「米金利上昇ショック」に「中国景気不安」加わる。9月中間決算はココをチェック!
トウシル / 2018年10月22日 7時54分
「米金利上昇ショック」に「中国景気不安」加わる。9月中間決算はココをチェック!
中国景気への不安から、「中国関連株」が売られる
先週の日経平均株価は、1週間で162円下落し、2万2,532円となりました。先々週、日経平均が1,089円下落したのは、米長期金利の上昇を嫌気したNYダウの急落が原因です。先週は米金利上昇のショック売りが一巡し、日経平均はいったん反発しました。ところが、中国の李克強首相が、中国景気の悪化を認めたと伝わり、上海総合株価指数の下げが加速すると、中国景気に対する不安から日経平均も売られました。
日本株は、長期投資で買い場を迎えていると考えていますが、買いタイミングは慎重に選ぶ必要があります。
日経平均週足:2017年10月2日~2018年10月19日
日経平均は、あいかわらず2つの不安に振り回されて、乱高下しています。貿易戦争がエスカレートする不安と、米金利上昇が世界株安につながる不安です。
10月は米長期金利上昇ショックで世界株安となり、日経平均も売られました。貿易戦争については、「日本にとってそんなに悪い結末にならない」と楽観論も出ていました。ところが先週は、貿易戦争の影響が中国景気に出ているとの見方が広がり、日本株の売り材料となりました。
米中貿易戦争の影響で、中国の民間設備投資にブレーキがかかっている模様です。その影響を受けて、日本の中国関連株の、中国からの受注減速が鮮明になりつつあります。
昨年、日本の産業用ロボットや工作機械に対し、中国から受注が殺到。中国による「ロボット爆買い」と言われる注文が流れ込んでいました。ところが今年は一転して、受注に減速感が出ています。既にその影響が、安川電機(6506)やハ-モニック・ドライブ・システムズ(6324)など、日本の「中国関連・設備投資関連株」に表れています。
NYダウも日経平均と同じ動き
NYダウも日経平均と同じ動きとなっています。
NYダウ週足:2017年10月2日~2018年10月12日
下げ止まらない上海総合株価指数が不安を増幅
米国、日本、中国の株価指数を比較すると、今年は、米国が一番強く、次に日本がしっかりしています。一方、中国株は弱さが目立ちます。上海総合株価指数が下げ止まらないことが、中国景気への不安を高めています。
日米中の株価指数の動き比較:2017年末~2018年10月19日
9~10月は外国人が日本株をあわてて買ったり売ったり、焦点が定まらない
外国人売買に、日本株が翻弄される状況が続いています。特に先物売買に振り回されています。
外国人投資家による日本株の現物・先物買い越し・売り越し状況:2018年9月第1週~10月第2週
9月第1週は、外国人が、現物・先物合わせて1兆577億円も売り越しました。この時外国人は、中国株と同様、日本株にネガティブな投資判断をしていたと考えられます。ところが9月第3週には、外国人は一転して1兆4,702億円も買い越しています。先物で1兆1,932億円も買い越していることが目を引きます。突然、外国人の短期筋が日本株に強気になったと考えられます。日米貿易戦争が、日本にとってそんなに悪い結末にならないとの見方が出てきたこと、円安進展で日本企業の業績改善が見込めることから、「米国株と並び、日本株にも一定のポジションを持つ必要がある」と判断したようです。
ところが、外国人の先物売買は焦点が定まりません。10月第2週(9~12日)にはなんと、1兆4,890億円も売り越しています。9月第3週に買った先物を、損失を出しながら売ったと考えられます。米長期金利上昇・中国の景気不安を受けて、「やっぱり日本株はあまり持つべきでない」と判断が変わったようです。10月3週は、まだ外国人売買のデータが出ていません。
これから始まる9月中間決算に、外国人がどう反応するか注目
日本株の投資判断をどうすべきか、外国人も迷っていると思われます。今後の外国人の日本株売買に大きな影響を与えそうなのが、これから始まる9月中間決算です。
9月中間決算で、今期(2019年3月期)の業績予想引き上げが増えると、日本株の見直しにつながるでしょう。ただし中国景気減速の影響が大きく、円安が進んだ割に業績の上方修正が少ないと、警戒感が広がります。しばらく企業業績から目が離せません。
▼もっと読む!著者おすすめのバックナンバー
10月18日:小売業の中間決算まとめ。上方修正しそうなのは?消費増税の影響は?
10月17日:なぜ今、円高?ドル円を動かす3大要素とは
10月10日:貸株のメリット・デメリット:貸株金利を得られ、いつでも売却可能だが、注意すべき点も
▼他の新着オススメ連載
今日のマーケット・キーワード:『FOMC議事要旨』、緩やかな利上げを継続へ
今日、あの日:キューバ危機【66年前の10月22日】
(窪田 真之)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
強すぎる米国株に付いていけない日本株。エヌビディア決算は期待上回れず
トウシル / 2024年11月25日 12時10分
-
相場展望11月25日号 米国株: 米国株は主役交代、半導体関連⇒景気敏感株・中小型株へ 日本株: 日経平均最高値更新のため、高度成長産業に取組み企業育成 中間配当金の株買いを狙い、海外短期筋も買い転換か
財経新聞 / 2024年11月25日 10時58分
-
NYダウ最高値だが製造業は世界的に不振、年末対策は?(窪田真之)
トウシル / 2024年11月25日 8時0分
-
日経平均:上値を重くする四つの強弱材料を分析(窪田真之)
トウシル / 2024年11月18日 8時0分
-
相場展望11月14日号 日本株: 「トランプ・トレード後に」備えよう、米国は金利高・インフレ再燃へ
財経新聞 / 2024年11月14日 10時21分
ランキング
-
112月の電気代、大手9社で値下げへ 1月からは補助金も再開
日テレNEWS NNN / 2024年11月28日 15時14分
-
2ダイハツ 軽トラ「ハイゼット トラック ローダンプ」約5千台リコール届け出
ABCニュース / 2024年11月28日 15時44分
-
3ヨーカ堂買収、争奪幕開け 入札に住商や米ファンド
共同通信 / 2024年11月28日 22時9分
-
4東京4位、日本から4都市 世界都市ランキング100
共同通信 / 2024年11月28日 14時52分
-
5業績悪化のユニチカ、上埜社長ら全取締役が辞任へ…ガバナンス強化に向け新体制へ
読売新聞 / 2024年11月28日 18時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください