米中摩擦で軟調な株式市場。逆行高の10万円株はどう探す?
トウシル / 2019年5月29日 5時10分
米中摩擦で軟調な株式市場。逆行高の10万円株はどう探す?
不安定な全体相場の中で、堅調な銘柄の流れに乗る
ネガティブな出来事を株式市場が織り込むまでの動きを完璧に予想することは難しいのが実情です。その主な理由は「状況は変化する」ということです。
足元の「米中摩擦」についても、トランプ米大統領の発言や中国の声明などによって状況が大きく変化していく可能性が高いことは言うまでもありません。必ず悪化するとも限らないため、状況が好転し株価が反発し始めると「悲観論」は外れになってしまいます。全体相場が軟調な局面では悲観論が台頭するのが通常で、今回もそうなっていますが、この先もその見方が正解となる保証はないのです。
経済指標にしても「予想より悪化した」「予想より好転した」ということが頻繁に見られます。いかに事前に予想することが難しいかを表すような例です。今後、AI(人工知能)などが発達しても、想定外の出来事によって事前の予想が外れることはやはり起こると思われます。
また株式投資は、機関投資家に比べて個人投資家は枠にとらわれず、格段に自由に行うことができると言えます。この特性を生かすことができる銘柄選択として「現状の中で堅調な銘柄の流れに乗る」という考え方があります。
値下がり銘柄が多い中にあっても、必ず値上がりしている銘柄は存在します。それらは現状(米中摩擦)に全体相場が翻弄(ほんろう)される中で買われていることから「今の環境が追い風になっている」あるいは「需給が良い」のではないかと考えられます。
もちろん、注意点もあります。それらの銘柄は「現状」で株価が上昇していることから、局面が変化すると、株価の動きも変化する可能性があるということです。このことを頭に置いて、短期投資に徹すれば、変化にも対応できるでしょう。全体相場の上値が重いことは決して忘れてはいけません。
東京市場を代表する銘柄の中にも、堅調な動きを継続しているものがあります。「 ファーストリテイリング(9983・東証1部) 」です。
・ファーストリテイリングの日足チャート
アジアでの成長やEC(電子商取引)の加速、IT投資による利益率上昇が期待されているようですが、10連休後、多くの主力株が下落する中でこの銘柄がここまで上昇していることに不思議さを感じるのが正直なところです。しかし、ファーストリテイリング株を保有している投資家は10連休後の波乱局面でもニンマリとしていることでしょう。
このように現在の相場環境が追い風になっている銘柄、「継続高銘柄」と「急反発銘柄」の両面から、10万円で投資可能な銘柄を取り上げます。
軟調相場の今、逆行高の10万円株
株価データは2019年5月27日終値ベース。
イムラ封筒(3955・東証2部)
封筒事業で業界首位、国内シェアは2割強。EC拡大による需要増の追い風を受けている企業のひとつです。食品包装、防水加工包装など付加価値をつけたパッケージ商品の開発も行っています。
・イムラ封筒の日足チャート
三共生興(8018・東証1部)
独立系の繊維商社で、取り扱いブランドに「DAKS」「LEONARD」の高級ブランドがあります。不採算店閉鎖に加え在庫管理の精度を高め、採算改善が見られています。
・三共生興の日足チャート
ETSホールディングス(1789・JASDAQ)
内線電気設備工事、送電線工事を主体とする電気工事会社です。価格競争の激化により工事採算は悪化しているものの、太陽光発電所工事から特別高圧変電所工事へのシフトが功を奏し復調気配です。
・ETSホールディングスの日足チャート
イメージ ワン(2667・JASDAQ)
自社で開発を手がける医療画像システムを主力に、ドローン事業も展開しています。AIを活用した遠隔画像診断支援サービスなど高付加価値サービスを強化する方針が、現在も株価動意につながったとみられます。
・イメージ ワンの日足チャート
エンバイオ・ホールディングス(6092・マザーズ)
土壌汚染対策事業や機器・資材販売が主力。この他土壌汚染地を購入し、浄化して再販売や賃貸を行う事業も展開しています。2019年5月8日に2019年3月期の連結経常利益を4億3,500万円(従来予想比+37.2%)に上方修正しています。【注】最終連結損益は赤字幅拡大
・エンバイオ・ホールディングスの日足チャート
(天海 源一郎)
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