運用者の視点:『広深港高速鉄道』が開通
トウシル / 2018年10月25日 5時0分
運用者の視点:『広深港高速鉄道』が開通
<今日のキーワード>
「マーケット・キーワード」では、弊社のアジア株式運用者が運用業務を通して気付いたり、見出したことを“運用者の視点”として定期的にお届けしています。急速かつダイナミックに変革が進む、中国・アジア地域の経済やマーケットの“今”を、独自の視点でお伝えできれば幸いです。今回は、9月23日に開通した、香港と中国広東省の広州市を結ぶ『広深港高速鉄道』についてです。
【ポイント1】香港と中国本土の高速鉄道が接続
香港と中国広東省の広州市を結ぶ、『広深港高速鉄道』が9月23日に開通しました。これにより、香港は中国本土の25,000㎞におよぶ高速鉄道ネットワークに接続され、香港側の西九龍駅を起点に深セン、広州を経由して、北京や上海など中国各地の44の駅と乗り換えなしで結ばれることになりました。香港側の運営を担う香港鉄路(MTR)によると、香港区間で時速200㎞、中国本土区間は最高350㎞で運行し、これまで在来線で2時間前後かかっていた香港-広州間は最短47分になります。
【ポイント2】地域発展計画の中心プロジェクト
『広深港高速鉄道』は、2018年3月の全人代(全国人民代表大会、国会に相当)にて重要な地域発展計画に位置付けられた「グレーターベイエリア構想」の中心プロジェクトです。この地域には、世界の金融センターの1つである香港や、ハイテク企業など新興産業が集まる深セン、自動車などの大型製造業や輸出産業が集積する広州、観光都市のマカオなどがあります。「グレーターベイエリア構想」の目的は、都市間の連携を強めて産業の集積と高度化を進め、東京やニューヨークなどに匹敵する経済圏として発展させることです。
【今後の展開】観光産業に加え、幅広い産業への波及効果を期待
『広深港高速鉄道』開通の効果は、早くも観光面で確認されています。先日、中国のオンライン旅行代理店最大手のシートリップ社が発表した中国国慶節期間の人気旅行先ランキングによると、かつての爆買いブームが去り、中国人観光客の存在感がやや低下していた香港が、タイ、日本に続いて第3位と前年の6位からランクアップしました。
今後は観光産業にとどまらず、域内の不動産業や金融業、製造業など幅広い産業への波及効果も注目されます。「グレーターベイエリア構想」の前進は、息の長い投資テーマとして投資家の評価が高まっていく可能性があります。
(三井住友アセットマネジメント)
この記事に関連するニュース
-
中国高速鉄道で黒字なのは6路線のみ―香港メディア
Record China / 2024年5月10日 8時0分
-
アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への顧客流出深刻
ロイター / 2024年5月5日 8時18分
-
中国人が香港経由で日本へ、その理由は―香港メディア
Record China / 2024年5月2日 16時0分
-
出入国(境)関連の新措置6項目を発表、一般旅券の再発行は一部完全オンライン化―中国
Record China / 2024年5月1日 0時0分
-
【キャセイ】キャセイカーゴ、香港国際空港の「2023年 世界で最も貨物取扱量が多い空港」13度目の首位獲得を祝福
PR TIMES / 2024年4月27日 15時40分
ランキング
-
1年賀状は過去最大17%減、2023年度の引受数…「ゆうパック」はヤマト運輸と協業で増加
読売新聞 / 2024年5月11日 20時22分
-
23期連続減益に沈むヤマト「強気計画」に漂う暗雲 2024年度は荷物量回復で巻き返しを図るが
東洋経済オンライン / 2024年5月11日 7時30分
-
3「日本国債」の紙くず化がとまらない…雪だるま式「借金地獄」から日本が抜け出せない根本原因【経済のプロが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月11日 11時15分
-
4ヨーカドーの跡地が「世界最大級の無印良品」に…過疎地の商業モールを復活させた「社会的品揃え」の魅力
プレジデントオンライン / 2024年5月11日 9時15分
-
5話し下手でも今日からできる「おもしろい話し方」 どんなに頑張っても「ウケない」人の最後の秘策
東洋経済オンライン / 2024年5月11日 17時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください