確認:「ふるさと納税」2018年度の締め切り迫る!手続きは早めが得策
トウシル / 2018年12月4日 7時5分
確認:「ふるさと納税」2018年度の締め切り迫る!手続きは早めが得策
今日は読者から質問が多い「ふるさと納税」について、改めて解説します。2018年のふるさと納税は、基本的に12月末日まで受付ですが、ワンストップ特例申請書の送付締め切りは1月10日必着、つまり年明けすぐです。早めに申し込み、申請を済ませましょう!
増税の足音高まる。使える節税メリットは、使いましょう
今年は、配偶者控除や配偶者特別控除が、高所得者層で廃止・縮小されました。来年10月には、消費税の引き上げ(8%→10%)が予定されています。少子高齢化が進むにつれ、これからさまざまな形で税や社会保障費の負担が引き上げられていく可能性があります。
ささやかな自衛策として、使える節税メリットはしっかり使っていった方が良いと思います。ふるさと納税・iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)・NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)は、人により、使える方と使えない方がいますが、使えるメリットは最大限活用した方が良いと思います。
「ふるさと納税」とは「実質2,000円の負担で応援したい市町村に寄付ができる制度」のこと、返礼品が贈られる魅力も
ふるさと納税は、実質2,000円の負担で、自分が応援したい市町村に寄付ができる制度のことです。年収などの条件によって決まる上限額の範囲内で寄付をすれば、寄付額から2,000円を差し引いた金額だけ、ご自身の納税額(所得税および住民税)が減ります。寄付した自治体から、返礼品が贈られてくる魅力もあります。
たとえば、実質2,000円の負担で6万円まで寄付できる方の場合、6万円を応援したい市町村に寄付し確定申告すると、2,000円を差し引いた5万8,000円【注】だけ、ご自身が納めるべき税金が減ります。6万円寄付すると、5万8,000円分、納税額が減るわけですから、実質2,000円の負担で6万円の寄付を行ったことになります。
【注】「ふるさと納税」を実施し、確定申告を行うと、所得税、住民税(都道府県民税および市町村民税)の納税額が減ります。6万円を寄付した場合、(1)所得税・(2)都道府県民税・(3)市町村民税の納付額の減少額を合計すると、ちょうど5万8,000円となります。
ふるさと納税で寄付を行う自治体の数が5つ以内ならば、ワンストップ特例制度が使える
1年間に「ふるさと納税」で寄付する自治体の数が5つ以内ならば、確定申告をしないでも、ふるさと納税の寄付金控除を受けることができます。それが、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」です。ふるさと納税を行ったら、寄付した翌年の1月13日までに、「ワンストップ特例の適用を受ける申請書」を寄付した自治体に提出する必要があります。
ワンストップ特例を使う場合は、所得税は減りません。住民税だけで、「ふるさと納税額―2,000円」分、納税額が減ります。先に例に挙げた、6万円まで実質2,000円負担で寄付できる方の場合、6万円をワンストップ特例で寄付すると、確定申告しないでも、5万8,000円だけ、ご自身が納める住民税が減ることになります。
なお、ふるさと納税の自己負担額は、何件の自治体に寄付しても、寄付合計が年収などによって決まる上限金額内ならば、1年間に2,000円だけで済みます。
先に例に挙げた、ふるさと納税の寄付金控除を受けられる寄付上限が6万円の方の場合、6万円を1つの自治体に寄付すれば、自己負担は2,000円です。1万5,000円を2つの自治体に、1万円を3つの自治体に寄付すれば、寄付金の合計はちょうど上限いっぱいの6万円となりますが、それでも、自己負担は2,000円で変わりません。
ただし、上限を超えて寄付を行うと、自己負担額が2,000円よりも大きくなりますので注意が必要です。
5カ所に寄付を行えば、5カ所から返戻品が受取れます。ただし、返礼品は受け取らないことも可能です。地震被害にあった自治体への寄付などで「返礼品なし」を選ぶ方もいます。
「返礼品競争」のおかげで、返礼品に磨き。ただし、行き過ぎた高額返礼品には規制が入る可能性も
ふるさと納税をする人は、どんどん増加しています。応援したい自治体に寄付するというよりは、返礼品が魅力的な自治体を選んで寄付するのが、普通となっています。本来の趣旨とは異なるのですが、ふるさと納税=「2,000円のコストで魅力的な返礼品をもらえる制度」と理解している人が増えています。納税の見返りに返礼品を受取れる「節税策」と考えている人もいます。
