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「株式投資で勝ち続ける人」に共通する3つの行動

トウシル / 2019年5月7日 5時10分

「株式投資で勝ち続ける人」に共通する3つの行動

「株式投資で勝ち続ける人」に共通する3つの行動

百戦錬磨のベテラン投資家に見られる3つの共通点

「株がうまい人」と言えば、どんな人をイメージしますか。

 SNS(会員制交流サイト)でのやり取りなどを見ていると、著名トレーダーたちに憧れている人は多いと感じます。しかし、トレーダーの「トレード」は「飛び乗り、飛び降り」が基本で、本来的な「投資」の体を成していないことも間々あります。そのため、変動が大きくなり市場も安定しません。

 本来の投資は「会社の将来を見越し、成長を期待して資金を投ずる」ことです。いわゆる「有名投資家」の中には、値動きだけを見て取引する「投家」が少なからず存在します。彼らのもうけは、元をたどれば、他の誰かが市場に投じたお金です。

 投機家にならず、投資家としてどのようにすれば、投資を長く続けられ、成功するのでしょうか。

 これまで筆者は、証券マンとして1,000件以上の顧客を担当してきましたが、その中に数人ですが素晴らしいお手本の投資家がいました。それは、平成バブル崩壊、ITバブル崩壊、リーマン・ショックの他にもたくさんの出来事を乗り越え、高齢ですが、現在も投資を続けている人たちです。彼らこそが、真似すべき「真の投資家」であると筆者は確信しています。そして、成功している彼らには「3つの共通点」がありました。

 今回はこの共通点を紹介したいと思います。

成功の共通点1:非常に勉強熱心である

 彼らはまず、非常に勉強熱心であることが共通しています。

 証券マン時代、こちらが銘柄の提案をする前に、自身が良いと思った銘柄を見つけてきては、買い付けについて相談するのです。「この銘柄はどうか」と聞かれて、証券マンとして何も答えないわけにはいかないので、財務データや指標を見て、客観的な事実と一般論に基づくアドバイスをすることになります。しかし、どんなことを伝えても、結局は自身が見つけた銘柄を買い付けます。熱心に自身で勉強をしているので、あとは背中を押してほしいだけなのです。

 この勉強の中身は、データ分析のようなものではなく、「自身の専門分野を生かした」ものです。

 例えば機械に詳しい人なら、機械メーカーなどを四季報などで探し出し、さまざまな方法で企業情報の収集を行い、「将来的にこの会社は必ず伸びる」と強く思った銘柄の買い付け判断をします。

 2014~2015年ごろに筆者が担当していた顧客で、Vテクノロジー(7717)を買った人がいました。「この会社の技術は素晴らしいから今後伸びるだろう」と言っていたのですが、当時の値動きは、はっきり言ってパッとしませんでした。

 しかし、その後の株価は下記の通り、上昇していきました。

図1:Vテクノロジー(7717)月足

出所:楽天証券マーケットスピードより筆者作成。データは筆者調べ

成功の共通点2:保有銘柄数がかなり多い

 彼らは多くの銘柄に分散投資をします。

 例えば株式の運用資産が1,000万円あるとしたら、少なくとも10銘柄以上、保有していて、多い人なら30銘柄以上保有しています。

「銘柄数が多くなると管理がわずらわしい」と考える人がいるかもしれませんが、分散投資は株式投資で最も重要なスタイルです。

 筆者が証券会社の新入社員のころ、「電力株で安定的に配当をもらう」という風潮がまだあり、電力会社の株を退職金などでたくさん買っている投資家が多くいました。これが覆されたのが「3.11」です。あのときから電力会社株は軒並み暴落。ドル箱だった原子力発電の事業見直しを余儀なくされました。

 当時は想定外の大事故と言われましたが、この想定外がいつ起きるのか、誰にも分かるはずはありません。だからこそ、株式投資は業種ごとにも分散をすることが重要なのです。

図2:東京電力(9501)月足

出所:楽天証券マーケットスピードより筆者作成。データは筆者調べ

 一方で、株の分散投資は「面倒くさいから投資信託」という手法もありますが、株は優待をもらえる場合もあり、保有中コストとして発生し続ける「信託報酬」がかかりません。

 そして「何に」投資をしているか、はっきりと分かります。「何に」がはっきりしていることで、良いときも悪いときも打つ手も明確になります。

成功の共通点3:基本的に損切りしない

 彼らはあまり損切りをしません。

 なぜなら、分散して投資をしているので、一企業の株価が半値になったとしても余裕があるからです。

 例えば、1,000万円を1銘柄に投資をしていて、これが半値になってしまったとき、その株を持ち続けることができるでしょうか。普通であれば投資意欲を失ってしまうくらいのショックを受けるでしょう。

 しかし、10銘柄に100万円ずつ分散投資をしていれば、銘柄の一つが半値になっても損失は50万円、全体の投資額の5%程度なのです。分散投資していれば、半値になっても平常心で対応し、投げ売るどころか皆が売ったところで買い増しという判断ができるのです。

 また、現物株は「損失は元本まで」「利益は上限なし」ですから、1銘柄が半値になったとしても、他の銘柄の一つが倍になればお釣りがきます。

 いかがでしょうか。この3つの投資行動を鑑みれば「もうかった」「損した」と日々繰り返すのがバカバカしくなりませんか。このような投資家が増えることで日本の株式市場はボラティリティー(変動幅)が小さくなり、安定していくはずです。投資技術が進化しても、先人から学ぶべきことはまだまだ多いように思います。

※次回の本連載は5月20日(月)5時頃に公開予定です。

(菅原 良太)

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