節税効果がすごい!「iDeCo(イデコ)」の仕組み。メリット、デメリットは?
トウシル / 2017年8月30日 15時0分
節税効果がすごい!「iDeCo(イデコ)」の仕組み。メリット、デメリットは?
節税界で話題沸騰!最近話題のiDeCoって?
個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo=イデコ。以下同)とは、国民年金や厚生年金といった公的年金に上乗せして、個人が任意で加入することができる私的年金のひとつです。証券会社や銀行など、iDeCoを取り扱っている金融機関を通して毎月積み立てたお金を投資信託などの金融商品で運用します。こうして運用した資金は、60歳以降に一時金として一括、もしくは年金として分割で受け取ることができます。
積立から受け取りまでーiDeCoってどんな仕組み?
このようにiDeCoは「どの金融機関ではじめるか」「毎月の積立金額はいくらにするか」「何で運用するか」「年金の受け取りかた」をすべて自分で決めることができる、とても柔軟性の高い制度です。
今年になって急速にiDeCoが注目されているのは、2017年1月からiDeCoの加入対象者が公務員や専業主婦にも広がり、事実上ほぼすべての国民が加入できるようになったからです。
iDeCoの毎月の掛金は5,000円から1,000円単位で選ぶことができ、国民年金の種類(第1号、第2号、第3号)によって上限金額が設けられています。たとえば、加入対象者ごとの毎月の掛け金の上限額は、次のように決まっています。
1年間で8万2,800円もトク?
iDeCo最大の魅力は3段階の節税効果
iDeCoの最大のメリットは、資金の拠出、運用、受取の3段階にわたって税制優遇を受けられる点にあります。
1.拠出時=掛金は全額所得控除
iDeCoの掛金は原則全額が所得控除となります。たとえば、掛け金を毎月2万3,000円×12ヶ月で年27万6,000円支払うと、その全額が所得控除され、結果として所得税・住民税の負担が減ります。
たとえば、会社員で年収650万円の方のケースであれば、年間で8万2,800円の節税メリットが発生。なんと掛け金の約30%の節税効果になります。節税効果は、年収(課税所得)に応じて変わり、課税所得が高い方ほど節税メリットが大きくなります。
具体的には、掛け金×55%~15%の節税効果※を得ることが可能です。
※ 55%は所得税率の最高税率45%に住民税率10%を合計したもの。復興特別所得税は考慮していません。税率は加入者の適用税率によって異なる。
2.運用時=運用益は非課税
iDeCo口座内の売買で得られた売却益、利息や配当等は全額非課税(通常は税率20.315%)になります。運用益に対する非課税措置という点ではNISA(少額投資非課税制度)と共通していますが、NISAが預金を対象外としているのに対し、iDeCoでは預金の利息も非課税になります。
3.受取時=一時金または年金どちらを選択しても控除あり
iDeCoで積み立てた資金を一時金として受け取る場合は退職所得控除、年金として受け取る場合は公的年金控除を使うことができます。
iDeCoの節税メリットを見てみよう!
25年間でトータル270万円以上の節税効果!
たとえば、年収650万円の会社員(35歳)の方が、毎月2万3,000円の掛け金でiDeCoをスタートした場合。
60歳までの25年間の節税メリットをシミュレーション!
【拠出時】の節税効果は年間で8万2,800円。25年間で207万円も節税できます。
【運用時】は、運用利回りを年3%とすると25年間で得られる利益は、トータルで335万8,180円。通常投資をしたときにかかる税率は20%(復興特別所得税除く)なので、税金は67万1,636円。これがiDeCoであれば、全部非課税に。
【受取時】は、一括受け取りや年金としての受け取りも可能で、節税メリットがあります。
iDeCoのデメリットは?はじめるときの注意点はあるの?
節税メリットが豊富なiDeCoですが、気をつけておきたいこともあります。
それは、「60歳までは資金を引き出せない」こと。ですから、iDeCoは日々の生活費とは別の余裕資金ではじめるべきです。
この仕組みをデメリットのように感じる方もいらっしゃるかも知れませんが、そもそもiDeCoは老後資金を作るための「年金」です。税制面の優遇が豊富なのもそのため。仮にいつでも引き出せてしまうと、ちょっとお金が必要というときに、ついつい使ってしまいがちです。
その意味でも、iDeCoの気軽に引き出せないというルールは、長期的に資産を作っていくための前向きな仕組みと考えることができそうです。
公的年金だけでは心配・・・と老後資金に不安をお持ち方も少なくないのが現状。節税しながら効率的に運用ができるiDeCoで、スマートに将来のお金の備えをされてはいかがでしょう。
まとめ
- 2017年から制度改正。国民のほとんどがiDeCoの加入対象に。
- iDeCoの最大のメリットは、3つの節税効果。
- 掛け金の所得控除で、毎年8万2、800円の節税効果も!
>>次回
第2回 30年で14万円の差!?iDeCoのコストは金融機関によって違う!
(篠田 尚子)
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