「休戦」効果早くも消える? NY株暴落、ドル/円は112円台へ
トウシル / 2018年12月5日 10時43分
「休戦」効果早くも消える? NY株暴落、ドル/円は112円台へ
本日のレンジ予測
毎ヨミ!FXトップニュース(12月4日)
4日のドル/円の終値は112.78円
前営業日に比べ0.82円のドル安/円高だったので、今朝の天気マークは、「雨」です。
各国・各通貨トピックス
ダウ平均株価、一時800ドルを超える急反落。
米国市場休場のため、今夜のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演はキャンセル。
米国市場休場のため、今夜の*ADP雇用統計は明日に延期。
民主党のバイデン前大統領が次期大統領選の出馬を表明。
メイ政権に閣外協力するDUP(民主統一党)が野党労働党と手を組む可能性。
英国の離脱撤回にEU(欧州連合)の同意は不必要、EU法務官が仮判断。
追加関税猶予期間の終了日である3月1日のオプションが高値で取引。発動を予想か。
*ADP雇用統計=ADP社のデータを利用した、全米の非農業部門雇用者数の予測統計
主要指標終値
本日の注目通貨
ドル/円:ドル/円下落、112円台へ
火曜日のドル/円は大きく下落。高値は東京時間朝の1ドル=113.65円まで。その後は下げる一方で、1週間ぶりの112円台に入るとNY時間には112.58円まで下げました(チャート1)。
貿易戦争の拡大が「リスクオフ」で株が売られて円が買われるならば、休戦になれば、株高、円安になるはず。しかし、NY株式市場とドル/円は逆の動きをしました。
なぜでしょうか?米中のデタント(緊張緩和)は、米国よりもそれ以外の国々の経済成長にプラスになるという見方から、中国と通商関係の深い豪ドルやユーロが買われてドルが売られたというのがひとつの理由です。
また追加関税については今のところ猶予期間を伸ばしただけで、抜本的解決につながるような具体案も示されていません。米中首脳会談の結果がこうなることはすでに見通されていて、ポジションを仕込んでおいたトレーダーは「セル・ザ・ファクト(事実で売る)」に動いたとも考えられます。本日(5日)がブッシュ元大統領を追悼して米国株式市場が急きょ休場になったこともポジション調整を急ぐ理由になったようです。
ドル/円は113円台後半までは比較的スルスルと戻るのですが、それから先がかなりの難所となっています。上は114.05円。下は112.30円、それが抜けたら111.75円がサポート。
ポンド/ドル:乱高下続く
ポンドは大きく上下した挙句、結局下落。英国がノーディール・ブレグジット(合意なき離脱)になった場合でも、リスボン条約50条に基づき英国はEU加盟国の同意なしに、離脱手続きをくつがえすことが可能だと、EU法務官が仮判断しました。これがポンドにとってリスクオンだとして、ポンド/円は1ポンド=144.76円まで上昇。ただ、英国側が50条を利用することはないと否定したため売り戻されて、逆に142.85円まで大きく値を下げました(チャート2)。
50条がこのように解釈されるとなると、たとえばイタリアに限らず、反ユーロ派が政権をとった国では簡単にユーロ離脱を宣言できることになります。離脱すると騒いで、期限直前になって「やっぱり、やめるのやーめた」といえば勝手に戻ってくることができるからです。ユーロの結束が失われるリスクがあります。
また、この日、メイ政権は離脱案に関する法的助言の概要を公表したのですが、内容の一部のみの公表にとどめたことが議会を怒らせることに。この行為は議会侮辱罪であるとの判断になり、メイ英首相にとっては離脱案の議会採決を前に大きな痛手となりました。これも、ポンド売りの材料になった模様です。
トレード前に必ずチェック!今日発表の重要指標!
5日:豪GDP、カナダ政策金利、ドラギ総裁発言、黒田総裁発言など
◎天気の判定基準とは?
天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。
・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。
・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。
・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。
※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。
※ちなみに2017年は、「晴れ」89日、「雨」90日、「くもり」80日でした。
(荒地 潤)
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