ポンド乱高下。ブレグジットは天国?地獄?今夜BOEは利上げどうする?
トウシル / 2018年9月13日 9時52分
ポンド乱高下。ブレグジットは天国?地獄?今夜BOEは利上げどうする?
本日のレンジ予測
毎ヨミ!FXトップニュース(9月12日)
12日のドル/円の終値は111.25円
前営業日に比べ0.33円のドル安/円高だったので、今朝の天気マークは、「雨」です。
- USD:米国が中国に新たな通商交渉を提案
- EUR:ECB(欧州中央銀行)が今日の会合で景気見通しを下方修正か
- EUR:ユンケル欧州委員長「メイ英首相のブレグジット案を歓迎」
- EUR:ディマイオ伊副首相「イタリアは財政赤字3%の上限を破る必要はない」
- JPY:21日に日米通商協議を再開
- JPY:10月に日中首脳会談を開催予定
- GBP:カーニー・BOE総裁「中国が世界経済のリスクになる可能性」
- CAD:NAFTA(北米自由貿易協定)合意期待が強まり、カナダドルが上昇
主要指標終値
本日の注目通貨
ポンド:期待と失望で乱高下
ポンドはブレグジット関連のヘッドラインで大きく上下しました。(チャート1)
ポンド/円は、ユンケル欧州委員長の発言に反応して145.90円まで跳ね上がったあと144.34円まで大きく下げ、その後アイルランド国境問題の解決期待で145円台後半まで反発。ポンド/ドルは、高値1.3086ドルをつけたあと1.2960ドルまで下落して再び1.3080ドルに戻しました。
英のEU(欧州連合)離脱関連のニュースに振り回されるポンドですが、流れとしてはポンド高に向かっているようです。英国が「ノーディール・ブレグジット(合意のないまま離脱)」を覚悟していたところにEUのバルニエ首席交渉官が「2カ月以内の合意実現の可能性が現実的となった」と発言してからポンドの風向きが急に変わりました。
ただ注意しなければいけないのは、バルニエ首席交渉官が言うのは「離脱」に関する合意であって、「将来のEUと英国の関係」ついて合意するわけではない、ということです。
離脱後はどうするのだと不安になっていたところに、ユンケル欧州委員長がこの日、「英国とEUの将来のパートナーシップについて、メイ首相の提案を歓迎する」と発言したのでポンドが急上昇したわけですが、英国産業にとって最も重要である「単一市場へのアクセス権」については慎重な見解だったことから今度は失望交じりの売りが出ました。
ユンケル欧州委員長が歓迎するとしたメイ首相の「離脱プラン(チェッカーズ合意)」は、英与党の保守党内部に反対者も多く存在しています。メイ首相には外だけではなく内とも戦わないといけないわけで、しブレグジットはまだまだ前途多難です。
今夜はBOE(英国中央銀行)を発表します。政策金利は0.75%据え置かれる見通し。英国経済に目を向けると、労働賃金が伸びない状況下で物価が上昇しているため英国民が節約志向になり、小売売上高が伸び悩むという悪い流れが見えています。ブレグジット後の経済に楽観的になれないことの表れでもあります。
それでもBOEが利上げを続けるのか、その金融政策と経済見通しに注目が集まっています。カーニー総裁は、中国(経済の変調)が世界経済にとって最大リスクのひとつだと警告。貿易摩擦の拡大が英国経済に与える影響を懸念しています。
トルコリラ/円:利上げ期待で上昇
トルコリラ/円は上昇。今月の高値となる17.59円をつけました。(チャート2)
トルコの利上げ期待によるものですが、米国が中国に新たな通商交渉ラウンドを提案するというニュースが新興国市場の緊張感をやわらげたこともあります。トルコの政策金利については据え置き予想から25%に利上げまで様々な観測がでています。利上げしてもその内容によってはトルコリラに失望売りが出ることも考えられます。(詳しくは昨日の記事をご覧ください)
ドル/円:111円前半の取引続く
ドル/円は、東京時間朝に111.65円まで上げて、ほんの僅かながら前日の高値(111.64円)を更新。その後はやる気を失い、111円台前半の取引が続きました。安値は111.11円で110円台入りは回避。(チャート3)
トレード前に必ずチェック!今日発表の重要指標!
13日:BOE政策、トルコ政策金利、ECB政策金利、米CPIなど
◎天気の判定基準とは?
天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。
・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。
・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。
・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。
※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。
※ちなみに2017年は、「晴れ」89日、「雨」90日、「くもり」80日でした。
(荒地 潤)
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