が把握できているわけではありませんが、7~8月のインバウンド消費にやや減速感が出ている可能性があります。
6月18日に大阪府北部で起こった地震や、6月28日から7月8日にかけて西日本を中心に集中豪雨による被害が広がったことが、影響しているようです。地震や水害のニュースを見て、一部、日本への旅行にキャンセルが出たと考えられます。最近、関東よりも関西へ旅行する外国人が増えていただけに、大阪の地震や西日本の水害のニュースが影響した模様です。災害だけでなく、8月の猛暑や台風などの天候不順も、旅行ブームに水をさした可能性があります。
また4月以降、人民元(中国の通貨)が日本円に対して9%下落したことも、中国からの観光客の伸びが鈍る要因となっているようです。中国からの観光客は、日本での支出額が一番多いので、人民元の対日本円での動きはインバウンド消費全体に影響を与えます。
伸びは鈍化、ただし訪日外国人観光客数が過去最高を更新
JNTO(日本政府観光局)によると、2018年7月の訪日外国人観光客の数は、前年同月比5.6%増の283万2,000人でした。2017年の訪日外国人が前年比で約2割伸びていたことと比べると、伸び率が鈍っています。
ただし、それでも、7月として過去最高を更新していることは変わりません。訪日外国人観光客の数は、東日本大震災の影響で2011年3~4月に一時大きく減ったことを除くと、過去7年間、一貫して伸び続けています。
訪日外国人観光客数の推移:2011年1月~2018年7月
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/0/3/-/img_03799f187633a2243d4471e4b3dafceb114000.jpg)
国別で一番多いのは中国からの観光客で、前年同月比12.6%増の87万9,100人でした。次に多いのが韓国で、同5.6%減の60万8,000人でした。
訪日外国人観光客数の上位7カ国:2018年7月
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/2/6/-/img_26a8ad4629988e667953f367fa131b8a34676.jpg)
天災の影響は一時的と考える
2018年8月の訪日外国人数(推計値)は、9月19日(水)16時、JINTOが発表する予定です。8月は伸び悩みが予想されます。ただし9月以降、年末にかけて、再び伸びが戻ってくると予想しています。なぜなら、インバウンド・ブームが続く構造要因は、変わっていないからです。
- 日本が観光地として魅力的であること
- アジアで、中間層(富裕層と貧困層の中間にある層)の所得が、海外旅行ができるくらいまで増加してきたこと
- 日本政府が、観光ビザ発給の要件緩和など、海外からの観光客誘致策を取ってきたこと
したがって、今、下落してきているインバウンド関連株は、長期投資で買い場を迎えつつあると考えています。
ちなみに、2011年3月の東日本大震災の後は、外国人観光客の減少が1年あまり続きました。地震後に発生した福島第二原発の事故による風評被害の影響が長引きました。天然災害のみの影響ならば、過去の経験則から数カ月で一巡すると考えられます。
株主優待が魅力的な「インバウンド株」、投資の参考銘柄
インバウンド消費拡大で恩恵を受ける銘柄は、電鉄、小売り、サービス、化粧品トイレタリー、食料品などの産業に多数あります。
これらの産業には、魅力的な株主優待を提供している銘柄が多数あります。インバウンド消費拡大の恩恵を受け、中長期に業績拡大が期待される銘柄の中で、魅力的な株主優待を実施していて、足元の株価が弱含んでいる銘柄を投資の参考銘柄として紹介します。
表の中の「優待内容」をクリックしていただくと、それぞれの銘柄の優待内容をご覧いただくことができます。
株主優待が魅力的な「インバウンド株」投資の参考銘柄
コード | 銘柄名 | 業態 | 優待内容 | 優待実施月 |
---|---|---|---|---|
3048 | ビックカメラ | 家電量販 | 優待内容 | 2月・8月 |
3086 | J.フロントリテイリング | 百貨店 | 優待内容 | 2月 |
4911 | 資生堂 | 化粧品 | 優待内容 | 12月 |
4922 | コーセー | 化粧品 | 優待内容 | 3月 |
9020 | JR東日本 | 電鉄 | 優待内容 | 3月 |
9021 | JR西日本 | 電鉄 | 優待内容 | 3月 |
9022 | JR東海 | 電鉄 | 優待内容 | 3月 |
9142 | JR九州 | 電鉄 | 優待内容 | 3月 |
9201 | 日本航空 | 空運 | 優待内容 | 9月・3月 |
9202 | ANA HD | 空運 | 優待内容 | 9月・3月 |
注:スマートフォンで「優待内容」をご覧になる場合はリンク先をスワイプしてご覧ください
上記銘柄の株価バリュエーション:9月3日時点
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/5/1/-/img_5160a1f02b8b2a9b097f9fa592db53fa76731.jpg)
上記銘柄のコメントは、本レポートの末尾にある▼著者おすすめのバックナンバーを、ご参照ください。
便利な優待検索機能もご活用ください
自分で魅力的な株主優待銘柄を探したい人のために、弊社ウェブサイト内でさまざまな優待銘柄を検索できる機能を充実させました。以下をクリックしていただくと、優待検索のページに移動します。
▼著者おすすめのバックナンバー
2017年12月28日:外国人観光客の増加が止まらない!インバウンド関連株に再び注目
▼他の新着オススメ連載
今日、あの日:関西国際空港が開業【24年前の9月4日】
(窪田 真之)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
世界に押し寄せる「オーバーツーリズム」の津波...観光客数を「制限」する規制も、各国が続々採用
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月25日 17時28分
-
ANA井上慎一社長が訪日客「まだ伸びる」とみる理由 日本の魅力、コロナ禍経て「ぐぐっと広がってきている」
J-CASTニュース / 2024年7月21日 14時30分
-
訪日外国人、6月・上半期ともに過去最高 円安や学校休暇が寄与=政府観光局
ロイター / 2024年7月19日 11時45分
-
セブン&アイ、イオン:コロナ後の成長が見えてきた「小売株」投資戦略(窪田真之)
トウシル / 2024年7月18日 8時0分
-
【無料WEBセミナー】「旅マエから旅アトまでプロモーション事例を学べる!中国SNS、大衆点評を活用したインバウンドマーケティング」を7月10日(水)に開催
PR TIMES / 2024年6月26日 13時45分
ランキング
-
1「なだ万」、オノデラに売却=外食から撤退―アサヒGHD
時事通信 / 2024年7月25日 21時11分
-
2昨年度の郵便事業896億円の営業赤字、前年度の4倍超…封書やはがき減収・集配や運送委託費増
読売新聞 / 2024年7月25日 18時13分
-
3再送-NY外為市場=円が対ドルで一時2カ月半ぶり高値、米GDP受け伸び悩み
ロイター / 2024年7月26日 6時40分
-
4基礎的財政収支が25年度に黒字化、内閣府が試算提示へ…税収増で8000億円程度の黒字見込み
読売新聞 / 2024年7月25日 22時15分
-
5RIZIN「手越祐也の国歌独唱を批判」は失礼なのか 手越が辞退し、選手に批判が集まっているが…
東洋経済オンライン / 2024年7月24日 19時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)