ファーウェイ禁輸で世界のハイテク産業にダメージ。日本株どうなる?
トウシル / 2019年5月27日 7時43分
ファーウェイ禁輸で世界のハイテク産業にダメージ。日本株どうなる?
米中の対立深まる。日経平均の上値は重い
先週の日経平均は1週間で133円下落し、2万1,117円となりました。トランプ政権が15日、中国の通信機器最大手ファーウェイ社への製品供給を事実上禁じる制裁措置に踏み切った波紋が広がり、世界中のハイテク産業の先行きに不安が広がりました。一部の部品について禁輸措置は90日間の猶予が与えられましたが、それでも、日本や欧州に、ファーウェイ社との取引停止(部品などの供給、ファーウェイ製品の購入)に踏み切る企業が増えました。米中ハイテク戦争がエスカレートする不安から、先週の日本株市場では、電子部品や半導体・スマホ関連株を始めとして景気敏感株が売られました。
日経平均週足:2018年1月4日~2019年5月24日
トランプ政権がファーウェイ社への禁輸措置を発表した直後、ファーウェイ社経営陣は、半導体など「米企業が売ってくれなくても問題ない」と強気のコメントを出していました。ところが、禁輸措置の影響が世界中の企業に広がると、同社に深刻なダメージが及ぶことがわかってきました。
特に影響が大きくなりそうなのが、米グーグル社が基本OS「アンドロイド」の提供をやめる可能性があると伝わったことです。これでファーウェイ社スマホでは、「アンドロイド」「Gメール」などが使えなくなる可能性が出ました。これを受けて、日本および欧州で、ファーウェイ社スマホ販売を見合わせる動きが広がりました。
もう一つ、影響が大きかったのが、ソフトバンクの子会社となった英半導体設計大手アーム・ホールディングスが、ファーウェイ社への供給停止を発表したことです。これで、ファーウェイ社は、スマホなどの新製品開発ができなくなる可能性もあります。
ファーウェイへの禁輸制裁は、中国側にダメージが大きくなりそうです。ただし、それでも、日米欧も相応のダメージを受けます。ファーウェイ社は、世界から半導体・電子部品など約7兆円の調達をしています。それが禁止されると、ファーウェイ社に部品などを売っていた米国・欧州・日本などの企業にも、ダメージが大きくなる可能性があります。5G(第5世代移動体通信)の導入時期も遅くなる可能性が出てきました。
米中の対立が抜き差しならない局面に入り、世界のハイテク産業が大きなダメージを受ける懸念が出てきました。
こうした不安を反映し、米国・中国など世界の株式市場が軟調に推移しています。
日経平均・NYダウ・上海総合株価指数の動き比較:2017年末~2019年5月24日
ショック安が起これば、長期的に日本株の買い場と判断
日経平均は当面、上値の重い展開が続きそうです。ただし、日本株の投資判断について、結論は毎週レポートに書いていることと同じです。短期的には、米中ハイテク戦争の激化と世界景気悪化の不安から、日経平均がさらに売られる局面があれば、そこは長期的に日本株の良い買い場となると思います。配当利回り4-5%の大型優良株から投資していったら良いと思います。具体的には、以下「もっと読む!著者おすすめのバックナンバー」に掲載しているレポートを参照してください。
▼もっと読む!著者おすすめのバックナンバー
5月23日:利回り4.4%。「5万円以下」で買える好配当株
5月21日:配当利回り4.6~4.9%:3メガ銀行の投資魅力を見直す
5月13日:配当利回り4.6%!「ダウの犬」型・日本株ファンドの作り方
(窪田 真之)
この記事に関連するニュース
-
凄腕アナリスト ザ・覆面 「カーリット」上値追い継続へ 防衛プラス宇宙の切り口 1500円台で株価指標も割安示唆
zakzak by夕刊フジ / 2024年7月24日 15時30分
-
高配当株ランキング~「もしトラ」でメリットが期待される銘柄、米大統領選でトランプ氏優勢の見方強まる
トウシル / 2024年7月17日 12時30分
-
だから日経平均は「史上初の4万2000円台」に…海外投資家が「日本株ブーム」に熱狂する理由
プレジデントオンライン / 2024年7月16日 9時15分
-
日経平均が一時1000円超下落:識者はこうみる
ロイター / 2024年7月12日 11時53分
-
配当利回りランキング~米大統領選「もしトラ」や仏極右政党躍進で不透明感、7月後半にかけ米ハイテク株決算に注目!
トウシル / 2024年7月3日 7時30分
ランキング
-
1「子どもが野菜を食べてくれない」悩みへの回答 科学的に正しい「野菜嫌いをなくす5つの方法」
東洋経済オンライン / 2024年7月27日 15時0分
-
2G20、「デジタル課税」早期実現への決意示す…3会合ぶりに共同声明採択し閉幕
読売新聞 / 2024年7月27日 15時0分
-
3スズキ、コンパクトSUV「フロンクス」の最新情報を公開
財経新聞 / 2024年7月27日 16時36分
-
4〈最低賃金1054円に〉過去最大増なのにパート、アルバイトから大ブーイングのワケ「扶養控除ライン据え置きはオフサイドトラップ」「政治家の報酬だけは世界トップクラスだけど、賃金はオーストラリアの半分」
集英社オンライン / 2024年7月26日 18時56分
-
5「半端な対策では命にかかわる」 山善の”プレミアム水冷服”がたちまち完売、現場のニーズとどう合致した?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月27日 6時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください