なぜ株の短期取引で勝てない?個人投資家の5つの行動パターン。弱者の投資戦略とは?
トウシル / 2019年2月20日 18時1分
なぜ株の短期取引で勝てない?個人投資家の5つの行動パターン。弱者の投資戦略とは?
短期取引で利益を出すには?
株式投資をする人が「なるべく短期で利益を出したい」と考えるのは、無理もないかもしれません。書店に行けば、短期取引を誘うようなタイトルの本が売れ筋として並んでいます。そんな情報を基に、熱心に勉強をされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回のコラムは、安易に短期取引に参入しないよう、警鐘を鳴らしたいと思います。
まず、短期取引を行う個人投資家が「陥りやすい5つのパターン」をご説明します。
個人投資家が陥りやすい短期取引5つのワナ
1:短期で儲けられそうな銘柄を探し、買い付ける
2:何度か利益を得られるものの、ある時下がってしまい塩漬けになる。スタンスを長期に切り替えた上で、戻ったら売ろうと考える
3:自分の持っている株は上がらないのに、他の銘柄は次第に上がるので不安になる
4:しぶしぶ保有銘柄を売却、別の銘柄を買う
5:売却した銘柄が上がり、買った銘柄は下がる
いかがでしょうか。このようなご経験ってありませんか。短期取引を繰り返すと、この魔のループにハマり、抜け出すことは簡単ではありません。勉強して再トライしても同じ結果に終わってしまい、だんだんと「投資=勝てない、危ない」という考えに陥りがちです。なぜこうなるのでしょうか。
筆者の結論は「戦う相手が強すぎる」です。「なるべくすぐに、利益を出したい」というのが心情です。しかし、短期取引参加者全員が「利益を出したい」と考えるため、市場に短期的な資金流入が豊富にないと、全員が利益を出すことはできません。取引参加者が都合よく次々と増えるようなことはめったになく、短期取引の参加者同士で、マーケットを通じてお金の奪い合いをすることになります。まさに「ゼロサムゲーム」です。
ではここで、このゼロサムゲームの参加者を紹介します。
エントリーNO.1
プロトレーダー:証券会社に属する証券ディーラーなど
エントリーNO.2
アマチュアトレーダー:デイトレーダーなど、短期売買で生計を立てている人々
エントリーNO.3
素人:学生、退職者、主婦、サラリーマンなど
簡単に分けると、このようになります。誰がもうかって、誰が損をするのか一目瞭然ですね。個人投資家が短期取引に参加することが、いかに無謀なことかお分かりになるでしょうか。「負けて当然、勝ったらまぐれ」なのです。
投資がうまくなるために本を読み、勉強しても利益を出せないのは当然です。その本はだいたいエントリーNO.1とNO.2の人たちが書いている本です。つまり書籍代まで取られているのです。
弱者には弱者の戦い方がある~株式の長期保有
一般的な個人投資家は、弱い立場にあるということを認識しなくてはならなりません。しかし、弱いからと言って、泣き寝入りする必要はありません。弱者には弱者の戦略というものがあります。自身の強みを知り、敵の少ない場所を探すのです。
一例を出すと個人投資家の強みは「長期保有」ができることです。証券会社のディーラーは決算があるので、それに向けて保有株売却を意識する必要がありますし、デイトレーダーは日銭稼ぎなので、長く保有しません。強い敵のいるフィールドで戦わず、気を長く持ち、相手が大きく売却したところを拾っていくというのも、一つの戦略であると思います。
最後に、この数年間においても日本株で倍以上になった銘柄はたくさんあります。そして、その多くが利益成長をしている中小型株です。日本にもあまり知られていない優良な会社はたくさんあるのです。
以下にその一例を挙げます。
※買い推奨ということでありません。株価は分割等考慮後の株価表記としています。チャートは全て週足。
アイル(3854)
中小企業向けに業務効率化製品やサービスを提供。
鎌倉新書(6184)
終活に関わるポータルサイト運営・情報サービスの提供。
弁護士ドットコム(6027)
日本最大級の法律相談ポータルサイトを運営。
UUUM(3990)
業界初Youtuber向けのマネジメントプロダクション。
ブレインパッド(3655)
データを活かしたマーケティングサービスを展開。
知っている会社はありましたか。成熟した大企業の株を買うのも良いですが、上記のような成長企業を、まだ皆が目を付ける前に探し出すことが株式投資の原点です。
投資先の会社がいったいどんな業態なのか。どうやって利益を出しているのか。これからどうやって成長していくのかなどを調べ、多少業績が落ち込むことがあったとしても、応援する気持ちで株主であり続けることで初めて「投資家」と言えるのではないでしょうか。
投機から投資へシフトしていくことが、日本の株式市場にとって最も重要な事なのではないかと思います。
(菅原 良太)
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