そのため、SNSで話題になる魅力的な返礼品を出す自治体に、全国から多額の寄付が集まる事例がたくさん出ました。それに伴い、自治体間の返礼品競争も過熱しています。地元の特産品や農水産物の中から、えりすぐったものを、返礼品に使う自治体が増えています。そのおかげで、ふるさと納税をするだけで、全国自治体えりすぐりの特産品をもらうことができるようになりました。
返礼品は、特産品ばかりとは限りません。その自治体への旅行を誘致するために、地元での宿泊券や食事券を出す自治体もあります。全国の自治体が知恵をしぼって、さまざまな返礼品・返礼サービスを競っています。
ただし、ふるさと納税の趣旨に反する、行き過ぎた高額返礼品は、総務省の指導によって、廃止させられる方向にあります。地元産品ではない返礼品も指導の対象となります。指導を徹底させるために、法規制を導入することも検討されています。
「ふるさと納税」最初の一歩!何はともあれ、まず、ご自身の「寄付上限額」を知ろう
年収、家族構成、扶養家族の人数などの条件により、ふるさと納税で自己負担額が2,000円を超えずに寄付できる「寄付上限額」が決まります。その上限額を知らないことには、ふるさと納税は始められません。
まず、以下の楽天ふるさと納税サイトの「かんたんシミュレーター」から、ご自身がふるさと納税の寄付金控除を受けられる「寄付上限額」の目安を、調べる必要があります。
次に、寄付する自治体を選びましょう。ワンストップ特例を使うならば5自治体まで
返礼品が魅力的な自治体、応援したい自治体から選ぶのが良いと思います。楽天ふるさと納税サイトを使えば、気に入った返礼品を、自由自在に検索できます。
同時に、ふるさと納税の寄付金控除を受ける方法を、決める必要もあります。確定申告を行うか、確定申告不要の「ワンストップ特例制度」を利用するか、どちらかです。
確定申告をしたことがない人は、確定申告が不要の「ワンストップ特例制度」を利用したらいいと思います。そのためには、1年間に寄付する自治体を5件以内にする必要があります。
医療費控除や寄付金控除などを受けるために、確定申告をしたことがある人は、確定申告によって、ふるさと納税の寄付金控除を受ければ良いと思います。確定申告するならば、寄付する自治体の件数はいくつでも問題ありません。今年は、確定申告する予定がなく、「わざわざ確定申告するのは面倒」ならば、ワンストップ特例から始めたら良いと思います。
次に、寄付する時期を考えましょう
次に考えるべきは、寄付する時期です。理想としては、1~3月、4~6月、7~9月、10~12月に分散して寄付する方が良いです。なぜならば寄付する時期によって、もらえる返礼品が異なるからです。季節に応じたさまざまな特産品を楽しむことができます。
多数の自治体に時期を分散しないで寄付すると、返礼品が一時期に集中する問題もあります。お米のように保存の効くものならばいいですが、生鮮食料品などは、冷蔵庫に入りきれなくなることもあります。旬のものを旬のときにいただくには、時期の分散が望ましいと言えます。
今年のふるさと納税枠を残している人は、早めに手続きした方が良い
とは言っても、ふるさと納税は、1年単位(1~12月まで)で、寄付上限額を使わなければなりません。まだ、今年のふるさと納税枠が残っている方は、12月31日までにやる必要があります。ただし、年末は少し早めに受付を締め切る自治体もあります。年内、いつまで受け付けているか、確認が必要です。
12月は、ふるさと納税がもっとも集中する時期です。寄付上限までの枠を残したままの人が、駆け込みでふるさと納税をするからです。そのため、人気の返礼品は、早めに品切れになってしまいます。年末のふるさと納税は、早めにやったほうが得策です。
なお、「ワンストップ特例制度」を使って、ふるさと納税を行う方は、来年の1月10日までに、「ワンストップ特例の適用を受ける申請書」を寄付する自治体に提出する必要があります。あまり年末ぎりぎりに寄付すると、ワンストップ特例の適用を受ける申請書の提出が間に合わなくなるリスクもあります。
今年、ふるさと納税を10~12月に集中させてしまった人は、来年からは、ぜひ1~3月・4~6月・7~9月・10~12月に分散して、寄付するように計画しましょう。
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(窪田 真之)
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