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足立流!株の売買ポイント:損切り、逆指値、ポジション管理

トウシル / 2018年12月6日 12時4分

足立流!株の売買ポイント:損切り、逆指値、ポジション管理

足立流!株の売買ポイント:損切り、逆指値、ポジション管理

 少し落ち着いた感もある日本株。しかし上昇が長続きしない状況が続いています。こうした中で筆者がどのような点に気を付けて株を売買しているかをお伝えします。

 

どうなったら株を買うのか?

 11月の終盤になり、ようやく日本株も落ち着きを見せてきました。一時は大部分の銘柄が25日移動平均線を割り込む下降トレンドでしたが、今は25日移動平均線を超え、かつ値上がりを続けているような強い銘柄も目立つようになっています。

 筆者の投資手法は非常にシンプルで、あらかじめ投資候補として日々ウォッチしている銘柄が25日移動平均線を超えたら新規買いする、というものです。

 

株を買った後、値下がりすることを常に想定

 でも、単に25日移動平均線を超えたら何でも買いにいけばよいか、というとそうではないのが今の日本株の難しいところです。

 ここ最近は、せっかく上昇トレンドになったと思ってもすぐに株価が値下がりして下降トレンドに逆戻りしてしまうケースが非常に多いです。こうなると損切りして、損失拡大を回避せざるを得ません。

 しかし、1回の損切りでの損失は小さくとも、それが積み重なるとそれなりの金額になってしまいます。
 かといって、実際に株価が上昇を続けている強い銘柄も少なくないので、株価下落を恐れて「今は全く買わない」と決め打ちするのも勇気がいります。

 そこで、株を買った後、すぐに値下がりすることを想定し、筆者は25日移動平均線からのプラスかい離率が小さい銘柄しか買わないようにし、損切りも25日移動平均線を少しでも割り込んだらすぐ実行してしまいます。

 具体的には、25日移動平均線からのプラスかい離率が2%程度、高くても4%程度の範囲にある銘柄しか原則として新規買いしないようにしています。そして、25日移動平均線からのマイナスかい離率が1%に達したら売却しています。

 25日移動平均線からのプラスかい離率が7%のところで買ったもののすぐに下落し、25日移動平均線からマイナス3%のところで損切りとなると、損失率が10%に達してしまいます。
 でも、プラスかい離率2%で買い、マイナスかい離率1%で損切りすれば、損失率は3%で済みます。

 株価が急に上昇して25日移動平均線からのプラスかい離率が5%を超えてしまった銘柄については、買うことを諦めています。利益を得ることより余計な損失を増やさない方が今は大事と考えているからです。

 

逆指値注文も有効に活用

 とはいえ、「この株は上昇トレンドになったらぜひ買いたい」と思っていた株が突然急上昇し、25日移動平均線からのプラスかい離率が5%、10%にも達してしまうこともあります。筆者としては買いたかった株が買えず、なんとも悔しい思いをしてしまいます。

 そこで筆者は、思い入れの強い銘柄については、25日移動平均線からプラス2~3%程度の水準に、逆指値の買い注文を入れておきます。こうすれば、仕事をしていて株価を見ることができない昼間に株価が急上昇したとしても、逆指値にヒットして買うことができます。

 もしくは、昼休みに株価をチェックすることができる方であれば、午前中の時点で移動平均線を明確に超えていたならば、翌日を待たずに後場の寄り付きなどで買ってしまう戦略もあります。後場に株価が崩れたら損切りしなければならないなどのリスクもありますが、そのまま後場や翌日以降も順調に株価が上昇するなど、良い結果につながることも多いです。

利益確定をどうすべきか?

 もう一つ、筆者を最近悩ませているのが、「株価がせっかく25日移動平均線を超えて上昇してもすぐ伸び悩み、25日移動平均線を割り込んでしまう」ことです。
 イメージとしては、買った後、株価が10%、20%と上昇したもののそこで反落し、25日移動平均線を割り込んでしまったため、結局は利益どころか損切りで終わってしまうという形です。

 株価が25日移動平均線を超えて上昇を続ける期間が長ければ、その後25日移動平均線を割り込んでから売却しても、大きな利益を得られることができます。
 しかし最近は上昇期間が短いので、25日移動平均線を割り込むのを待ってから売却すると、全くと言ってよいほど利益が得られないのです。

 そこで、まだ株価が上昇トレンドの途中であっても、伸び悩みのリスクを考慮して買値から10%、20%程度の利益が得られた時点で売却してしまうという方法もあります。

 この方法は、株価が上昇している期間が短い下げ相場であれば有効です。しかし、株価上昇が長期間続く大相場となった場合は、売却した後、株価がさらに2倍、3倍と大きく上昇してしまうのを取りこぼしてしまうことになります。

 保有し続けることでせっかくの利益がなくなってしまうリスクと、大きな利益を取り損ねるリスク、どちらのリスクを重要視するかで売り時の方針を決めるようにしてください。
 筆者は今のところ、上昇トレンド途中で小さい利益で売却する方法は基本的に取ってはいません。しかし今後の株価の動きによっては、真剣に検討せざるを得ないと感じています。

 

ポジション管理で過剰なリスク回避を

 筆者が重視しているのが、ポジション管理による過剰なリスク回避です。上昇相場が長く続かず、すぐ腰折れしてしまうと、保有していた株も値下がりし、損切りを余儀なくされることが増えてきます。

 こんなとき、例えば投資可能資金のほぼ100%に近いような強気のポジションを取っていると、損切りによる1銘柄当たりの損失は大したことないものの、それが大量に発生することで無視できない金額になってしまいます。急速に株価が下落するようなケースだと、損切りの合計が10%にも達してしまう可能性もあります。

 でも、株式への投資を投資可能資金の30%に抑えておけば、突然の急落により損切りが10%に達してしまうとしても、総資金からみれば30%×10%=3%の損失にとどめることができます。

 筆者のブログでは、筆者が投資可能資金のうちどの程度の金額を株式に投資しているかを示す「ADA指数」を公表しています。11月末時点でADA指数は34.5%となっていて、これは投資可能資金のうちの34.5%を株式へ投資していることを表します。

 筆者としては、ほぼ全ての銘柄が上昇トレンドにあるような、明らかに強い相場環境にならない限りは、ADA指数の上限は50%、つまり投資可能資金のうち多くても50%分しか株式に投資せず、残り50%はキャッシュを温存する、という戦略を取っています。

 今は、世界的に株価の動向が不透明なため積極的に買いに行くのはリスクが高い一方、株価がしっかりと上昇を続けている強い銘柄も少なくないという、非常に悩ましい状況にあります。

 こんなときは、無理のない範囲で株式へ投資し、株価が上振れしても多少は利益が得られるのでよし、下振れしても損失を小さく抑えられるのでよし、という考えを持つようにしています。ここから株価がどう動いても致命的なダメージを負わないようにしておくのがよいと思います。

(足立 武志)

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