半値戻し間近、「五合目」付近まで戻した日経平均。頂上までの道程は視界良好か?
トウシル / 2019年2月25日 15時39分
![半値戻し間近、「五合目」付近まで戻した日経平均。頂上までの道程は視界良好か?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_19668_0-small.jpg)
半値戻し間近、「五合目」付近まで戻した日経平均。頂上までの道程は視界良好か?
日経平均は75日移動平均線を上抜け、堅調に推移
先週末2月22日(金)の日経平均終値は2万1,425円となり、前週末(2月15日)終値の2万900円からは525円高でした。週足ベースでは2週連続の上昇で、その期間の上げ幅も1,000円を超えています。
何だかんだで順調に株価水準を切り上げている国内株市場ですが、今週は2月から3月の「月またぎ」の週となります。3月といえば、週末の1日(金)は現在行われている米中協議の交渉期限であり、米債務上限撤廃の適用停止期限でもあります。また、その後の中国では全人代(全国人民代表大会)が開催され、終盤には英国のEU離脱をめぐる調整の期限が29日に訪れるなど、注目の政治的イベントがめじろ押しです。
とりわけ、最近の株価上昇は米中協議の進展期待を先取りした面があります。期待感で株価が上昇している間は良いのですが、投資家が想定している期待の度合いには温度差があるため、想定以上の内容が合意される等のサプライズがない限り、話が具体的になるにつれて上昇の勢いが削がれる展開もあり得ます。
そのため、今後も相場のムードがガラリを変わってしまう展開を警戒しつつ、株価の戻りをうかがう状況が続くことになりそうですが、まずはいつもの通り、足元の相場状況から確認します。
■(図1)日経平均(日足)の動き(2019年2月22日取引終了時点)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/2/7/-/img_272885153b39ef0577279d9ffb47547458809.jpg)
先週の日経平均の値動きをローソク足で振り返ってみますと、週を通じて全て陽線となっています。何気に陽線が5本並ぶというのはあまりなく、昨年11月半ば以来です。当時は5日移動平均線を挟んでの推移となっていましたが、先週は5日移動平均線上をキープしているため、より堅調であると言えます。
そして、その移動平均線にも注目すると、株価がこれまでの上値抵抗となっていた75日移動平均線を上抜いてきたほか、先ほどの5日移動平均線についても75日移動平均線との「ゴールデンクロス」を達成しているなど、しっかりした展開だったと言えます。
となると、さらなる上値を追う動きがあってもおかしくはなく、次の上値の目安としては、2万2,000円台や200日移動平均線あたりが意識されそうです。
半値戻しが間近に見えるが、上昇の勢いは強くない
また、株価の戻り水準でも確認してみます。
■(図2)日経平均(日足)の戻り水準(2019年2月22日取引終了時点)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/9/3/-/img_9330fc2ac89e5198b4e6217ee8a5032566954.jpg)
上の図2は、昨年10月2日の高値(2万4,448円)と12月26日(1万8,948円)の安値の下げ幅の戻り水準を示したものですが、先週末の日経平均は50%戻し(半値戻し)が見えてくるところ、つまり戻りの五合目付近に位置しています。ちなみに、具体的な半値戻しは2万1,698円ですが、「半値戻しは全値戻し」という相場格言もありますので、2万2,000円台や200日移動平均線の前にココを上抜けできるかが目先の注目点であり、最初に超えるべきハードルになりそうです。
とはいえ、チャートの形は悪くはないものの、売買代金の盛り上がりはイマイチですし、さらなる株価上昇への「ワクワク」があまり感じられない面もあります。前回のレポートでは、窓空けと窓埋めについて触れましたが、先週も週初に大きな窓空けを見せています。その空けた窓の大きさは317円ですので、先週の上昇幅(527円)のうち、窓空け以外の上昇幅は208円ということになります。陽線がズラリと並んだ割には上昇に強さがあるとは言い切れない部分には留意する必要があります。
そこで、日経平均の動きをもう少し過去にさかのぼってみると、昨年夏場にもみ合いのレンジ相場が数カ月感続いていた時期があったことが分かります。当時のレンジ下限が昨年7月5日の2万1,462円になりますので、ちょうど現在の株価水準と同じです。つまり、次の目標の2万2,000円台からは次第に戻り待ち売りが出やすくなり、上値が重たくなる可能性があります。
■(図3)日経平均(日足)の動き その2(2019年2月22日取引終了時点)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/6/5/-/img_655fdf598a219186dab6de46f81bc25066370.jpg)
NYダウは節目の2万6,000ドル台に到達。政治的イベントの影響は?
また、前回のレポートでは米国株の動きについて触れましたので、引き続きフォローします。
■(図4)米NYダウ(日足)の動き(2019年2月22日取引終了時点)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/4/0/-/img_409fcf1b18210a3af30e0a568522fec168267.jpg)
先週末時点でNYダウは節目の2万6,000ドル台に乗せてきました。株価の戻りについては昨年10月3日を頂点とした下げ幅の8割近く戻しているほか、株価と移動平均線の関係についても、75日移動平均線をかなり上放れしているだけでなく、200日移動平均線も上抜けています。あらためて日経平均はNYダウに比べるとかなり出遅れていることが分かります。
この出遅れ感を背景に日本株がキャッチアップしていく展開に期待したいところではありますが、NYダウは9週連続で上昇していることもあり、米国株上昇の「そろそろ一服」感も出やすい状況でもあり、今週のイベントがそのきっかけになるかもしれない点は意識しておいた方が良いかもしれません。その際に日本株に買いが入るかどうかも焦点のひとつになりそうです。
(土信田 雅之)
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