株価上昇に乗り遅れた!ここで買うべき!?鍵は「半分」。まだ間に合う投資戦略
トウシル / 2018年10月5日 7時0分
株価上昇に乗り遅れた!ここで買うべき!?鍵は「半分」。まだ間に合う投資戦略
9月中旬までの軟調な動きが嘘のように、怒涛の上昇を続けた日本株。株価上昇に乗り遅れた個人投資家も多いと思いますが、そんなときの対処法は?
日経平均株価、ついに1月高値更新!
9月28日、日経平均株価は24,286円10銭まで上昇し、今年1月の高値を更新、アベノミクス相場での最高値をつけました。
9月12日には東証1部の年初来安値更新銘柄が300銘柄近く出ていたことを考えると、まさにあっという間に株価が急上昇したことがわかります。
まだTOPIXは1月高値を超えておらず、マザーズ指数に至っては1月高値よりはるかに低い位置にありますが、ひとまず日経平均株価が高値を超えてきたという事実を重要視すべきです。
株価上昇に取り残された個人投資家が続出?
ところが、個人投資家の方に話を聞くと、9月中旬から月末にかけてのこの日本株の上昇局面で、株をしっかりと買い仕込むことができなかった方がかなり多いようです。
確かに筆者自身も、9月12日には非常に弱気のスタンスを貫いていたものの、9月18日には一転して強気のスタンスに変えていましたから、臨機応変に対応しなければ、株価上昇に取り残されてしまうのは仕方ない、とも思います。
でも、株価上昇に取り残されてしまえば、ここから株価がさらに大きく上昇したとしても利益を得ることができなくなってしまいます。
筆者が提唱するキーワードは「とりあえず半分」
ここまで株価が短期間に上昇すると、専門家・評論家の方たちがいろいろなコメントを発してきます。「さすがにそろそろ天井をつけるはずだから今から買うべきでない」とか、「今回の上昇は本物。間違いなく大相場になるから買って買って買いまくるべし」などと、人により発言の内容が全く異なっています。
もし、今の時点であまり日本株を買い仕込めていない方がこのような専門家・評論家のコメントを目にすると、どうしたらよいのか困ってしまうでしょう。専門家・評論家の間でも意見が分かれているのですから。
このようなときは、専門家・評論家のコメントは無視しても大丈夫です。正反対のことを2人の専門家が発言しているのであれば、そのうちの1人は必ず「ハズレ」となります。
専門家のコメントを信じて行動する、というのは、そのコメントと異なる動きになったときに大きな失敗につながる、非常にリスクの高い行為であることを肝に銘じてください。
では筆者ならどうするかといえば、「とりあえず半分」と考えて行動します。
どう転んでもそれなりに納得できるような行動をとる
例えば今回の株価上昇に全く乗れていない、つまり投資可能資金の100%をキャッシュのまま保有している場合、私であればまず半分(50%)については即座に日本株を買い仕込みます。ただし、25日移動平均線からのかい離が大きい銘柄は高値掴みの危険性が高いので買い対象から外します。
そして残り半分は、今後株価が調整局面を迎えて押し目をつけたときに、安いところで買うようにします。
もし今すぐに投資可能資金の100%を使って日本株を買い仕込んだ場合、株価が天井をつけて下落に転じたら大きな損失を被ってしまいます。
一方、押し目を待って安いところで日本株を買おうと考え、現時点では投資可能資金を温存しようとした場合、本格的な大相場となれば押し目らしい押し目がなく株価が上昇してしまい、利益を得る機会を逃してしまいます。
でも、投資資金の半分を買い仕込んでおけば、そこから大相場に発展して押し目がなくとも、投資資金の半分は買えていますから株価上昇による恩恵はそれなりに受けることができます。
もし、今後押し目が到来した場合は、もくろみどおり、その時点で買い増しをすればよいことになります。
逆に株価が押し目ではなく天井をつけて大きく下落したとしても、投資資金の全額を投資している場合と比べて損失は半分に減らすことができます。25日移動平均線を割り込んだら売却するようにしておけば、損失の拡大も抑えることが可能です。
このように、「株価のさらなる上昇」や「株価が天井をつける」との決めつけや予測するのではなく、株価がここからどう動いたとしてもそれなりの対応ができるような行動を取ることが重要です。なぜなら、株価が将来どうなるのかを予測するのは不可能なのですから。
同じ失敗を繰り返さないようにするためには・・・
実は、2012年11月から半年ほど続いたアベノミクス相場初期の大相場の際も、多くの個人投資家はこれに上手に乗ることができませんでした。
株価が突然急騰し、大きな押し目を作らずに上昇を続けていくのを、ただ眺めているしかなかったのです。
なぜこのような失敗をしてしまうかといえば、「どうなったら買うのか」という明確なルールを設定していないからです。そして、株価が上昇局面にあっても「安くなったら買おう」という意識から抜け出すことができないためです。
筆者は以前から、25日移動平均線を明確に超えた時点で個別銘柄の株を買う、というルールを作り、それを実行しています。これにより、今回の株価上昇局面においても、9月19日には日本株の買い仕込みをほぼ完了させることができました。
筆者が今回のような株価上昇を事前に予測していたわけでは決してありません。ルールに従った行動をいつも続けていれば、株価が大きく上昇する大相場が到来したとしても、自然と買い仕込みが実行される、ただそれだけのことです。
過去の日本株をみると、5年に1度程度の頻度で大相場が訪れています。そして大相場にしっかりと乗ることができるかどうかが、投資成績に大きく差がつく原因となります。
今回の上昇に完全に乗り遅れた、という方も、次回以降はしっかりと乗れるよう、買い時についてのルール作りをしっかりと行うようにしてください。
(足立 武志)
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