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円相場のランダムなうねりをとらえる逆張り手法

トウシル / 2018年11月15日 17時6分

円相場のランダムなうねりをとらえる逆張り手法

円相場のランダムなうねりをとらえる逆張り手法

ポンド/円とユーロ/円の逆張り取引が好調

 ポンド/円、ユーロ/円の逆張り取引が好調である。筆者はストキャスティクスのループを見ながら売買しているだけだが、動かない今の為替相場では有効にワークしている。ストキャスティクスの動きを見ていればいい簡単な売買手法である。

 米中貿易戦争、イタリアの政局、ブレグジットの材料に一喜一憂する展開が続いているが、どれもらちが明かない材料ばかりである。円相場はいましばらくレンジ相場が続きそうだ。

ポンド/円(日足)

上段:逆張り売買シグナル・ボリンジャーバンド(20)±2シグマ
下段:ストキャスティクス5.3.3・ADX(14)
出所:楽天MT4・石原順インジケーター

ユーロ/円(日足)

上段:逆張り売買シグナル・ボリンジャーバンド(20)±2シグマ
下段:ストキャスティクス5.3.3・ADX(14)
出所:楽天MT4・石原順インジケーター

 

ドル/円(日足)

上段:逆張り売買シグナル・ボリンジャーバンド(20)±2シグマ
下段:ストキャスティクス5.3.3・ADX(14)
出所:楽天MT4・石原順インジケーター

 

 逆張り取引で成功するには、

  1. トレンドが発生しにくいコンディションの銘柄(通貨ペア)を取引すること
  2. ADXというテクニカル指標を使い、方法性のあるトレンド相場と方向性のないランダム相場を認識する
  3. システマティックな損切り注文を置いておく

 という3点が重要である。

 逆張りは相場に逆らってポジションをとる売買手法であり、ストップロスを置かないと大きな損失を被る可能性がある。それらに十分留意したうえで、トレードしていただきたい。逆張り取引は、あらかじめストップ注文を置いておくか、最悪でも「間違ったと思ったら直ちに損切りすること」が重要である。

 

米国株市場の急落は夢を買う相場から業績相場に移る過程の調整

11月1日のレポート(「米国株はたった5銘柄の成績!?FAANG銘柄の最後のとりで・アップル株」)で注目していたアップル株がついに崩れだした。11月12日の相場では、アップルがiPhoneの販売減速懸念から急落、NYダウは602ドル安、ナスダックは206ポイント安と大幅下落となった。

アップル(日足) 順張り手法「標準偏差ボラティリティトレードモデル」

上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ
中段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:売買シグナル 買いトレンド=グリーン・売りトレンド=オレンジ
出所:パンローリングカスタムチャート

ナスダック先物(日足) 順張り手法「標準偏差ボラティリティトレードモデル」

上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ
中段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:売買シグナル 買いトレンド=グリーン・売りトレンド=オレンジ
出所:パンローリングカスタムチャート

アマゾン(日足) 逆張り手法「ATRチャネルトレードモデル」

上段:ATRチャネル・逆張りシグナル
下段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
出所:パンローリングカスタムチャート

 

 ハイテク株も夢を買う相場から業績相場に移行したと申し上げているが、フェイスブックが安定的に下げているのがその証左である。

フェイスブック(日足) 順張り手法「標準偏差ボラティリティトレードモデル」

上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ
中段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:売買シグナル 買いトレンド=グリーン・売りトレンド=オレンジ
出所:パンローリングカスタムチャート

 

 一方で、最近の急落相場でもP&Gやジョンソンエンドジョンソン株はビクともしていない。株式市場はこの先の不景気を見据えて、不景気に強い生活必需品関連のキャッシュフローのよい銘柄にシフトしているのだ。だから、米国株市場の急落はパニック的な危機相場ではなくて、バブル相場から業績相場に移る過程の調整なのである。

P&G(日足) 順張り手法「標準偏差ボラティリティトレードモデル」

上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ
中段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:売買シグナル 買いトレンド=グリーン・売りトレンド=オレンジ
出所:パンローリングカスタムチャート

ジョンソンエンドジョンソン(日足) 順張り手法「標準偏差ボラティリティトレードモデル」

上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ
中段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:売買シグナル 買いトレンド=グリーン・売りトレンド=オレンジ
出所:パンローリングカスタムチャート

 

ドル安が次の危機のトリガーであって、まだカネ余り相場が続いている

 今年の1月にダブルライン・キャピタルで最高投資責任者を務める新債券の帝王ジェフリー・ガンドラックは、「金利急騰とドル安が財政赤字拡大とともに起こるのは危険なカクテルであり、1987年のブラックマンデー相場を想起させる。今年の相場の成功にとって重要なのは、2017年に相場が熱狂の局面に入ったことを理解することだ。S&P500が今年下がるとの自分の考えは、10年債利回りが3%を上回って加速し始めれば、極めて強い確信となる」とコメントしていた。

 トランプ米大統領の経済政策は短期的な経済的効果や株高効果をもたらしている。しかし、それは米政府の財政赤字を急増させることになるだろう。赤字拡大と金利上昇とドル安という危険なカクテルには気をつけなければならないが、まだドル安にはなっていない…。ドル安とともにインプレをプッシュする原油相場も急落中だ。適温ではなく多少熱っぽいが、まだゴルディロックス相場環境なのである。

ドルインデックス先物(日足)

出所:石原順

NY原油先物(日足) 順張り手法「標準偏差ボラティリティトレードモデル」

上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ
中段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:売買シグナル 買いトレンド=グリーン・売りトレンド=オレンジ
出所:パンローリングカスタムチャート

(石原 順)

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