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売りが増える「半年ルール」?需給悪化で日本株どうなる。10連休はポジション減の備えも

トウシル / 2019年4月8日 5時10分

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売りが増える「半年ルール」?需給悪化で日本株どうなる。10連休はポジション減の備えも

「もうダメだ!」と思うと復活してくる日経平均株価。株式投資されている方は、この数カ月幾度も、売りも買いも「ダマし」に遭ったのではないかと想像します。このような相場が、投資家心理を惑わし、最も判断を誤らせるのです。

 しかし、最近の動きを見ていると、この「ダマし相場」もそろそろ終了に近づいているのではないかと考えています。

 以前の記事「日経平均がもう一度下がる理由」の後、1日に700円程度も下落する日がありました。しかし、この記事で伝えたかったことは、そのような一時的な下落のことではありません。

 そこで今回は、日経平均の下落見通しをさらに深堀りして、説明したいと思います。

 

日経平均は一定の「日柄」で動いている

 2018年末以降、一辺倒に上昇したように見える日経平均ですが、14~16日の回転日数で動いていたと考えています。

 改めて紹介しますが、この回転日数とは「買い終える日数」と「売り終える日数」のリズムのことです。市場はある程度、限られた資金の中で売買が行われており、取引参加者が「買い終えたら下がる」「売り終えたら上がる」と筆者は考えています。この兆候は日経平均など、主要指数にも表れます。

 実は個別銘柄でもこの兆候は見られますが、流れを読み取ることは非常に難しいため、まずは、主要指数から始めてみることがベターだと思います。

 それでは、2018年末の急落後、底打ちした日経平均を確認してみましょう。

図1:2018年末以降の日経平均の回転日数

出所:楽天証券マーケットスピードより著者作成。データは筆者調べ

 

「回転日数で動いている」ことが正しければ、日経平均は4月12日ごろまでは強いサイクルで、そこからは下落サイクルに転じる可能性があります。

 この頃はちょうどBrexit(ブレグジット:英国のEU[欧州連合]離脱)の「合意なき離脱」懸念というイベントリスクも存在します。

需給環境が悪い日本株の今

 株は「需給」で動きます。売られる株数よりも買われる株数が多ければ株価は上昇し、その逆だと下落します。このことを念頭に、信用取引の需給データから考えていきます。

 2018年10月に日経平均は頭打ちし、その後、急落しました。2018年10月以降は売買代金が増えており(図2)、制度信用取引の買い残高が増えています(図3)。

図2:10月以降下落時の売買代金推移

出所:楽天証券マーケットスピードより著者作成

図3:制度信用取引の買い残高の推移(金額)

出所:日本取引所グループウェブサイトより筆者作成

 

4月は要注意!半年ルールで売られる株数が増加

 図3を見ると、10月の急落時に大きく信用買い残高が増えていることが分かります。制度信用取引の期日は半年なので、2018年10月以降の半年後、すなわち今年4月ごろからその時の建玉期日がきて、利益が出ていなくても売却、もしくは現引きをしなくてはいけません。要するに「売られる株数」がこれから増えるのです。

 また、10月急落の押し目を拾った現物の買いも、日経平均やTOPIX(東証株価指数)が急落以前の水準に戻っていないことから、到底利益が出ている状況とは思えません。信用買いの強制決済が起爆剤になり、現物の売り物も出てくる可能性は大いにあります。

GW前は用心が必要

 この3カ月間のように相場が戻ってくると、2018年年末の暴落の恐怖を忘れてしまいがちです。楽観論まで出て、この間までの悲観的な見通しはどこへ行ったのかというムードになります。春なので、そのような気持ちになるのも仕方ないのかもしれません。

 しかし、多くの銘柄が昨年末に暴落し、多くの投資家が含み損を抱えているという事実を忘れてはいけません。

 また、日経平均は昨年高値2万4,448円から、年末安値の1万8,948円まで、5,500円も下がりましたが、3カ月かけても5,500円の半値程度の戻しがやっとの状況です。到底強い相場とは言えないのです。

 今年のGW(ゴールデン・ウイーク)は10連休です。そして、日本の連休に関係なく、海外の相場は動きます。

 現在の世界経済情勢を点検してみると、ドイツ銀行のマネーロンダリングの話、Brexit(ブレグジット:英国のEU[欧州連合]離脱)、日米貿易交渉など、さまざまな問題を抱えており、今後いつどのような悪材料が出てきてもおかしくない状況です。

 念のため、買い過ぎている人はポートフォリオにインバースETF(上場投資信託)などの組み入れを検討してもいいかもしれません。

 株式運用で資金を増やすのもいいですが、それよりも「地合いの悪いときにいかに減らさないか」という視点は、とても大事です。

 楽しい連休を送るためにも、警戒モードでポジションを減らしてみることを、筆者はお勧めしたいと思います。

マザーズ市場のシナリオ更新

 そして最後に一つ。前回の記事「サンバイオ・ショックは回避できた?マザーズ市場の見極め方と株の売り時」で、マザーズの回転日数について解説しましたが、4月2日に大陰線が出たため、もう一つのシナリオを図5で紹介します。ぜひご参考にしてください。

図4:前回で紹介したマザーズシナリオ

出所:楽天証券マーケットスピードより著者作成

図5:もう一つのマザーズシナリオ

出所:楽天証券マーケットスピードより著者作成

  図5のシナリオでいけば、マザーズは4月9日前後まで弱く、そこからまた12日前後の上昇期間に転じるということになります。参考にしてください。

※次回の本連載は4月22日(月)5時頃に公開予定です。

(菅原 良太)

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