コモディティ☆クイズ 今回のテーマは「パラジウム」!
トウシル / 2018年12月17日 11時59分
コモディティ☆クイズ 今回のテーマは「パラジウム」!
「消費国」に焦点を当てて「パラジウム」を解説!
コモディティ(商品)とは私たちの身近にあるエネルギーや資源、貴金属、牛肉や豚肉、大豆や穀物などの食料資源などのこと。実は身近な「コモディティ」についての知識が増えれば、コモディティの値動きに影響を受ける株式投資のことも、もっと分かるようになります。
今回のテーマは貴金属の一つ「パラジウム」。主に産業分野で用いられるほか、宝飾品にも用いられています。今回は「パラジウム」の消費国(地域)について解説していきます。
コモディティ☆クイズ「パラジウムの消費国、世界1位は?」
パラジウムの消費は産業ジャンルがほぼ9割
パラジウムは、宝飾用や投資用としての消費はあまり多くなく、消費の96.5%が産業ジャンルで消費されています。
産業ジャンル中でも、最も消費が多いのが「自動車排ガス浄化装置向け」で、消費の77.8%が消費されています。パラジウムは、プラチナと同様に白金族(PGM:Platinum Group Metal)の一つで、性質もプラチナと非常に似ています。そのため、プラチナと同様に、自動車排ガス浄化装置向けの消費が非常に高いのが特徴です。
自動車排ガスジャンルは中国がトップ!
その「自動車排ガス浄化装置向け消費」の消費国ランキングは、1位:中国25.9% 2位:北米24.6% 3位:欧州 23.3%でした(2017年)。
1位の中国が4分の1以上を消費しています。また、先進国が集まる北米・欧州という、モータリゼーション(主に自動車文化の普及)が進んでいる地域での消費が多いでことが分かります。
宝飾品ジャンルは欧州がトップ!
パラジウムの宝飾用消費トップ3は、歴史的に宝飾品を重用する欧州諸国が消費の半分を占めています。
昨今では、中国での宝飾用消費の減少が目立ち、宝飾向け消費のブームが去ったように感じられます。
「パラジウム」投資で覚えておきたい注意点!
自動車排ガス浄化装置向けの消費において、中国が2016年に北米と欧州を抜き、ついに1位になりました。北米は緩やかに増加中です。近年、特に欧州では自動車排ガスへの規制の動きが強まっており、EV(電気自動車)などの代替自動車へのシフトが進んでいますが、今のところ、欧州における自動車排ガス浄化装置向けのパラジウムの消費は減少せず、横ばいとなっています。
価格動向に影響を与える消費面の動向は、宝飾向け消費が大きく減少したことを念頭に置きつつ、中国での自動車排ガス浄化装置向けの消費が今後どれだけ増加し続けるか、がポイントであると言えます。
「パラジウム」投資の注目ポイント
金(ゴールド)、銀、プラチナと比較すると、パラジウムの上昇が突出していることが分かります。
これは、金であれば米国の利上げ、銀であれば長期的な消費減少傾向、プラチナであれば2015年9月に発覚したフォルクスワーゲン問題に端を発した欧州での自動車排ガス浄化装置向け消費の減少懸念など、金・銀・プラチナが個々に比較的大きな下落要因を抱えていることが背景にあります。
一方のパラジウムは先述のとおり、中国での自動車排ガス浄化装置向け消費が堅調に増加していることが、背景にあるとみられます。
4つの貴金属の中で最も勢いがあるのがパラジウムです。勢いを伴って上昇している点は大きな魅力に映るかもしれませんが、その分、下落するリスクをはらんでいるとも言えます。
その意味では、もしパラジウムに投資をするのであれば、貴金属投資に用いることができる資金の一部で投資をする、というスタンスが有効だと筆者は考えています。
「パラジウム」は今いくら?現在の価値
国際的なパラジウム価格の指標であるドル建ての先物価格は、長期的に見ればこの10数年間の高値水準で推移しています。
「パラジウム」の投資商品例
日本でも個人投資家が投資できる、ETF(上場投資信託)、商品先物の2種類を紹介します。
【ETF(上場投資信託)】
証券会社に口座を持っている人に便利。株を取引きするのと同じようにパラジウムの取引ができる。パラジウム関連のETFは原則パラジウム価格に連動するように設計されている。長期保有も短期売買も可能。
【商品先物】
レバレッジをかけた短期売買ができる。(売買高が少ないことある点に注意)
※ETF(上場投資信託)、商品先物においては、各取引を扱う証券会社等によって、パラジウムを現物にして手元に置くことができない場合があります。
>>国内商品先物の取扱銘柄 > パラジウム
動画だからよく分かる!吉田さん最新動画はコチラ!
▼もっと読む!著者おすすめのバックナンバー
2018年10月15日: 世界同時株安で「金」は逆行高。原油は急落。今後どうなる!?
2018年11月26日:急落する原油市場はトランプの思惑通り?パラドックスに陥るサウジの生き延びる道は?
(吉田 哲)
この記事に関連するニュース
-
どんな役割を持っているか知ってる? 最近のバイクに必須の「三元触媒」を徹底解説
バイクのニュース / 2024年11月25日 10時10分
-
2025年に50シーシーの原付が廃止!既存バイクは買い替えが必要?今後の選択肢を解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月8日 2時20分
-
大乱世で生き残る長期視点の分散投資先
トウシル / 2024年11月5日 7時30分
-
投資額の半値で損切りするハメに…痛手負った72歳現役FPが教える「素人が絶対手を出してはいけない金融商品」
プレジデントオンライン / 2024年10月31日 8時15分
-
サウジ初の中国企業特化ETF、30日に取引開始 中東で最大規模
ロイター / 2024年10月30日 15時4分
ランキング
-
1LUUPと交通違反、タイミーと闇バイト、メルカリとさらし行為――“性善説サービス”はいずれ崩壊するのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月29日 8時10分
-
2コーヒー豆が歴史的高騰、NY市場で最高値…産地のブラジルやベトナムで不作
読売新聞 / 2024年11月29日 0時0分
-
3風呂キャンセル界隈?「日本の偉人」まさかの素顔 凄い人物でも部屋が汚い、そんな姿に親近感も
東洋経済オンライン / 2024年11月29日 11時0分
-
4三菱UFJがウェルスナビを買収 ロボットアドバイザー大手
共同通信 / 2024年11月29日 11時29分
-
5会社の「倒産リスク」を"見える化"する4つの方法 安全性は、会社の体つきと血液の流れをみる!
東洋経済オンライン / 2024年11月29日 9時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください