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日本株下落は5月末まで!?損益状況と売買サイクルをチェック。新興市場は資金流入も?

トウシル / 2019年5月15日 11時9分

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日本株下落は5月末まで!?損益状況と売買サイクルをチェック。新興市場は資金流入も?

「新年号おめでとう相場」にはならなかった5月。筆者は前々回の記事「2万2,000円回復に潜む矛盾とは?値上がり数<値下がり数で日経平均が上昇!?」で、直近の日経平均株価の上昇が「普通ではない」ことを指摘しました。結果、日経平均は4月24日の高値から1,000円以上下落し、「神の見えざる手」によって、異常な動きは調整されることになりました。

 今回は、今後の相場見通しについて筆者の考えを述べたいと思います。

投資家の損益状況を考える

 以前も記事にしましたが、株式市場の体温を計るには日経平均株価よりもTOPIX(東証株価指数)を用いるべきだと筆者は考えています。

 では、日本株の損益状況は今どうなっているのか。TOPIXチャートから読み取る限り、「買い方不利、売り方優位」の展開になっていることが分かります。

図1:TOPIX日足

出所:楽天証券マーケットスピードより筆者作成

 図1では、現時点において含み損を抱えていると考えられる価格帯を、水色で囲っています。昨年2018年末以降から考えると、多くの投資家が含み損を抱えている状況だと判断できます。

 このような状況では上がってもすぐに売り物が出てくるし、売り方の回転が良くなり始めるので、すぐに上昇トレンドに変化することは難しい状況であると考えます。

回転日数で解説

 本連載でたびたび説明する回転日数ですが、今回もこれを用いて説明したいと思います。

 図2は以前に掲載した回転日数です。

図2:日経225チャート日足(2018年末以降の日経平均の回転日数)

出所:楽天証券マーケットスピードより筆者作成

 このときは、「日経平均は14~16日のサイクルで動いており、これが正しいとすれば4月12日まで強いのでは」という説明をしました。しかし、その後も日経平均は上昇を続け、4月24日まで上がり続けました。その期間は23日間です。一定のサイクルで動いていたものが、その安定したサイクルから大きく逸脱すると、今度は反動が出ると考えています。

 この反動は大型株の上昇で無理して上げた分、決して小さいものではないと考えます。値幅は分かりませんが、日柄的には23日上昇したので、23日程度は調整するのではないかと考えています。要するに5月末までは難しい相場になってくるものと思われます。

図3:日経225チャート日足

出所:楽天証券マーケットスピードより筆者作成

「落ちたナイフはつかむな」という相場格言がありますが、今は正にそのような相場なのかもしれません。相場の下落が始まると、いろいろな理由をこじつけて「買い」と思ってしまうのが心理です。買うのは、ナイフが地面に突き刺さってからでも遅くはありません。

「ナイフがどこで刺さるか」がポイント

 TOPIXを見る限り「下落トレンドである」と言えると思います。TOPIXは2018年初を頭に、徐々に高値の水準を切り下げているからです。

 そのため、このような状況のときは「いつ上がるか」ということを考えるよりも、どこまで下がるかということが重要になってくると思います。傷が浅ければ浅いほど、上昇に転じやすくなります。ここからの値動きは、特に注目していく必要があります。前回安値の1,408ポイントを抜けてしまうと、次の底を目指す可能性もあり、注意が必要です。

図4:TOPIX週足

出所:楽天証券マーケットスピードより筆者作成

新興市場に資金流入の可能性あり

 米中貿易戦争の再燃、これから来るであろう日米貿易交渉など、相場には不透明な要因がたくさんあります。そのため、輸出関連株を筆頭に大型株は非常に買いにくい展開が予想されます。

 このような状況下で、個人投資家の影響力が大きい新興市場に、資金が流入する可能性はあると思います。ビットコインも急騰しており、この流れに追随していくかもしれません。

 ただし、こちらも買うのであれば上昇し始めてからでも遅くないと思います。新興市場は非常に大きな値幅で動きますので、逆張りはお勧めしません。また、買うにしてもあまり深追いをするとヤケドすることもあるので、注意してください。

図5:マザーズ日足

出所:楽天証券マーケットスピードより筆者作成

やっぱり「待つも相場」

 今の相場は、指標で判断すると「割安」と判断されるのかもしれません。そのため、保有している銘柄に関して、さまざまなレポートや会社の財務情報などを熟読した上で買い付けを決断される方も中には大勢いらっしゃるでしょう。しかしながら、自身が含み損を抱えている銘柄に対して、投資家は「えこひいき」をしてしまうため、実際のポテンシャルよりも高く評価してしまいがちです。一度冷静になり、地面にナイフが突き刺さるのを待つことをお勧めします。

 前回からの繰り返しになりますが、特に経験の浅い投資家の方は「待つも相場」を実践するべき時なのではないでしょうか。

(菅原 良太)

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