EU離脱延期決定！しかし国民投票は却下。ポンドの勢い途切れる

トウシル / 2019年3月15日 9時53分

本日のレンジ予測

［本日のドル/円］

↑上値メドは112.24円

↓下値メドは110.85円

今朝の天気マークは「晴れ」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

毎ヨミ！FXトップニュース（3月14日）

14日ドル/円のNY市場の終値は111.67円

　13日の終値に比べ0.50円のドル高/円安だったので、今朝の天気マークは、「晴れ」です。

各国・各通貨トピックス

ドル：

トランプ大統領と中国国家主席の首脳会談、来月末に延期
米国防省、射程1,000キロの巡航ミサイル発射実験を8月に実施
ディズニーが21世紀フォックスの買収を完了。HULUの株式も獲得
ボーイング737MAXの欠陥、以前から指摘あった

ユーロ：

コメルツ銀行、ドイツ銀行との合併に反対を表明
ドイツIFO経済研究所、2019年のドイツ経済成長に悲観的見通し

ポンド：

英議会、EU（欧州連合）離脱の延期を条件付きで可決
英議会、2度目の国民投票は否決
メイ首相、3度目の「重要な投票」を来週実施
バルニエEU首席交渉官「英国との離脱交渉は終わり」

その他

パキスタン空爆でモディ・インド首相の支持率が急上昇

主要指標終値

出所：楽天証券作成

本日の注目通貨

ドル/円：日銀決定会合に期待

　ドル/円はレンジを円安にやや引き上げて111円後半の取引となりました。
　本日は日銀政策決定会合と黒田総裁の定例記者会見の予定。内閣府が日本の景気判断を引き下げ「後退局面入り」の判断を示したことを受けて、日銀が緩和姿勢を強めるのではとの期待が出ています。NY時間のマーケットで米長期金利が強含みで推移したこともあり、日米金利差の拡大期待からドルが買われ、円が売られました。

　チャート的には、111.35円前後を走る100日/200日移動平均線を再び上抜けしたことが弾み。しかし、112円台には手が届かず失速。トランプ大統領と中国国家主席の首脳会談延期のニュースは米中貿易交渉が難航している証拠だとして、リスクオンになりきれませんでした。

出所：MarketSpeed FXより、楽天証券作成

ポンド：ブレグジット期限の延期決定。ただし条件つき

　木曜日のポンド/円は、148.88円まで年初来高値を更新。しかし149円に届かず逆に150ポイントほど押し戻されて147.36円まで下押して、その後は148円を挟んだ動きが続きました。この日はブレグジット期限延期についての採決があったのですが、可決は確実との見方で動きはありませんでした。

　終値は147.88円で、高値更新したにもかかわらず、終値ベースでは前日比を下回りました。ポンド/円の勢いが弱まったことを示唆しているようです。

　英議会は今週、メイ首相の離脱協定案とノーディール・ブレグジット（合意なし離脱）の両方を否決。そして迎えたブレグジット劇場3夜目は、EU離脱日の期限延長を412対202で可決しました。

　もっとも、英国が勝手に延期を決められるわけではなく、EU側の承諾が必要。そのためには、正当な理由が求められます。たとえば国民投票をもう一度実施するから時間が必要というのは理由になりますが、これは却下されました。

　そこで、メイ首相が来週中に3度目の重要な投票（meaningful vote）を行い、そこで離脱協定案が可決されたら「6月末まで」、できなかったら「長期間」という条件のもとで延期するとしました。長期間の延長はEU側も望んでいることで、実質的には「ノーブレグジット（離脱なし）」と同じ意味を持ちます。

　メイ首相の離脱案は149票差で今週否決されたのですが、この差を週末で覆すのはほぼ不可能といわれていました。しかし「ノー・ブレグジット（離脱なし）」になってしまうことを恐れる離脱派議員がメイ首相の離脱協定案の支持に回ることも考えられ、予断を許さない状況です。