「日経平均株価はもう一度下落する」と考える3つの需給データ
トウシル / 2019年3月18日 5時10分
![「日経平均株価はもう一度下落する」と考える3つの需給データ](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_20023_0-small.png)
「日経平均株価はもう一度下落する」と考える3つの需給データ
今、株投資では非常に難しいかじ取りが必要になってきました。
プロのアナリストの中でも「これから株はしばらくダメだ」と言っている人もいれば、「今は買い場」と言っている人もいます。さまざまな意見が交錯し、投資初心者の方などは特に困惑しているでしょう。株価は「上がるか、下がるか」だけなのですが、その2択の答えを求めて、全ての市場関係者は翻ろうされるのです。
筆者は「日経平均株価はもう一度、下落するのではないか」と予想しています。その根拠を3つの観点から解説します。相場感の捉え方の一つとして、読んでください。
日経平均がもう一度下落すると考える根拠
根拠1:移動平均線
まず、一つめの根拠は移動平均線です。移動平均線とは一定期間の売買平均値を結んだ線です。例えば、5日移動平均線であれば、過去5日間の終値(当日含む)を足して5で割って算出します。これを毎日、その日を基準に算出した売買平均値を、つなげてできた線です。
現在の株価がこの「5日移動平均線」より上回っていれば、過去5日間にその株を買った投資家は、平均的に利益が出ているということになります。
ここで250日(約1年)と、マーケットスピードⅡ(楽天証券の株取引ツール)で出せる最長期間である300日の移動平均線を確認します。長い期間の移動平均線にすることで、中長期投資家が保有している株が含み益なのか、含み損なのかをおおまかに知ることができます。
最近の株価が、この中長期の移動平均線を下回って推移しているようであれば、含み損を抱えている投資家が多いことになり、需給の状態は悪いと言えます。
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/0/f/-/img_0f89c771b0f2f73a146a96929e07b36a49343.jpg)
緑色の線が250日移動平均、オレンジ色が300日移動平均線です。
これを見ると、2018年10月からこれらの線を下回っていることが分かります。強い相場であれば、しばらくもみ合いの後移動平均線を上抜けるのですが、今回は上抜け切れず、下落してしまいました。現在、中長期投資家が4カ月程度含み損を抱えたままという状況なので、ここから一気に上昇に転ずることは難しく、まずは戻り売りが出ると思われます。さらに下落が加速すれば、今度は「投げ売り」が出るため、さらに日経平均は下落していくことになります。
根拠2:価格帯別売買高
次は価格帯別売買高です。意外とご存じない方も多いのですが、これは、価格帯ごとの売買代金を表示したもので、「どこの価格帯で売買が多いか、少ないか」を把握することができます。マーケットスピードⅡを用いれば、簡単に見ることができます。
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/d/a/-/img_da0f51deb582387fdcfc6b5bd540157a42318.jpg)
緑色の横線が価格帯別の売買高を表したものです。長い緑色が多いところが売買の集中しているところです。
日経平均の価格帯別売買高を見ると、2万1,000~2万2,000円の間に集中しており、ここからの上値は非常に重たいと考えることができます。ですので、移動平均線の結論と同様、ここから先は上昇してもひたすら戻り売りが出る状況で、積極的に買いを入れる局面ではないと考えます。
根拠3:過去の値動き
最後に、過去の値動きから、今後の株価を占います。
日経平均は急落後、2018年末からリバウンドが始まり、現在に至るまである程度上昇しました。しかし10月以降、大きなボラティリティー(変動幅)が出ている現在の相場がそう簡単に収まるはずはないと思います。
分かりやすい例を挙げれば、強く地面にたたきつけたボールはそれなりにリバウンドしますが、あるところまで戻ると、また地面向かって落ちていきます。そして、またリバウンドし、また下落をします。次第に下落とリバウンドの幅が小さくなっていき、底打ちします。このことから、今回はまだ1回目のリバウンドのため、もう一度落ちると考えます。過去にもこのような急落がありました。
相場というのは繰り返されるもので、過去の値動きを後から見てみると「なんだ。こういう動きは過去にもあったのか」と冷静に捉えることができます。
では過去の「日経平均が高値を取った後、急落したとき」を振り返ります。
2013年(バーナンキ・ショック)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/e/b/-/img_eb2856392fa5dc99443ebb0fa8025ff640992.jpg)
2015年(チャイナ・ショック)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/8/5/-/img_851e4fb79a3abefed95bf54f0605e4b646550.jpg)
2018年(米金利ショック)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/a/1/-/img_a1bc3f6cff00f652fe6b1c4f9525273b46034.jpg)
上図のように、過去、大幅下落のリバウンド後は再び下落しています。下落相場においては大量の空売りが入ります。その買い戻しが続くので、しばらくリバウンドで上昇しますが、その空売り燃料が切れると、相場はまた元の下落の勢いに流されるのです。
投資初心者でも見極める方法はある
いかがでしょうか。今後の株価を占う上では、さまざまな見解があります。
経済統計や財務データなどの数字を参考にして「割安」「割高」を判断したり、難解なテクニカル指標もさまざまな種類が存在します。
しかしながら、その多くが投資初心者の方にはとても難しく感じるものです。損をしたときに、決して「自分は勉強不足だ。自分には難しいテクニカル指標やデータを使って投資判断をするのはとうてい無理だ、諦めよう」とならないでください。株価の動向を見極める簡単な方法はいくらでもあるからです。
今後も折りに触れ、紹介していきたいと思います。
(菅原 良太)
この記事に関連するニュース
-
兜町地獄耳 強烈だった日経平均株価の上昇 短期投資家は小型株で身動き取れず 「夏枯れ」知らずの相場は激しい値動き続く
zakzak by夕刊フジ / 2024年7月17日 6時30分
-
[今週の日経平均]最高値更新も「天井サイン」出現!今週の日本株どうなる?!
トウシル / 2024年7月16日 12時0分
-
投資初心者なら知っておくべき!株価の下落相場を乗り切るための4つの手法
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月26日 11時0分
-
投資成績を大きく左右する本番がある!株式投資でベストパフォーマンスを出す方法
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月25日 11時0分
-
[今週の株式市場]定まりにくい「相場の視点」で動けない?~一部で話題の米株「暴落サイン」もチェック~
トウシル / 2024年6月24日 12時30分
ランキング
-
1ユークス、脚本家の野島伸司氏が社外取締役を辞任 一身上の都合
ロイター / 2024年7月23日 16時55分
-
2日本製鉄、中国宝山鋼鉄との自動車鋼板合弁解消へ
ロイター / 2024年7月23日 17時19分
-
3「脱ママチャリ」電動自転車がここへ来て人気の訳 10万超でも高性能化、小型化で「1人1台」に?
東洋経済オンライン / 2024年7月23日 10時0分
-
4「地方に多いホームセンター」が都会進出を狙う訳 人口減少が進む中、大手を軸に再編が進行
東洋経済オンライン / 2024年7月23日 8時30分
-
5危険な暑さ…千葉で39度も 「長袖」で対策? 直射日光防ぎ、「冷感」「放熱」猛暑対策に特化【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月23日 23時6分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)