株式投資。下落後の急反発!リバウンド狙いの注意点
トウシル / 2018年11月8日 9時6分
株式投資。下落後の急反発!リバウンド狙いの注意点
10月下旬までの下げが嘘だったかのように急速に反発する日本株。リバウンド狙いで短期間に大きな利益を得ようとする個人投資家の方も少なくないようですが、リスクはないのでしょうか?
高いところから落としたボールは跳ね返る
激動の10月相場が終わりました。個人的には信用取引をしている個人投資家の投げ売りをあまり実感できなかったため、「もう少し下がるかな」と思っていましたが、結果的には10月30日の寄り付きで底打ちしました。その後は今までの下げは何だったのか、というほどの急反発です。
この急反発を狙った「リバウンド狙い」という戦略があります。アグレッシブな個人投資家の方は、今回もリバウンド狙いにより短期間で利益を得たようです。
リバウンド狙いが有効なのは、「高いところから落としたボールは跳ね返る」、つまり大きく下落した株価は底打ちすると反発する、という経験則があるからです。
今回も、日経平均株価の場合は1カ月足らずで株価がおよそ3,500円値下がりでしたので、その反動が10月30日以降に起きたとみるのが自然です。
どこで底打ちするか分からないのが最大のリスク
リバウンド狙いは、成功すれば確かに短期間に大きな利益を狙えますが、当然失敗することもあります。
リバウンド狙いの最大のリスクは、どこで底打ちするか分からないということです。
今回は、10月30日の寄り付き近辺が底になりましたが、それより前の25日、26日、29日当たりに買った人も多かったと思います。今回はリバウンドの幅もスピードも大きかったため、1~2日底打ちからずれても事なきを得ましたが、大してリバウンドせずに再び底割れすることも珍しくありません。
リバウンド狙いは、「そろそろ下げ止まるはず!」と下降トレンドの最中に買い向かう逆張りです。したがって、意に反して買った後も下落が続いた場合、しっかりと損切りを実行しなければ、リバウンドを狙ったはずが多額の含み損を抱える結果となりかねません。
筆者がリバウンド狙いをしない理由は?
筆者は基本的にはリバウンド狙いはしません。短期間でのリバウンドをしている間、株価は25日移動平均線より下に位置していることがほとんどだからです。
実は筆者も以前は、リバウンド狙いをしていた時期がありました。株価の値下がりが進んでくると、25日移動平均線からのマイナスかい離率が大きい銘柄を探し、買い時を計っていました。
でも、上手く行くこともあれば、失敗することもあり、トータルでみるとそれほどプラスにはなりませんでした。リバウンド狙いが失敗すれば、株価はさらに大きく下がることになるため、速やかに損切りすることが求められます。精神的に疲れるだけであまり実りが多くないと感じ、最近は手掛けていません。
とにかく、リバウンド狙いは1にも2にも「いつ買うかが命」です。買う時期が1日ずれただけでも10%程度の損失は簡単に生じてしまいます。個人的には、リバウンド狙いで成功する買い時は「半日~1日」しかないと思っています。
リバウンド狙いの失敗を長期投資に置き換えない
個人投資家がよくやってしまう失敗が、リバウンド狙いで買ったつもりがさらに株価が値下がりしてしまったので、長期投資に切り替えてしまうというものです。
これは、積極的に長期投資に切り替えるというよりは、損切りをしたくない、もしくはできないため、仕方なく保有を続けるというケースが多いと思います。
しかし、そもそもリバウンド狙いという「短期投資」の目的で株を買ったわけですから、それが失敗したならば速やかに損切りをしなければなりません。
個人投資家が失敗してしまう大きな理由が、「この株は短期間に上昇しそうだ」と考えて買ったものの意に反して下落してしまい、「持ち続けていれば上がるだろう」と持ち続けてしまうことなのです。
もちろん単なるリバウンドではなく、保有を続けた結果、中長期的な底打ちを達成し、株価が上値を追うという展開になるケースももちろんあるでしょう。でもそれはたまたま運が良かっただけです。そんなことはいつまでも続くわけがありません。
長期下落相場であれば、株を保有すればするほど値下がりし、損失が膨らんでしまうのも事実です。
今回の下げ幅くらいでは底打ちしなかったケースも数多くある
短期投資と長期投資とでは、投資対象とすべき銘柄も、売買のタイミングも全く異なります。短期投資をして上手くいかなかったのなら、速やかに損切りして撤退すべきです。
筆者は今までに数多くの個人投資家とお会いしていますが、この失敗により含み損を抱えた塩漬け株を大量に保有して身動きが取れない、というケースを数多く見てきました。
個人投資家のツイッターやブログなどで「リバウンド狙い・大成功!」とか「リバウンドを取るなんて楽勝!」などと書かれているのを見て、「私も簡単にできそう」と思う方も多いようです。
でも、長年株式投資を経験している筆者からみれば、10月30日の寄り付きに底打ちをして急反発したのは結果論であり、あの程度の下落では下げ止まらずさらに大きく下げ続けたケースも何度も経験しています。
2016年1月~2月の急落も、一旦リバウンドで反発しましたがその後再び底割れし、数多くの個人投資家が甚大なダメージを受けたのは記憶に新しいところです。
特に、会社員の方など、昼間仕事をしながら株式投資をしている人がリバウンド狙いの投資をすると、仕事中株価が気になって仕方ないはずです。
リバウンド狙いは、デイトレードや短期投資をする方には絶好の狙い目かも知れませんが、株価のトレンドに反した逆張りです。トレンドに従った中長期投資を行うのであれば、リバウンド狙いは無視して、いつものルール通りに売買すればよいと思います。
(足立 武志)
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