人気投資ブロガー・吊ら男さん中編:「ズボラ式」アセットアロケーションとは?
トウシル / 2018年11月28日 12時51分
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人気投資ブロガー・吊ら男さん中編:「ズボラ式」アセットアロケーションとは?
人気ブログ『吊られた男の投資ブログ(インデックス投資)』を運営する吊ら男さんインタビューの中編をお届けします。今回は実際にどんなファンドを所有し、どのようなタイミングで追加購入しているのかを聞きました。
細かい配分は気にする必要なし。適度に分散すればOK!
──インデックスファンドは買ったら持ちっぱなしでいいので「ズボラ投資」に向いている。前回、そうしたお話を伺いましたが、実際、今はどんなファンドを保有されているんですか。
もちろん基本は分散投資です。具体的には日本株、先進国株、新興国株の3つに分散しています。
──投資を始めたときからその3つ?
最初は日本株、先進国株、新興国株に加えて先進国債券のファンドを持っていました。それと、当時はまだ新興国株のインデックスファンドがなかったため、新興国に限ってはアクティブファンドをあてました。インドにブラジル、トルコ、それからBRICSのアクティブファンドです。どれも新興国のインデックスファンドが発売されたときに売却しましたが。
──国際分散投資を行う場合、それぞれどれくらいの比率で保有するかの資産配分いわゆる「アセットアロケーション」が重要になります。そこはどうされているんですか。
最初は先進国債券を含めて4種類でしたから、すべて均等に25%ずつ保有していました。今は日本株3、先進国株4、新興国株3という割合です。3分の1ずつでもいいんですが、足すとピッタリ10になるほうがスッキリするかなと。
──その辺りも「ズボラ」なんですね?(笑)
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正直、比率にはあまりこだわっていません。そもそも私がなぜ分散投資にこだわるのかというと「将来のことなんかわかりっこない」という思いがあるからです。専門家の方々がいろいろなデータをもとに将来予測を行っていますが、20年、30年先のことを正確に予測するのはどう考えても不可能です。
例えば日本は人口が減少するから株価の上昇は期待できないという人もいますが、それだってどうなるかは分かりません。誰も予測できないようなことが起こり、投資環境が一変することだってありうるわけです。だとしたら「1:1:1にしようか3:4:3にしようか」などと悩んでも仕方ないだろうと。
──つまり、偏った配分にしなければそれでいいと?
そう、どのみち正解はないのですから、自分の好きなように配分すればいいと思います。
手数料も積もれば山となる。コストを軽視するべからず
──ほかにファンドを選ぶうえでこだわりはありますか。
できるだけ信託報酬が安いファンドを選ぶということですね。信託報酬はファンドを保有している間、支払わなければなりませんから、とくに長期間保有する場合はしっかりチェックする必要があります。ヘタをするとリターンがあっても信託報酬で相殺されるなんてことになりかねません。
──インデックスファンドの手数料は年々下がっています。今持っているファンドより信託報酬が安いファンドが発売されるということもあると思うのですが、その場合は乗り換えるのですか。
基本的には乗り換えます。ただ、どこか1社が信託報酬を下げると他社も追従するケースが多いんです。そのため、結果的には乗り換えないということもよくあります。それと、新しいファンドに乗り換える場合でも、もともと持っていたファンドを売却しないことも多いですね。
──そうなんですか。
売却すると税金がかかりますよね。それを考慮すると多少、信託報酬が高くても持っていたほうがトクだったりするんです。もちろん追加購入はしませんが。
──売却して信託報酬の安いファンドを買えば信託報酬の支払いは少なくなるが、売却時に支払う税金を加味すると、必ずしもトクとは限らないということですね。
その通りです。
──そうなると同一指数連動のファンドを複数持つことになりますよね。
古いファンドを売却しないわけですから当然そうなります。実際、投資対象は日本株、先進国株、新興国株の3つですが、ファンド数でいうと10種類を超えます。
■吊ら男さんが所有するファンド一覧
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──たくさんファンドを持っていて不都合はないのですか。
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いや、特にないですね。強いて言えばブログに公開している収支の計算が少し面倒なくらい(笑)。
──では、これからも保有し続ける?
国が景気対策などで税制優遇措置を設けることがありますよね。「今年度に限って500万円までは税金を免除します」なんてことがあるかもしれない(笑)。その時はまとめて売却するかもしれません。
生活費やレジャー費を抜き、残った分を投資に回す
──購入タイミングについてお伺いします。インデックス派には、毎月一定額を積み立てるという方法を取っている人も少なくありませんが、吊ら男さんは?
私の場合、いつ購入するかは決めていません。月々の給与や賞与の中から生活費やレジャー資金などを抜き、残った分を投資に回すという感じです。
──毎月購入されている?
いや、そうとは限りません。思わぬ出費が重なって1円も投資に回せない月もあります。実は今年は両親に海外旅行をプレゼントしたりしたので、あまり入れていないんです。例年通り、年間200万円程度は入れたいと思っているのですが、もう年末ですし、今年はちょっと無理そうです(笑)。
──それはそれで仕方ないと?
そもそもなぜ私が積み立てにしないかというと、お金の使い道を投資ありきにはしたくないからです。毎月、積立額を決めると、当然、残った分しか使えなくなるわけですよね。もちろん、いざとなれば積み立てたファンドを切り崩す手がありますが、それはできる限り避けたいですし。だから、積み立てにするとどうしても日々の暮らしが窮屈になります。例えばたまたま家族全員休みが取れて旅行に行けるようなときでも「積み立てがあるから我慢しよう」となってしまう。それは本意ではないんです。
──前回、投資のために自分の時間を犠牲にしたくないとおっしゃられましたが、それと一緒ですね。
将来のためにお金を残すのは大事ですよ。でも、そのために日々の暮らしを楽しめなかったら本末転倒ではないでしょうか。
──今、吊ら男さんは日本株3、先進国株4、新興国株3の割合で投資していますよね。お金に余裕ができたらそのうちのどれかを追加購入するわけでしょうが、どれにするかはどうやって決めるのですか。
これはもう単純です。それぞれ運用成績が違うわけですから、実際には3つの比率は日々変動しています。日本株の価格が下がれば、日本株の割合が減るため、それを追加購入することによって調整するというのが基本です。つまり、日本株が安くなったら日本株を買い増して3に近づくようにするわけです。
──世界情勢を見て新興国株が上がりそうだから新興国株を増やすとか、そういうことはされないのですか。
そんな面倒なこと、するわけないじゃないですか(笑)。株式市場がどうなろうと、ただひたすら3:4:3を保持するだけです。
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──つまり、目先のことは考えない?
そういうことです。大事なのは20年後、30年後資産がどうなっているかです。今の時点で新興国株が上がろうと下がろうと、正直どっちでもいいわけです。
──では、次回はそのあたりのことを詳しくお聞きします。
読者へメッセージ
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チョーシにのらない
相場が好調で資産が増えていると、つい「投資資金を増やせばもっと儲かる」という考えになりがちです。そういう時こそ一休み。次に下げ相場が来るかもしれません。リスク取りすぎ注意です。
後編『インデックス投資を始めるうえで知っておきたいこと』へ続く!>>
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(トウシル編集チーム)
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